第8話 いざ、面接へ!!
ピピピッ 2番目に可愛い子
はいはい。ポケベル鳴りました。
《もう来ていいですよ〜》
クマがGOGOしてるスタンプ。
さて行くか。と、その前に爺ちゃん達に挨拶をしておこう。
ーー男、サブロー。これから面接に行って参る!!
ジャスティスハウスを出ると爺ちゃん達が親指を立ててくれた。
「サブローちゃんファイトじゃぞ!」
「普段通りじゃぞ!! 落ち着くのじゃ!」
爺ちゃん達にエールを送られる。
こういうの良いなぁとしみじみしていると、
ピピピッ 2番目に可愛い子
《既読無視ですか〜?》
クマが怒ってる。
クッ。受信は出来るが送信はできない。
ちょっと待っててね。あと五分など伝えることすらできない。
それなのに、向こうに既読はつく。見てます起きてます。はいとも簡単に伝わってしまう。
もうっ! こんなのひどいよ!!
とりあえず爺ちゃんたちに「行ってきます」をして、人目のつかないところで瞬間移動をっと。
ピピピッ 2番目に可愛い子
《あのぉ、どれだけ待たせるつもりですかぁ?》
クマが呆れてる。
──ポケベル……めぇ。
パチンッ
◆
〝シュッ〟
「あれ? この感触……」
2番目に可愛い子の顔が真上に……?
「はぁ。毎回なんなんですか? 今日は膝枕ですか?」
ベッドに座る彼女の膝に都合よくテレポートしたらしい。なんと言う事だ。しかし落ち着く。
俺は静かに瞳を閉じ、この幸せに浸った。
「あの! あの!! 聞いてます?離れてください」
「あ、ごめん!」
俺はハッと我に返り体を起こす。
「おじさん、不可抗力だと本気で思ってます?」
「え、違うの?」
蔑んだ目で見ていたかと思えばため息をつき、その先を話す事は無かった。
「じゃあ行きましょう!」
「そうだね!」
…………。
「いやいや、テレポートして下さいよ!」
「あ、はい。」
2番目に可愛い子の派遣会社!
パチンッ!
◆
シュッ
壁・ドン!
「またですか。しかもなんであたしが毎回ドンする側なんですか」
最近殴られなくなった。諦めているのか、慣れてきたのか、呆れているのか正直わからない。
「あはは、ごめんね! ほんとこの能力はダメダメだなぁ」
「はぁ。さっ行きますよ!!」
やっぱり可愛いなぁ。バイト帰りとは服装も違う。初めて見るワンピース姿。体のラインがくっきりしていて、まるで天使だ。
俺の隣に居る事が似付かわしくないのは言うまでもない。
「ほーら! 行きますよ?!」
俺は辺りを見回す。結構すごいビルだ。エレベーターに乗り衝撃を受ける。ボタンの多さ!100階を超えているのだ。
しかし、これから向かう派遣会社は7階だった。
ピンポン。すぐに到着した。
ーーーー
「指パッチンの事は絶対に秘密です。これだけは約束して下さい」
入り口前で思い立ったかのように話出す。
「わかってるよ!」
「ならいいんですけど! あ、おじさん! ネクタイ曲がってます」
小さな手で直してくれた。
俺はありがとうと言い頭をポンッとした。
「な、な、な、何してるんですか?!」
「あ、ごめん。嫌だったよね。つい……。」
「べ、別に嫌では無いですけど……やめて下さい。反則です」
いつもの威勢の良さが消え、少し頬を赤く染める彼女を見て、悪い事をしてしまったんだなと反省した。
「ほらっ! なにボーッとしてるんですか! 頑張ってきて下さい!!」
背中を叩かれ、我にかえる。
──よぉーしっ! 職にありつくぞぉ! 無職脱却してやるっ!!