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最終話 この世界で君と永遠に。


「おじさんっ! おめでとうございます!!」


 俺は面接に受かった。色々あったけど、生活基盤を整える目処が立ったんだ。


「ありがとう。これもそれも君のおかげだよ……本当にありがとう」


 ポロポロと流れる涙が止まらなかった。安堵の涙。


「もーうっ、なに泣いてるんですかぁ。キモいですよぉー」


 心が満たされる。名前も知らないこの子から投げかけられる心無い言葉が心地いい。だって、言葉とは反対に優しくしてくれるんだから。


「うっわ。なぁに悟ったような顔してるんですかぁ?」


 そうだ。この蔑んだ目がたまらなく良いんだ。


 いつからだろう。俺はきっとこの子に恋をしていたんだ。年甲斐もなく。好きになってしまったんだ。


 ──名前も知らないのに。


「君のことが好きだ。大好きだ。結婚してほしい」

「は? はぁーー? 無理に決まってるじゃないですか、なに言い出してるんですか?」



 存外、俺は異世界ライフを堪能していたんだ。

 お金もない仕事もない家はダンボールだったけど。君が居たおかげで絶望することもなく前を向いて進むことができた。


 俺は必ずこの子と結婚する。今日のところは振られちゃったけど、また告白する。

 頑張って働いて、いつか結婚して子供が出来て、幸せな家庭を築く。孫の顔もみたいなっ!


 これから始まる二度目の人生に心が踊る。


 俺はこの世界で君と、必ず幸せになる!! 君を必ず幸せにする。



 よぉーしっ! 次の目標は正社員だ!!

 えいえいおーー!!



「いや、だからなに悟ったような顔してるんですか。キモいですよ?」



 ──蔑んだ目、ありがとうございますっ!!


 

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