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プロローグ3 博希、突然死ぬ!?

「もう一度言います。なら殺してあげましょうか」


 金髪に紫紺の瞳の美しいメイド姿の少女の物騒な言葉に、我に返った博希は思わず聞き返す。


「あなたはいったいどちらさまん?」


 このようなふざけた言葉になっているのは、目の前の存在が死を体現したかのような存在だったからだ。

 そんな目の前の死は淡々と答える。


「私は魔人族の尖兵。名を名乗る必要性は感じない」

「アウンハイボクモソウオモイマスハイ」

「……失礼。ちょっと殺気が強すぎたようですね」


 途中からカタコトになってしまった博希を見て少女、魔人族の尖兵とやらは殺気を抑える。

 すると、緊張感はあるものの、博希はようやっと生きていると実感できるようになってきた。

 博希は自分の気を落ち着かせるように深呼吸をして、


「ははっはははははははは」


 突然笑い出してしまった。


「?」

「いや、あれですよ☆彡なんでこんなところで油売ってるんです☆彡」

「……どういうことです?」


 博希はにこにことしながら続ける。


「今のうちに王族とか俺たちのこと殺せば人間族は三つ巴状態から脱落でしょ☆彡 なのにこんなところで何してるのかなあと思いまして☆彡」

「……煽るなら煽るで丁寧な口調はやめたらどうです?」

「あ、そう☆彡 分かった。で、何してるの☆彡」

「……ふざけるのも大概にしてください」

「……了解」


 博希は図星を突かれてすぐに元の調子に戻る。なぜなら目の前の存在がどうしていようと勝手だし、興味もないからだ。

 口調を戻した博希はしかし笑顔は崩さず続ける。


「話がしたいんだけどいいかな?」

「それに乗る意味は――」

「君が求めている物のありかなら俺は知ってるけど」

「――」


 博希の言葉に少女の表情にほんの少し、常人なら気がつかないような緊張が走る。

 しかし、博希にはそれで十分であり、何より表情に変化が出るように先ほどまでふざけた態度を取ったのだ。

 博希はにこにこと笑いながら、しかし目だけは真剣な表情で金髪に紫紺の瞳の美少女であり、魔人族の尖兵を見る。


「さて、話をしようぜ」


 ○△□


「ふう」


 時刻は夜遅く、風呂から上がった博希は一か月前、異世界召喚されたときに用意された自分の部屋のベッドに灯りもつけずに飛び込み、仰向けになると息を吐いた。

 そして、あの少女との会話を思い出すと、思わず笑みがこぼれる。


「いやあ、人生何が起こるか分からないな」


 結果だけを言うと、あの死との邂逅のあと、必死に生き残る術を探して頭を働かせ、博希は何とか生き残った。

 しかも、その時間があまりにも濃すぎて、そして明日が楽しみで仕方がなくなるなど思ってもみなかった。


 コンコン


「? はい、どうしましたか」

「一ノ瀬君、入ってもいい?」

「誰だ?」

「む、ひどいよ~。同じクラスで、しかも隣の席なのに」

「……ああ、成瀬か。勝手に入っていいぞ」


 博希はため息を一つつきながら答えると、一人の少女が入ってきた。

 やや茶色っぽい黒髪に、すっと通った鼻筋に、大きな瞳の少女はまさしく美少女であることが分かる。博希が通っていた学校の二大プリンセスの一人、成瀬いのりだ。ちなみに彼女は学校では隣の席で、バカなのか何なのか分からないがよく博希に話しかけてくるのだ。

