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鈍感な幼なじみと恋する方法 ~アピールする度に上がるスルースキル&嫌われ度  作者: 夢咲 アメ


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2/8

自己紹介は宣戦布告!? ――特技は腹黒男の粉砕です

 ー学校にてー


 「ユキちゃーーん! 助けて、朝から腹黒い男に会って、全身に鳥肌が……!」


教室に駆け込むなり、私は親友のユキちゃんに抱きつき暖をとった。


「おはよ、翠。

また如月くんに『愛の洗礼』でも受けたの?

朝から熱烈だね〜」


「洗礼どころか呪殺だよ! 登校中に『末永く一緒にいよう』とか鳥肌が立つセリフ言うから、全力疾走して来たんだから!」


私の必死の訴えに、ユキちゃんは「相変わらずだねぇ……」と苦笑い。


ああ、ユキちゃんの微笑みが聖母のよう。碧に汚された心が洗われていく……。


「全力疾走してきたから喉乾いちゃった。命の水を補給しなきゃ」


鞄から水筒を取り出し、勢いよくお茶を流し込んだ――その時。


「そういえば、あの『伝説の自己紹介』、今思い出しても笑えるよね」


「……ゴフッ!!」


全力でむせた。喉を潤すはずの命の水が、あやうく鼻から逆流するところだった。

3日前の入学式。あの日の惨劇(自己紹介)を、忘れるわけがない。


「翠のあの啖呵のおかげで、このクラス、変な団結力生まれたもんね(笑)」


「団結力……? あの地獄に、そんなポジティブな要素あったっけ?」


「うんうん、あの時の2人の自己紹介がヤバすぎて今でも思い出し笑いする時あるよ」


そんなユキちゃんの言葉に首を傾げながら、私はあの日――人生最悪のステージに立たされた記憶を呼び起こした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「神様……っ、500円じゃ足りなかったってこと!?」


掲示板に並んだ「白川 緑」と「如月 碧」という、あまりに並びの良すぎる文字を見て、私の膝はアスファルトに突き刺さった。


100円の神頼みを、10代の全財産に近い500円にアップグレードしたのに。


(……まさかあいつ、神様を買収した!? 500円じゃ、あの腹黒男の献金額には勝てなかったってこと!?)


「翠、どうした? 膝ついて。……もしかしてそんなに俺と同じクラスになったのが嬉しいのかよ。照れるじゃねーか」


背後から聞こえた、鼓膜に直接毒を流し込むような甘い声。


振り返れば、そこには、憎き幼なじみこと、如月 碧が立っていた。


「……碧。アンタ、さては掲示板の文字、彫刻刀か何かで書き換えたんでしょ?」


「全校生徒が見る掲示板で、んな器用なことできるか。……ほら、行くぞ。俺たちの新しい『巣』へ」


(『巣』!? 教室のことを今、小鳥さん達が住む『巣』って呼んだ!?)




ー教室にてー


「えー今日からこのクラスの担当になります。


 吉田です。よろしくね。じゃあ、まずは簡単な自己紹介からしましょうか。では名前順にーーー」と、先生の言葉で自己紹介が始まり出した。




「じゃあ次の人ー。如月君かな?お願いします」


「はい」


碧は爽やかな笑顔で教壇に立ち、女子たちの黄色い悲鳴を浴びる。


「如月 碧です。えーと趣味とか特技言えば言いんですよね?趣味は、あそこに居るバカ女がヘマしないよう…毎日見守り傍にいる事です。特技は、…群がるハエを叩き落とす事です。


(訳︰翠に近づく男は即刻処刑するから近づくなよ)よろしくお願いします」




 シーーーーン




 教室がいきなり静かになってしまった


「…あ、あーそれは凄いなぁ面白い自己紹介ありがとう。じゃあ続いてーー」


いやいやいや。面白い所か不穏な言葉しか聞こえなかったが?


なんならあの腹黒、こちらを指さしながらものすごく貶していたが?


「じゃあ続いて、えー…白川さん。お願いします」


そんな事を思っていたら私の番が回ってきた。


「はい」


私は満面の笑みで教壇に立ち、自己紹介を始めた。


「初めまして!白川 翠です!これからの学校生活とっても楽しみにしてて…みんなと仲良くなって楽しい思い出沢山作りたいと思っているので、よろしくお願いします!」


 そう言うとクラスの雰囲気は何故か柔らかくなった気がした。


「ちなみに私は趣味が沢山あるので、特技だけ言いますね!


