何だか夢に出てきそうです
煽てられた→調子に乗って続きを書く
そんな構図が虹乃の頭にはあります
苛立ちながらフィナの胸に抱きつくが本物の胸では無いので硬い。女の子特有の確かな抱き心地を得られなかったのでフランシスの後ろに控えていた兎のメイドさんに抱きついた。
「あ、ずるい!」
「あらあら」
後ろからジョージの羨ましそうな声が聞こえたが無視だ。兎さんは赤い目を優しげに細めながら夏希を抱きかかえた。久しぶりの弾力に思わず頬が緩みそうになった。
「ふはは、いいだろう。しかし、この場は譲らない」
せっかく手に入れた柔らかさ、この肉付き、たまらんな。へっへっへ、とかなり変態な事を考えていたのが顔に出ていたのだろうか、若干、兎さんが引いていた。
「えー、違うよ。僕はメイドに代わって夏希を抱きたいわけ」
「ぶーーーーーっ!!」
何かトンデモナイ発言が聞こえたけれど気のせいかしら、ええ気のせいよね。こんな可愛い天使様が、そこいらの学校にいる男子みたいな発言をする訳が無い。おかしいな、最近イヤホンでガンガン、曲を聞きすぎたせいだな。
「夏希の身体は硬くて男の子みたいだけど、それが癖になるんだよね」
「・・一言よけいじゃ!」
うん、ジョージ。君は天使から格下げだ、今から堕天使と呼ぼう。
「もうジョージとは一緒に寝ないからな。今日から兎さんと寝て、いちゃいちゃするのだ」
「あら、夏希。私はまぜてくれないの?」
身体の硬さの余り、夏希に放って置かれていたフィナが艶然とした笑みで微笑んでいた。こんな美女と可愛らしい兎さんの間に挟まれて一夜を明かすなんて男のロマンじゃないか。こんな誘惑を断る男はいるか、否いない。
「勿論! うふふ、両手に華とはこの事だよね。一度でいいから美女に取り合ってもらいたかった。『夏希は私の物よ』『いいえ、夏希は私の方が好きに決まってるわ』 く~、言われてえ!」
ぐふふ、と変な笑みを浮かべているとジョージ、フランシスがまた可哀そうな目で見てきた。アベルに至っては、もはや呆れて言葉も出ないようだ。
まあ、野郎の視線なんて気にしないけど。お前らも羨ましいんだろ、はっきり言っちまいな。譲ってやらないけどね。
「ふっはっはっは、はーっはっはっは!」
「あの、夏希・・」
勝ち誇ったような高笑いを浮かべているとアベルが遠慮がちに声をかけてきた。
「ん?」
「フィナは男だよ」
「当たり前じゃないの、フィナはおと・・・・男っ!?」
確認するようにフィナの胸に手を当てたり腕を無遠慮に触りまくる。確かに胸は無いし所々、骨ばっている部分もある。女性にしては身体が大きいな、とは思っていたが、まさかフィナが男!?
「だ、だって、こんな男性がいたら私は何なの? 実は私も男とか?」
「大丈夫、夏希は女だったよ」
「しゃーっらっぷ、ジョージ! 今は君のおふざけに付き合っている暇は無い。今はフィナさんが男かどうか検討中なのだ」
えー、ふざけてないのに。ジョージが唇を突き出して言うがそんなものには惑わされないぜ。
フィナさんが男だと。そんな訳がない、こーんな綺麗な男がどこにいる。
「じゃあ確かめてみる?」
そう言ってフィナが抵抗しない夏希の手を持って、ある部分に持って行く。
「にょわーーーーーー!」
ぱっと手を離したが既に遅く、嫌な感触が手のひら全体に伝わってしまった。
おおう、ぐにゃりって、ぐにゃりってしたよ。なんだか生生しくて夢にでも出てきそうだ。
「あら、気付いてなかったの? 最初会った時に私が男って言ってたじゃない?」
「え、言ってないけど」
そんな覚えは無い。会った時は水辺で叩き起こされたはずだ。その時の化粧には驚いたが最初から女性だと認識していた。
首を傾げる夏希にフィナは、ああと手を打って納得していた。
「もしかして、あんた。私の姿に気付いてない?」
「ま、まさか・・!」
「ええ、そう、私はイ・・」
「実は魔性の男!?」
「「・・は?」」
見事な程、室内にいる皆がハモッた事実に気付かず、夏希は一人で勝手な解釈、妄想を始めた。
「もしかして、あれね。実はフィナさんの家は貧乏で、もはや身売りしか無くなった。しかし家にいるのは綺麗な男の子、つまりフィナさんしかいない。世間で娼婦としてはやっていけなく、泣く泣く女の振りをするハメとなる。なんて壮絶で可哀そうなんだ」
「・・夏希、女の格好をしなくても男娼って手もあるよ」
「しかしフィナさんには名がある。ということは、愛情渦巻く娼館の中でめげずに本当の愛を見つけたんだね!」
アベルの指摘を華麗にスルーして夏希は腰に手を当て、どうだ、と言わんばかりな笑みをフィナに向けると、そこには絶句した顔があった。だが直ぐに身体を揺らせて笑うと夏希の頭に手を置きながら「馬鹿だねえ」と笑う。
「な・・馬鹿ですと!?」
「ええ、最大級の大馬鹿。なんで、ここまで頭が腐ってるのかしら。いい? これは趣味の女装だし別に結婚もしていない。それに私は、あんたに「生臭そう」って言われたイルカよ」
「・・イルカ?」
「そう、イルカ」
女装が趣味だと色々つっこみたい物があったが、それよりも衝撃な言葉が聞こえた。夏希は言われている事が理解できずに立ちすくんでいたが、やっとその言葉が脳に伝わると盛大な悲鳴を上げてフィナから距離を取った。
「っつ、きゃああああああああああ! 嘘でしょう、イルカって、いやあああああ! 動物ってことは分かっていたけれど、まさか、あの突撃してきたイルカ!?」
「だって、あんたが失礼なこと言うから」
てへっ、どこからか聞こえてきそうな笑みだった。
しかし夏希はフィナを見ずに自分の手を見つめ虚ろな瞳で呟いていた。
私、また動物に触っちゃった。しかも長時間。ああ、もう瀕死だ、自分のHPは殆ど無い。
ははは、夏希は涙を流しながら気絶したいと本気で思った。