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悪役令嬢と言われても!     ・

「なんてこと…」


 読書が生きがいの私はある日、気がついた。

 後妻の産んだ女の子は、真面目で控えめなお姉さんを苦しめる憎まれ役が多いってことに。

 これは、後妻の娘として生まれ、周りの人々に悪役令嬢と誤解され憎まれた私の復活と成功の物語。


 私はマリアンヌ。ランドフーリア家の次女。

 ゆるふわ金髪。青い瞳。

 読書が好きで好きで、文字を読めるようになった三歳の頃からとにかく本が大好き。


 子供向けの絵本はすぐ読み終えた。

 少年少女向けの冒険譚やお姫様物、空想小説、探偵物語、大人向けの怖い話も、とにかく貪るように読んだ。

 そして気づいた。


 世の女性たちに愛読されてる小説では、後妻の連れ子または後妻が結婚後に産んだ女の子って、憎まれ役が多すぎる。

 たいてい妹がお姉さんの好きな人を奪ってる。なんなら善良なお姉さんを母親と一緒になっていじめてる。

 いやそれ、偏見よね? だって生まれる側は順番を選べないのに!


 私の父は最初の奥さんを病気で亡くして、まだ幼かった姉のために新しい母親が必要だろうと考えた。

 周りの人もまだ若い父には妻が必要だと考えた。


 父は仕事が忙しい自分に代わって一人娘の世話をしてくれて娘に愛情を与えてくれる女性と結婚しようと決断したらしい。

 貧乏男爵の娘だった母を世話好きな某伯爵夫人に紹介された父。

 意外なことに一目惚れしたそうな。で、熱烈に求婚、再婚して生まれたのが私、マリアンヌ。


 六歳の今、大人しくて真面目な姉さんからは嫌われている。私は姉さんが好きなのに。

 つらいわ。自分で言っててつらいわ。


 でも負けない。

『次女は要領良くて無邪気で空気読まなくて姉の幸せをぶち壊す嫌なやつ』っていう運命の与えた試練に打ち勝ってみせる!

 見ておれ、運命の女神め!


 そう握り拳をふるふるさせて誓う私を、冷静な目で眺めてる姉は五つ年上の十一歳。

 黒い髪、黒い瞳のカタリナお姉さまは、亡くなった母親譲りのお顔立ち。

 真面目であまり笑わない。

 メイド頭に聞いたところによると、初めての子供ということでお父さまにも亡くなった母親にも令嬢として厳しく厳しく躾けられたらしい。


「最初の子あるある」だと思う。

 初めて育てる我が子に過大な期待をかけて誉めるより叱ることが多いらしい。

 お姉さまの行動の基準は「これをやったら怒られるか怒られないか」にガッチリネジ止めされたのね。

 いつも大人の目を気にしてる。

 やりたいことより「どう思われるか」を優先してる。


 で、私はというと、二人目の子供と言うことでお父さまは「まあ、怪我をしなければよい」「結婚相手の身分はあまりうるさく言う気はないから淑女教育もそこそこでよい」と大らかに(大雑把に?)育てられた。


 お母さまは貧乏男爵の娘だったから、それこそ針仕事から料理、掃除まで何でもこなしていた生活が忘れられず、メイドたちに止められても「大丈夫、だいじょーぶ」と笑って家事は何でもこなしたし、私にも手伝わせた。

 おかげで私も庶民並みに何でもこなせるの。


 レディとしての躾を骨の髄まで叩き込まれていたお姉さまからすると、下品な母娘に見えるらしい。ゲンナリした表情で眺められるけど、焼きたてアツアツのパイをつまみ食いする楽しみや、かぎ裂きしちゃったドレスにチャチャっと小さなレースのモチーフを縫い付けてドレスを無駄にしない工夫って、毎日を少しだけ幸せにするのよ。えへへ。



 そんなある日。

夕食の時にお父さまがこう言ったの。

「来週からマリアンヌが学園に通うから、カタリナは色々と学園のことを教えてやりなさい」


 しーん。


 お姉さまは上品にお魚のパイ包み焼きを切り分けていたナイフをジッと見つめたまま、小さなため息をついてる。


「カタリナ、聞こえたら返事をしないか!」

「…はい、お父さま」


 気まずい。


「お父さま、学園までは歩いてもすぐですから、わたし、ひとりで歩いて行けますよ?」

「なんてことを言う。馬車があるのに歩いて行くなど。カタリナ、一緒に馬車で行くんだぞ。妹の面倒を見るのは姉であるお前のつとめだ」

「はい、お父さま」


 お姉さまは下を向いたまま果てしなく暗い顔。きっと迷惑なんだろうなぁ。

 私は商会のミーシャや洋品店のララ、お役所勤めのおうちのサラたちとおしゃべりしながら歩いて行くほうがいいんだけどな。

 彼女たちと私ではコースが違うけど、貴族だけが集まる学術コースの方にほんとは行きたくなかったな。

 まあ、文句を言ってもどうにもならないか。放課後にあの子たちと遊べばいいしね。


「お姉さま、よろしくお願いします!」


そう言ったらカタリナお姉さまが人形みたいに表情のないお顔の口だけをキュと持ち上げて、「私ができる限り教えて差し上げるわね」と言ってくれた。


 目が怖い。

 目が怖いですお姉さま。


 お母さまはまだ十一歳のお姉さまに気を遣っているのか、ちょっと目を泳がせながら「迷惑をかけますね、カタリナさん」なんて言ってる。

 十一歳に気を遣う二十八歳もどうかと思うわ。


 ま、とにかく明日はお姉さまに迷惑かけないように頑張ろうっと。


人生初の小説で、この作品を執筆していた当時は小説の作法をよくわかっておらず、2025年現在こつこつと修正しています。修正完了まで、お見苦しい点はご容赦を。

修正済みの回はタイトルに「 ・ 」をつけています。


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コミック『超!!! 天才発明令嬢のパワフル領地改革1・2・3・4・5巻』
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