次元を超えて導かれるままに
もう作者にも意味が分かりません…
どうか温かい目で見守っていて下さい。
黒く澱んだ空
肌を触る生ぬるい風
荒れ果てた大地
倒れているのは琥珀色の髪をした人間
そこを通りかかったのは一人の青年。
「Qu'est-ce que c'est!?」
驚いた青年は倒れている人間に駆け寄った。幸い息はしていて、意識を失っているだけのようだ。安心した青年は、近くの村に運んだ。
帝が意識を取り戻したときは、見知らぬ部屋にいた。コンクリートむき出しのような冷たい壁に囲まれた部屋。窓からは黒い空が見える。
――――――――ここ、どこ?
とりあえずベッドから起き上がる。すると突然ガチャ、と扉を開ける音がした。そこには薄い茶色の短い髪をした青年がいた。
「Oh Est-ce que vous avez remarqué!Est-ce qu'il y a la place du mal?」
テンション高く話しかけてきた。が、帝には聞きなれない言葉だった。仕方なく帝が黙っていると、また何か言っていた。
「Est-ce que quelque chose était mal?」
「…スイマセン。言葉が分からないんですが…」
帝が、今度は帝が相手の聞きなれない言葉を話したので理解したらしい。すぐに部屋の外に向かって何か叫んでいた。
「Un neveu!Je me suis levé!Je ne parais pas comprendre des mots!」
「Est-ce que c'est donc.Faites quel genre de?」
別の男が部屋に来た。さっきの青年と年もさほど変わらないであろう、燃える紅い髪をした青年だった。彼をじっと見つめている帝に気がついたのか彼は、無表情で近づいてきた。
「コトバ、ワカルカ?」
急に片言の日本語で話しかけられた。そのことに驚いていると、その様子を見て彼は顔を強張らせた。彼は茶色の青年に「Elle est un être humain」と落ち着いた声で言った。その言葉に「Un être humain!?」と驚かれ、睨まれたのでどうやら歓迎はされていないらしい。
――――――――「humain」って「人間」って意味?
帝が考えている間に、騎士のような人たちが数人来ていた。
「Arrêtez-le」
赤髪の青年が静かな声で言い放った。すると騎士のような人たちは動き出し、途端に帝は拘束された。そして片言の日本語でこう言われた。
「ニンゲンハ、テキナノダ。トラエナケレバナラナイ。コノリュミエールマコクデハ、ナ」
そして帝は馬車に乗せられた。有無を言わせずに馬車は走り出し、小さな村を離れた。状況を飲み込みきれていない帝は、ただ言われるがままに行動するしかなかった。
とりあえず異世界への初トリップが完了いたしました。
次回からは本格的に魔族の方々が登場するはずです…。
次回も読んで下さると嬉しいです。