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邪神な彼女の解説タイム

 この世の、神と呼ばれる存在についての筆者の考え方(妄想)を本作の設定としています。ご了承ください。

 「さて、光栄に思え。解説タイムだ」

 「何でファ〇ガイアの王っぽいんですか?」

 「気にしてはいけない。気にしては…ん?」

 そこまで言ってナイさんは本の空間の隅の方を見た。僕もつられて見てみると、その隅の方では、青黒い煙のような物がもうもうと立ちこめていた。

 …………………あれ?どっかで聞いた―――って言うよりあれだよな。90度以下の鋭角からどんな所にも侵入してくる某猟犬だよな。

 「ティンダロスの猟犬――ッッ!!!!!」

 ティンダロスの猟犬。フランク・ベルナロップ・ロングが発表した『ティンダロスの猟犬』。その作中に登場するクリーチャー。僕たちの住むこの世界とは違う空間から90度以下の鋭角を伝ってこの世界に出現する不浄な存在は、僕たちを細切れにするには十分の力を持っている。

 「ナイさ――」

 ナイさんをせめて庇おうと動き出したその瞬間。

 「――――――去ね、愚犬共が」

 絶対零度の声と共に放出した黒色のオーラのようなものが煙を四散、いや消滅させていた。

 「………………ワォ」

 おそらく、すさまじくマヌケな顔をしていたと思う。僕は、その姿に見惚れていた。

 「まったく。ここ2、3年間の歪みは異常なものだな。邪悪皇太子に深海引きこもり、それにファイヤーバカの所もノイズが走るらしいが……『星消しの光条』アストル・ディエスト・ラフィニオンの影響が出始めたのか……?」

 ………何か、伏線っぽい発言が出て来たけど…ま、いいよね?

 「おっと、済まない。考え事に夢中に……なにをジッと見つめているのだ?」

 「いえ、かっこいいなーと。さらに好きになりました」

 「ッ……。もうよいっ!好きに懸想しておるがいいわっ」

 そいつは光栄なことで。じゃあもっと言いますよ?

 僕が心の中でじみ~にほくそえんでいると「さぁ!」と、ナイさんが急に大きな声を出した。

 「愚犬どもの入ってきた穴は封鎖済みだ。私はこの『夢の国』(ドリームランド)内に於いてのみまさしく邪神のごとき全能さを誇ることが出来るのが数少ない自慢の1つなのでな」

 「あ、そういえばさっきから聞きたかったんですけど、本当に邪神なんですか?」

 「………結論から言うのなら、イエスだ。詳しい説明をするのならばしばらく時間が必要となるが構わぬか?」

 「えぇ。もちろん」

 好きな人の事は詳しく知りたいものだしね。何て事を心の中で呟きつつ即答した。

 「……では、何から話したものか…。そうだな…神と呼ばれる存在は実在する。

 正確に言うならば、精神的な生命体だ。彼の者達は肉体を必要としない生き物なのだ。

 彼の者達は知的な生命が誕生すると確定した惑星の手によって生み出される。通常は順当に進化したその知的な生命達が、元より存在した神達の姿を無意識的に感じ取り宗教を創り上げて行く訳なのだが…どうした?質問でもあるのか人の子よ」

 「え~っと…いろいろ聞きたいことは有るんですが…何より聞きたいのは、あなたは何なのかって事です。

 クトゥルフ神話は20世紀になってから創作された物のはず…なぜ、邪神、あなたはいるんですか?」

 「……ハーワード・フィリップス・ラブクラフト。知っているな?」

 しばしの沈黙の後、ナイさんは僕に確認するかのように問いかけた。

 「ええ。クトゥルフ神話体系の生みの親でしょう?」

 「そうだ。だが、彼の者にはある『力』があった」

 「力?」

 思わず聞き返し、ナイさんと眼が合う。彼女の()にはなんとも言えない光が宿っていた。

 「そうだ。『一定数以上の人の思念が集まった物語を具現化する』という『力』がな」

 「…へ?」

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