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燃え尽きたよ、真っ白にな






 夏希は苛々のため、早く寝ることにした。何で私が怒られなきゃならないの、頭の中はそのことでいっぱいだった。

 せめてもの反抗にベッドに置いてあった枕を全て投げて、そのまま枕なしで寝ることにした。











 朝日を受けて自然と目を覚ます。

 人間、どんなに苛々していても寝れるらしい。全く欲望に正直な身体である。


 夏希はふかふかした枕を引き寄せて頬をすりつける。


「ふかふかしてるぅ」


 肌触りが良すぎて語尾にハートをつけたいくらいだ。

 しかも人の体温と同じように温かくて、それがまた眠気をさそう。








 だがちょっと待て。確か私は枕を全て投げたはずだ。しかも枕が温かいわけないし、手の平にのるようなこんなに小さいわけがない。

 




 途端に冷や汗が背中を滑った。





「ま、まさか」



 うっすらと目を開けてその正体を見ようとすると視界いっぱいに白いものが広がる。


 そのまま相手に気付かれないように離れようと、ゆっくりと後ろに下がる。

 だが相手はそれに気付いたのか、離れる人肌を惜しむようにさらにくっついてこようとする。



 耐えることができずに飛び起きた。

 相手も驚いて2人そろって一気に起きた。



 夏希はベッド端によって相手が何かを確信した。

 白く、もこもこした赤い目をしたジョージだ。そう、あの時、フランスから逃げようとした時に入った部屋にいっぱいいた兎の中の一匹だ。しかもこいつは嫌がる夏希にすり寄ってきたジョージじゃないか。 本当の名前は分からないがジョージで反応したからジョージだ。

 ジョージは夏希が起きたのが嬉しいのか、ベッド端で震えている夏希に近寄る。


「すとぉっぷ」


 夏希が停止の合図を出すにもジョージは一歩一歩近寄る。


「止まれ、止まるんだ。そうしないと私は燃え尽きて真っ白になってしまう」



 ジョージにかけて、あの有名なセリフを改良したがジョージ、君なら分かるだろう。


 だが思いは虚しく、ジョージは思い切り飛び跳ねて夏希の胸にダイブした。



「ジョージイィィィ!」






 朝からの叫び声にフランスが扉を蹴り破ると、そこには兎に抱きつかれながらら放心している夏希がいた。














 ジョージはメイド頭の兎さんに抱きかかえられながら朝ご飯を涙目でちびちび食べている夏希を赤い目で忙しなく追っていた。


「う、う、ジョージがまだ見てる」


 兎さんに抑えられていなかったら絶対に夏希に飛びかかってきているだろう、ジョージの動きを見ながらパンをかじる。


「すみません、夏希様。ジョージは夏希様が大好きなようで」


「嘘だ」


「いえ、本当ですよ。ほら、今にも飛びかからんとしているでしょう」


「兎さん、絶対離さないで」



 その途端にジョージは身体をだらりとさせ、長い耳をたらす。



「あらあら、拗ねてしまいましたわ」



 私も拗ねたいよ。だがその心は誰にも聞こえない。








いや、それって明日のジョーじゃなかったか?

ジョージと似てるけど違うわー


ま、いっかw

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