部活が好きなただの女子高生です
この話は動物が嫌いな主人公という設定なので動物が大好きだぜ★という方は不快に思ってしまうかもしれませんが
すみません・・
書きたかったんです!
真夏の太陽は日差しが強く、直視できない。
ある者は熱中症で倒れ、またある者は部屋から出ないで涼んでいる。
そんな燦々と降り注ぐ日光の下、少女たちの軽快な足音と共に励まし合う掛け声が聞こえる。
「ファイトー」
「ナイスパス」
その中で一番聞こえる声は部長の大隈 夏希だ。
大隈という名字の割には身体は平均女性より小柄なため、よくからかわれている。
年中、部活で外にいるため肌は小麦色に染まっている。通常、女性は焼けるのを嫌うが本人は全く気にしていない。だが最近出来始めた鼻の上の雀斑は少し悩みのタネだ。
「夏希、シュート」
「とりゃっ」
受け取ったパスを見事ゴールに打ち込む。
「ナーイス」
仲間と手を合わせ笑顔で応えた。部員もまるで自分がシュートを決めたように喜んでくれる。
それが彼女の日常。
ハードな練習も終わり皆で雑談しながら片付けていた。
今日の日差しのせいで元々焼けていた肌に新たな赤みが増す。だが片付けをしている彼女たちは気にしていない。
「やっぱハンドボール部は最高だあ」
「聞き飽きたっつの、夏希」
夏希はボールを一つ一つ丹念に磨いて片付けた。たわいない話をしながら片付け終わり、帰る支度をしていた時だった。
「あ、かわいー」
友達が急に声を上げたため、皆が一斉に見ると校門の脇に小さな柴犬がいた。
何か地面を肉球でぱしぱし叩いている。
「何あれ、かわゆすぎ」
「あ、うん。そだね」
騒ぎ出す部員を尻目に夏希は一歩引いた。
どうやら犬は首輪もしていなく野良犬だろう。しかし毛並みは整っているし、薄汚れてもいない。
犬は騒ぎだしたこちらをじっと見て伺っていたが皆で校門に行くと人が大勢で来て驚いたのか、道路に飛び出した。
「あ、危ないよ」
「っの、阿呆がー」
「な、夏希!」
夏希が部員一の俊足で地面をかける。
道路に出た犬を抱えた。犬は少しじたばたしたが夏希は無理に抑えた。
「ったく、だから」
溜め息をついて抱え直した。
「夏希、危なっ・・!」
その声に道路の真ん中に突っ立った夏希は振り返る。
目の前にトラックが迫っていた。
アドレナリンが大量に出て周りがスローに見える。
何か友達が叫んでるのが聞こえる。だけど何を言ってるか分からない。
ただ目の端に顔に手をやる友達や恐怖の顔で自分を見てたのが他人事のように見えた。
連載をいくつも書いているのにまた連載を増やしてしまう駄目加減・・・