知りたくなかった思い
今回も前回と同じような感じに
グチャグチャです。
作者の辞書では
「反省」と書いて「直せない」と読みます…
久しぶりに涙を流したら、なんだかスッキリした気分になった。
牢の中で日にちも分からないままただ時間を見送って行くだけだった。食事は与えられたが、それを
数えることもしなかったし、そもそも空腹を感じなかった。自分の処分はどうなるのか少し気になったが、聴くにしても赤髪の青年以外言葉が分からない。その青年もあれ以来、牢には姿を見せなかった。
帝にできることがない以上、ただ時間が過ぎるのを見ることしかできない。
無為に時間を過ごしていた帝に、ある日あの赤髪の青年が会いに来た。
「オマエノ、ショケイノニチジガアスニキマッタ。ゴゴサンジ。ソノマエニ、ナニカヤリノコシタコトハ…トイッテモ、コノセカイデハナニモナイ、カ」
いきなり来て、いきなり処刑宣告される。そんな理不尽なことを、しかし驚かない自分を見ると、心のそこでは分かっていたのだ。魔族である彼らは、人間である帝の敵でしかない。殺されることもありえなくはない。いや、むしろ殺されることが自然である。だから帝は冷静に答えた。
「…一度だけ、外に出してくれない?」
「………ソンナコトデ、イイノカ?ダシテヤレルジカンハ、ミジカイゾ?」
「それでも、良いよ。最後の最後までこんな閉鎖的空間にいるなんて真っ平だ」
「ソレナラ、アスノショケイノジカンマデ、ミハリツキデソトニダシテヤロウ」
「ありがと」
心から溢れた喜びは、自然と頬を緩めさせた。別に、外に出られたからといって何がどうなるわけでもないのだが、それでも外に出たいと思った。せめてこの、魔族の住む世界を見てみたかった。人間と相反する者たちの世界を。
それからはすぐに時間が過ぎ、また赤髪の青年がやってきた。
「ヤクソクダ。オマエヲソトニダシテヤル。タテ」
静かに、事務的な口調で言われた。ガチャガチャと牢の鍵が開けられ、鎖は手錠に変えられた。どうやら見張りと言うのは、この赤髪の青年らしい。
「ザンネンダガ、オマエガイドウデキルノハ、シロノニワダケダ」
「それでも、良い。出られて、良かった」
城の庭だったので、あまり外のことは分からなかったが、それでもこの世界のことは分かった。空は暗く、太陽なんてものは見えない。肌に纏わりつく風は生ぬるい。全く帝がいた元の世界とは違うものだった。
どれくらい突っ立っていたのだろう。処刑までの短い時間は、過ぎてしまった。
「ジカンダ。コノママショケイジョウマデ、イッテシマウゾ」
赤髪の青年にそう言われ、急に胸が苦しくなった。
自分の命の終わりが見えたときに、初めて気付く感情。
――――――――知らなかった。死ぬのがこんなに怖いことだなんて。
死にたくないなんて、そんなの今更。時計の針は戻せない。もうすぐ約束の時間。
ホントに、今更。
自虐的な笑みがこぼれた。
アハハ…
前回に引き続いて作者は嘘つきになってしまいました。
orz
これから作者は次回予告をしないようにします。
次回も読んで頂けると嬉しいです。