 博希はくまさんの柄がついたパジャマを着たいのりを部屋に置かれている椅子に座らせる。


「で、どうしたの」


 博希はそのパジャマはいったいどこで手に入れたのだろうと疑問に思いながらもぐっとこらえて質問する。

 すると、いのりはやや逡巡した後意を決したように、


「明日、私たちべふっ!」

「……」


 何かを要求しようとして身を乗り出してこけた。しかも何もないところで。


「ほら、明日は四十人を五人一組の計八組に分けて、それに騎士団の人を一人ずつ担当するでしょ?」

「あ、ああ」

「だから、翔太くんと颯太くんと流美ちゃんと私のグループに入ってほ――」

「断る」

「な、なんへぶっ」


 にべもなく断った博希に対していのりが立ち上がって不平を言おうとしたところで自分の足に自分の足を引っかけるという神業でこけた。

 実はこういった抜けたところがあるのが人気の秘密だがいのり自身は知らない。


「なんで俺があいつらと一緒にやらなきゃいけない? というかあいつらが許可してくれるわけがないだろ?」

「あ、実はこの話が出たときからもうグループ分けが終わっちゃってて、一ノ瀬君が入ることは決定してるの」

「……ならなんでここにいる?」

「ほぇ、ええっと……」


 すでに班決め終了しているというのならここに来る意味はないので博希は質問したのだが、いのりは頬を若干染めてしどろもどろになる。

 部屋は暗いのでいのりの表情はよくわからないし、話も支離滅裂でよく分からないので博希は思わず半眼で睨んでいると、椅子に座り直したいのりが顔を上げた。


「そうそう、一ノ瀬君の知識を貸してほしいの」

「……知識?」

「うん、だって博希君ずっと図書館で本を読んでたでしょ? だったらその知識を私たちのグループに分けてほしいなぁって思って」

「……ふうん」


 それも別にその時になってからでよいのでは、と博希は思ったが少々抜けたところのあるいのりが言うのだからとひどい納得の仕方をした。


「……まあ、パーティーを組むんだからそれくらいは別に」

「ほんべふっ」

「……くくっ」


 今度は何もないところでこけてしまった。二度目である。というか身を乗り出すほどのことなのだろうかと博希は思っているのでほんの少し面白いなと思い笑ってしまった。

 するといのりがじっとこちらを見て、


「一ノ瀬君少し変わった?」

「?」


 突然そんなことを言うのであまり表情を崩さない博希も思わずキョトンとしてしまう。

 それの様子を確認していのりは笑顔で首を振る。


「ううん。何でもない」

「そうか、そろそろ自分の部屋に戻ったらどうだ?」

「む……分かった。じゃあ明日はよろしくね」


 いのりが笑顔でそう言ってくるのでうなずくと部屋を出て行った。


 ○△□


 その翌日。


「ハアアッ」


 ズバッという音とともに魔物が悲鳴を上げて消滅した。


 現在、勇者として異世界召喚された生徒たちは一か月の教育機関を経て、初めての実践として『グリモアル迷宮』にやってきていた。この『グリモアル迷宮』は百層まであり、世界でもトップクラスに深い迷宮だ。


 今回の実践訓練は、八パーティーが別行動をして攻略されている第一層のとある集合ポイントまで到達するというもの。

 

