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伝説の魔王陛下になるために。  作者: ALFA
第一章 世界は一つじゃない
9/14

掌から滑り落ちる儚い光

更に意味分からなくなったかもです。


今回もよろしくです。

 人間は、死に直面したときに、それの本当の恐ろしさを知る。それまでは、それ自体を理解していても客観的に見ることで、それに触れることを拒むことができる。しかし、死と正面きって向かい合うと客観的に見ることはできなくなる。


 たとえば余命宣告をされたとき。


 たとえば事故に遭ったとき。


 たとえば今の帝のように、すぐ目の前に自分の死が見えるとき。



 そんな時に、死を初めて主観的に捉えることができる。そして恐れを感じてしまう。












 処刑の時間が刻々と迫る。


 帝が連れてこられた場所は、小高い丘だった。そこには、帝と赤髪の青年と数人の兵士がいるだけで、大掛かりな処刑道具に見えるようなものもなく、本当にただの丘だった。



 ――――――――どうやって、殺されるの?




 丘の中央に連れてこられた帝。そこには一つの机と、その上に小さなサファイアの魔石があった。困惑しながら、ここまで連れてきてくれた赤髪の青年の方を見やる。


「オマエノショケイホウホウハ、ソコニアルマセキヲツカウ。コノケントイッショニナ」


 そう言って一振りの剣を帝に差し出してきた。


「ジブンデジブンニ、サイゴヲアタエロ。コレハモットモ、カルイショケイホウホウダ。オマエノツミハ、オモクハナイ」



 帝は一瞬躊躇ったが、それでも剣を取った。彼らは帝に、最も敬意をこめた処刑を与えてくれた。ここで逃げる訳にはいかない。しかしその覚悟もむなしく、剣を握る手は汗でまみれ、足は震えている。


 帝の持つ剣に、赤髪の青年が魔石をはめ込もうとした刹那――――――――――






 それは明るい光を放ち、その場を光で埋め尽くした。


「な、何?」

「Qu'est-ce que c'est, vous savez?」



 帝や赤髪の青年などの声も、光に飲み込まれ消えていく。その光は柱となり、雲を突き抜け天まで届いた。



 その光が弱まったとき、しかしその中にいた者たちは一人残らず意識を失っていた。



















 ――――――――…かど。……ど。み…ど。みかど。帝。










 ――――――――もう自分を捨ててしまうのか?










 ――――――――もうその命は、必要ないのか?

 



 






























 誰かの、声がした。それは今まで聴いたことのない、しかしどこか懐かしい声だった。




 ――――――――ではその命、いただいても良いか?










 ――――――――良いのか?






 良いわけ、ない。初めて命を失うことの恐ろしさを知ったのだ。できるならこの命、もっと役立たせてから失いたい。誰かに譲るなど、真っ平だ。






 ――――――――しからばその命、助けてやろう。










 ――――――――お前に、新たな時間を与えよう。










 ――――――――その中で、お前はお前として生きるが良い。











 優しく響いたその声と共に、帝の意識は更に遠のいていった。







自分で自分を呪います。


あまり文章を書くことが得意ではない作者を、

どうか恨まないで下さい。


そして、次回も読んで頂けると嬉しいです。

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