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第3話 ジャスティスハウス

 俺は心底困っている。皿を返さなければならないのだ。

 今はみきちゃんの視界に入りたくない。気まづいからだ。

 俺の事なんか、ミジンコ程度にしか思っていないのは百も承知。

 でも、そうじゃない。男ってのはそんな簡単に割り切れる生き物じゃないんやぁぁ!!



 さぁて、どうしよう。



 やはり、指パッチンしか……。


 皿を戻せ!パチンッ!





 パリーンッッ‼︎





 えーーーー?!

 馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なぁぁ〜?!!



 公園! パチンッ!シュッ



 やってしまった。働いて弁償しよう……。働いて……。

 仕事探さないと……。



 そろそろベンチも腰が痛くなって来たなぁ。

 炊き出しがあるって事はキャンプ場的なのもあるんじゃないか


 よしっ!


キャンプ場的なの!パチンッ


 シュッ。



「あわわわわ」

 爺さんが尻餅をつく。


「あ、すみませーん!」


「君、今、飛んで来た?」

「いえ、歩いて来ましたけど?」

「あ、そうじゃったか。すまんのう。はて?」


 テレポートは危ないな。マジで気を付けよう。


 ーーーー


 やっぱりあるじゃん!! キャンプ場!!

 此処に住みたいなぁ。キャンプ場の主、長的な人に挨拶しないとだよな。


 キャンプ場を散策していると、爺さんに話しかけられた。


「なんじゃ? 冷やかしか?」

「いえ、此処に住みたいなぁと思いまして」

「ほう、若いのに苦労してるんじゃのう」


 やけに貫禄のある爺さんだな。

 今まで意識して見てなかったけど、大小はあるが、どの爺さんも貫禄が出てやがる。

 この世界の爺さんは格好良いんだなぁ。


「どれ、ワシが取り次いでやろう。ちと待っとれ!」


 ……。


「2畳ならすぐいけるって!」


 あ、そういう感じ……。

「出来たら3畳でお願い出来ませんか? 2畳だと足伸ばすと窮屈なので」


「縦にすればええじゃろ?」


 あ、やっぱそういう感じ……。


「横が狭いですよ〜、どうにか……お願いしますよ……」


「はぁ。じゃ待っとれ」


 ……。



「3畳でもOKじゃて! 月1000Gじゃが!」


 か、金取るの?!


「あ、すみません。手持ちが無くて……」


「なんじゃ、文無しか!! 若いのに苦労してるんじゃのう……。じゃあタダでええよ!」


「えっ、いいんですか?」


「うむ。元々タダでええって言われてたからのう。気にするでない!」



 こ、このじじい……搾取しようとしたのか!中間マージンのつもりか……。侮れないぞこのじじい。この世界での生き方を知っている。


「そこにあるダンボールやら枝やら好きに使ってええぞ!」



 やはり無一文が効いたのだろうか。親切にしてくれる人が多い。

 このキャンプ場は縦ではなく横社会のように見えた。


 不思議とみんな余裕が垣間見える。

 この余裕の正体が今の俺にはわからない。



 そんな事を考えてる間に家が完成した。中々の出来栄えだ。

 俺はこの家を「ジャステイスハウス」と名付けた。

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