「ふう。よしみんなこの調子でいこう」


 掛け声をかけるのは先ほどの魔物を聖剣でたたき切った光の勇者・空井翔太だ。


「うん。頑張ろう!」

「おう! でも翔太、次は俺に譲れよ?」


 それに答えるのは同じくパーティーを組んでいる成瀬いのりと寺原颯太。

 まさに迷宮を冒険する勇者と気心知れた仲間たちのような会話に、


「寺原、何度も言うが相性によって戦闘のメインは変えるんだ。譲るも何もない」


 しかし冷たく横槍を入れるの人物がひとり。もちろん一ノ瀬博希だ。


「うるせえ! わかってるわ! ったくこれだから――」

「やめな、さい!」


 颯太が文句を言おうとしたところで止めたのがこのパーティーのもう一人のメンバー、雷の勇者・天河流美だ。

 彼女は颯太を叩いた聖なる力を宿した刀の鞘を腰に戻すと、ややつり目な瞳を半眼にして厳しい口調で


「さっきあんたが勝手に行動したせいで翔太と私も危うくダメージを受けるところだったのよ、反省しなさい」

「くっそ~これも全部あいつの――」

「自業自得でしょ!」

「イデッ!」


 不平を言おうとした颯太をもう一度流美が鞘で叩く。

 なぜ鞘で叩くかについては簡単に言うと颯太の身長が百八十センチを超えるほど高いため、それほど身長の高くない流美が叩くためにはそれが必要なのだ。まあ、颯太が見た目に反して少々子供っぽいというか怒りっぽいところがあるのでそれを止めるには頭を叩くのがもってこいというのもあるようだが。

 

 天河流美は博希の学校のプリンセスのもう一人、いのりとは幼稚園からの親友だそうでいつも一緒にいる。彼女の家は剣道を中心にした武術の道場をやっており、そのつややかな黒髪のポニーテールと相まってテンプレクール系プリンセスとして人気がある。ちなみにいのりはドジッ娘癒し系プリンセスだ。


こんな感じで迷宮であるにもかかわらず和気あいあいと楽しそうに進んでいく様子を今回指導役としてパーティーに入っている騎士のクリス・ドーベルメンは驚愕とともに見ていた。

 否、正確には博希に驚愕の目を向けていた。


「みんな、来たぞ!」


 そんなときに前方から魔物が現れる。それはゲームでは最初のほうに出てくるモンスターの定番、スライムだ。それが五体。

 そのプルンとした青い物体を見ながら博希が指示を出す。


「先ほども言ったが、スライムは斬撃よりも打撃の方が強いから――」

「拳闘士である俺の出番だろ?」

「そうだ。ただし、必ず一撃入れたあとは離脱して俺か空井の援護射撃が完了してから攻撃再開のローテーションを忘れるな。それと今回は空井が基本的に援護射撃をやってくれ、空井は近接戦闘が得意だけど勇者ならある程度遠距離からの攻撃も扱えないと本番で役に立たないだろうからな」

「分かったよ」

「よし、天河は――」

「雷に耐性があるから今回は休みでしょ?」

「その通りだ」


 王国直属騎士二番隊副隊長のクリスはこの状況に驚いているのだ。自分は先ほどから一切の指示を出していない。それもこれも全て博希が事前にこの層の魔物についての講義を他のメンバーにしていたからだ。おかげで現在このパーティーは前衛陣でさえもダメージを受けずにここまでやってきているのも驚愕の一つだ。


「ラアッ!」

「下がれ颯太」


 まずは指示通りに颯太が国特別製のガントレットを装備した右手で一撃を入れ翔太の掛け声で後ろに飛び、そのタイミングで詠唱する。


「ライトボール!」


 スライムが悲鳴を上げる。チート能力者集団であるため今の攻撃だけでも倒れる。

 ここでスライムの二匹が翔太と颯太に攻撃を加えようとしたところで、


「ファイアウォール」


 これまた国の特別製のワンドを持った博希の詠唱で炎の壁が現れて、進行を阻害する。

 そこにすかさず翔太と颯太が攻撃を入れて倒していき、その後も隙のない連携でわずか十分程度で五体全てを完封してしまった。


「一ノ瀬君あとどれくらいでチェックポイントに着く?」

「……このまま魔物と出会わなければごふんってとこかな」

「そうか、みんな最後まで気を抜かずに頑張ろう!」

「おうよ!もっとスライム来いやあ!」

「あのね。それだと私が暇でしょうが」


 自分以外のメンバーが笑いながら歩いていくのを博希は最後方にて無言で見つめていた。無論、クリスがこちらをじっと見つめてきていることにも気がついていたが無視を実行していた。



