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子供じゃないもん






 こちらの世界に来て2日目の朝、動物が描かれている壁と挨拶をして起きる。



 そしてまた溜め息が出る。

 なんでかまた枕が増えている。ベッドで寝る人物は1人なのになぜ枕が5つもある。シマウマにイルカにライオンにカエルに不細工な犬だ、もうやめてくれ・・・。


 


 朝から憂鬱な気分で身体を起こし、着慣れた部活服であるジャージに着替える。

 フランシスが用意してくれた服はクローゼットにある、だがしかし、どれも乙女ちっくなんだ。ピンク色や白のどこのゴスロリって感じの服だ。

 しかも動物柄の服がいっぱい混じっているのだ。



 こんな物を着るくらいなら裸で過ごしたほうがましだ、いや冗談です。さすがに裸になって解放感を味わうのは早いです。自分の身体を見せて、悲鳴をあげる女性を見るのが楽しいという心境にはなれません、なりたくありません。







「夏希、今日はどこに行く?」


 


 朝食の席でアベルがかわった果物を頬張る夏希に話しかける。夏希は果物を一生懸命呑みこんで、嫌な顔をする。


「引きこもってたい」


「太陽の光を浴びないと健康的になれないよ」


「現代人の多くは家でゲームをしています、不健康バンザイです」


「えー、街を案内するからさ」




 街か、確かに興味はある。香ばしい香りや見辺りのよい物がたくさんあるだろう、きっとアベルに頼めば買ってくれるだろう。

 だが、外に出るということは、つまり、その、嫌いな動物に会うということでしょ。そんな命をかけて行くのならば、外的からの攻撃がない部屋でぼーっとニート生活を味わっていたい。




「大丈夫、街の人は人型で生活してるよ」


「でも元は動物だったわけでしょ、うーん」



 確かに人と思えば普通に話せるし、触れるが何と言うのか。極端に動物が苦手の自分を直せそうにないのだ、頭ではわかっているが身体が拒否をする。



「見たこともないお菓子があるよ」


「・・・」


「甘ーいタルトにバターたっぷりのクッキー」


「・・・」



 おいおい、お菓子で誘うなんて、夏だというのにコートで全身を覆ってマスクとグラサンをつけ荒い息をしている変なオジサマが初々しい小学校の女の子を自分の車に乗せようとする常套句じゃないか。








 私が食べ物ごときで動物に会いにいくと言うのか。まったく、人を子供だと思ってもらっては困る。私はお菓子を餌にそんな怪しい車なんて乗らないからな。
















「行かせていただきます」



 おいおい、プリーズウェイト、白い眼で見ないでくれ。目のやり場に困る。



 ああ、そうですよ。私は食い意地がはってますよーだ。

 人間、甘い物がないと生きていけないんだ。人間の身体の半分はお菓子でできているんだからな。








 そうして私は食べ物を餌に城下へと行くこととなった。












たぶん虹乃も

お菓子でついて行く派です・・

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