 その後は運よく魔物にエンカウントすることもなくチェックポイントに到達した博希たちは、そこに五人の人影を発見した。


「お、二番手の到着じゃん」

「な!二番な!な!」

「ふふふ、我らフィアヘルドの次とはなかなかに出来るな」

「おい、他のメンバーは誰もそんな名前認めてないからな」


 むろん定型文のようなコントを繰り広げているのは火の勇者・田中雄介、水の勇者・佐藤公大、風の勇者・鈴木隆文、土の勇者・桧山健斗だ。どうやら一番にここに来ていたらしい。勇者四人ということは伊達ではないということだろう。


 一瞬、勇者四人が博希のことを睨んでいたのだが、博希はそちらを見ることはなく、目線だけでこの四人と今回パーティーを組んでいる女子生徒を見ていた。

 その女子生徒は眼鏡をかけていてかつ前髪が長い、まさに地味子を体現しているような感じだった。名前は速水桃で役職は治癒術師の一人だったと記憶している。


 治癒術師は召喚された生徒四十人のうち八人いたため、今回の八パーティー全てに配置されている。あるいはそうなるように八パーティーに設定したともいえる。

 博希はなんとなく速水の様子が気になったのでしばらく見ていたが、あまり見過ぎるとただでさえ変態扱いで嫌われているのに余計に面倒なことになるので視線をそらした。


 そんなこんなですべてのパーティーが無事チェックポイントに、予定よりも速いスピードで到着した。

 そのことを確認した勇者一団の指導における責任者の王国直属騎士一番隊隊長のボルドー・レトルバーが指示を出す。


「よし、予定よりも早く着いたから、ここからは全員で進んでいき第二層まで行けたら行くぞ」

「はい!」


 ガタイの良いおっさんの快活な声に勇者一団はいい声で返事をする。もちろん博希は無言だ。

 そんな博希をボルドーがじっと見つめてきて、返事をしなかったことを指摘してくるのかなと思ったが、


「一ノ瀬君、この後のルートについての注意点などはあるか?」


 なんとも予想外の言葉が飛び出して、その場にいる全員に緊張が走った。


「……何のことです?」

「クリスから話を聞いた。君はこの迷宮で出てくる魔物の情報を熟知しているそうだな」

「まあ、あの書斎にはこの迷宮の攻略した場所についての本もありましたし」

「なら、この先に情報についても教えてくれ」

「……」


 博希はボルドーがなぜこのようなことを要求しているのか分かった。

 博希はここまで訓練に全く顔を出しておらず、それ以前に他の生徒たちといい関係をつくれているとは言い難い状況だ。

 そこで博希が素晴らしい実力を持っていると思わせることで仲間として認めてもらえるような状況を作り出そうしているのだろう。


 そこまで把握した博希はしかし、


「すみません。こちらとしては先ほどまでのルートしか想定しておらず、ここから先については情報収集できていません。申し訳ありません。」


 あえて乗らないことにした。

 もちろん博希はこの迷宮の攻略情報を知っているし、ここで実力を見せることはここにいるメンバーの仲間として認めてもらうには持って来いだろう。

 しかし博希にそんなつもりは毛頭ない。それに今日立てている計画に出来る限り支障をきたしたくないのだ。


「……そうか、確かに予定にはなかったことだしな」

「はい、自分がいるパーティーの足手まといにならないようにと思って勉強していただけでしたので申し訳ありません」


 ボルドーの言葉に対してそれはもうすらすらと嘘を並べ立てる博希。

 それをじっと見つめたボルドーはため息をついた後、


「よし、では俺たちの後ろについてくるように!」

「はい!」


 それから、ボルドー他八人の指導役の騎士たちが周囲をかこいながら周りを勇者一団に戦闘をさせて進んでいく。

 博希は最後方で目立たないように歩いていると、いつの間にか隣に流美が現れた。


「一ノ瀬君。なんであの提案を断ったの?」


 博希は流美のことをちらと見ると、やはりこの少女はすごいな感心していた。


 流美はあちらの世界でも人の機微に聡いところがあって、不穏な雰囲気になりそうなところを機転を利かせてうまく回避するというスキルを持っている。先ほど颯太が博希に文句を言おうとしたところを叩いていたところなどはまさしくそういう意図があっただろう。


 そして、今回の件についてもそういう意図をしっかりと把握してこちらになぜ? と心配そうに聞いてくるのだから、超お人好しなのだと見てわかる。


「別に、本当のことを言ったまでだがそれがどうかしたのか天河?」

「……そう、でももう少し周りにもあなたの力を示さないとだめよ? あなたは本当はうちの翔太よりも賢いんだから」

「いえいえ。わが校のデキスギ君にはかないませんよ」

「分かって言っているくせに」


 この少女も自分を平等に見てくれていることに感謝をしながら、しかし余計なお世話に加えてとぼけた態度をとることにちょっと怒っていることを察して、ふと悪戯心を抱いてちょっとした仕返しをした。


「天河こそ、あんまり周りに気を使ってばかりになるなよ」

「えっ」

「天河が周りに気を利かせているおかげでうちのクラスが回っていたことは事実で、実際今も俺のことを気遣ってくれてることには感謝してるけど。自分の気持ちを押し付けすぎるなって話だ」

「め、珍しいわね。一ノ瀬君何かあった?」

「さあ、な。それよりこんな変態と長話してると怪しまれるからとっとといなくなれ」

「……そう、分かったわ」


 博希の言葉で流美は戻っていった。


 それからしばらくして第二層に到達し、全員が一度そこの魔物と戦ったあと迷宮から外に出た。


 初の実践だったため、外に出たあとから生徒は弛緩した表情をしている。チート能力があったとはいえ、かなり高い緊張があっただろう。実際、勇者四人のコンビやリアルデキスギ君こと翔太などもほっとした表情をしている。


 そんな中いのりは博希を探していた。昨日のお願いを聞いてくれたことで、自分たちは何のダメージもなく進むことができたのだ、感謝してもしたりない思いがある。


 しかし、どこを探しても見つからない。だんだんと焦り始めてきたいのりにさらに追い打ちをかけるように焦った騎士の声が聞こえてきた。


「ボルドー隊長!一人いません!」

「何!どういうことだ!」

「分かりませんが39名しかいないのです!」

「ええい、これから全員の名前を呼んでいく呼ばれたら返事を頼む!相沢!」

「はい!」

「井川!」

「はい!」

「一ノ瀬!」


 返事はなかった。


 その後他の生徒については点呼が完了し、やはり博希がいないことを知った他のメンバーは戸惑いの表情を浮かべていた。

 特に……


「一ノ瀬君を早く助けいいかないと!」

「まっていのり、今騎士団の皆さんが言ってくれてるでしょう」

「流美ちゃん離して!私も行くの!」


 そう、昨夜話をしていたいのりの焦燥は計り知れなかった。


「馬鹿言ってんじゃないの!いのりが行っても足手まといになるだけでしょうが!」


 いのりを抱きしめて何とか止めている流美は必死に言葉を用いて説得する。

 その後も説得は続き、いのりが落ち着いてきたころ、流美が優しく慰める。


「大丈夫よ。彼は多くの人間が知らないだけでとても賢い……それはあなたが一番知っているでしょう?」

「流美ちゃん……」

「だからきっと大丈夫」

「……うん」


 しかし現実は甘くはない。


「あ、ボルドーさん」


 いのりが落ち着いた瞬間にボルドー他全八人の騎士たちが返ってきた。

 その様子を見ていのりは口の中が急速に乾いていくのを確認しながら、


「すまん!本当にすまん!間に合わなかった!」


 その手にある血まみれのワンド、博希が持っていたそれを見て意識を失った。


 








 


 




 










 




 


 









 


 



 







 


 



 

















次も出来るだけ早く出します。


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