特技は、…ストーカーよりも執拗く腹黒い男を捻り潰すことです。もし何か嫌な事をされたらすぐに言ってください!…原型が残らないよう木っ端微塵にするので」


 シーーーーン


 2度目の静寂が訪れた


「あ、あー白川さんも面白い自己紹介ありがとう。じ、じゃあ気を取り直してつぎ「おいおい、んな特技あるなんて知らなかったんですけど。いつの間に身につけてたんで?翠ちゃんは」…。」


「先生の話を遮らないでくれる?ってか、ちゃん付けで呼ぶな、近寄るな!」




 あろうことか、この腹黒幼なじみは自己紹介がまだ途中なのに、強制的に中断させたのだ。




「ガラスハートのハートが傷つく言い方やめてくんねぇ?てか、お前自己紹介に、なに物騒な特技持ち出してんだよ。普通の自己紹介しろよな。さすが、バカ笑笑」


 ピキッ


「あーバカだから普通が分からなかったかーごめんごめん、お前なりの普通の自己紹介だったんだよな…まぁ捻り潰すとか物騒な事は置いといて…自己紹介で俺を紹介したいくらい好きだったのか〜気づかなかったわ」


 ブチッ


「つーか、紹介するならもっと良く紹介しろよ相思相愛、十年来の幼なじみの碧君です!とか「さっきから黙っていれば好き勝手言いやがって」…ん?なに」


「私がいつ好きなんて言ったぁぁあ!このカス野郎がぁあ!」


 あまりの物言いについに、私はキレた。


「誰がカスだ、このバカ女!つーかその後の事は全部スルーかよ!?」


「どーせ、ろくでもないこと言ってたんでしょーが!声聞きたくなさすぎて耳がシャットダウンしてたわ!」


「するなよシャットダウンを!再起動かけてちゃんと聞いとけや!」


「耳が腐りそうなボイスをわざわざ聞くために再起動するなんて私の中には存在しない!」


「まず人の話を聞くという人として最低限の処理設定くらいしとけや、バカ女が!」


「うるさい腹黒男が!」


 ーーーそうやって私と碧の口喧嘩がヒートアップして自己紹介は一旦中断。2人して先生に職員室に連れてかれてその後に説教。


残りの自己紹介は後日終わらせたのだーーーー




ー現在にてー


「やっぱり今思い出してもホント最悪な自己紹介だった」


「そうー?結構面白かったけどな〜連行された二人見送った後のクラスめちゃくちゃ騒がしかったから笑」


「…うぅ。ヤバいやつがいるとか言って感じ?」


 あっ自分で言って悲しくなってきた


「んーそれもあるけど、誰あの可愛い女の子は!とか見た目イケメンのヤバいヤツいるとか笑2人して見た目は良いから良くも悪くも騒がれていたよ笑」


「マジか…」


 そうだったのか。悪口とかじゃなくて良かったな。


「あれがあったおかげでうちのクラス団結力高まったからね笑」


「?思い出しても心が一つになるような出来事やっぱり無くない?」


 そー言うとユキちゃんは頭を振って


「んふふ。まぁ知らない方がいい事もあるって言うしね」といった


「えー気になるなぁその言い方」


「まぁまぁ」


 そんな事を話してたら、チャイムが鳴ったのでこの話はそのまま中断となったーーーーーー


❮ユキside❯


 自己紹介の後、二人が職員室に連行される前


 翠は、肩を落として歩いていったから気づいてなかったけど、あの後に翠の幼なじみ…如月は扉の前で一旦振り向いて翠を指さしながら小さく呟いてた


 クラスメイト全員に分かるように…多分あれは


(「コイツは俺の」て言ったんだろーな笑)


 手を出してみようものならすぐさま潰しにかかるんだろう。それこそ翠に群がる男子がいたら叩き潰していくんだろうな


(番犬のように笑笑)


 私は面白かったけど、少しでも幼なじみ君を狙っていた女の子達は肩を落としていて、翠を狙っていた男達は恐ろしい番犬がついてることに気づき少し顔が悪かった。


《イケメン腹黒怖すぎだろ》


そしてクラスメイトの脳内に、共通の認識が刻まれた瞬間だった。


(((触らぬ神に祟りなし)))

2話は、どうでしたか?楽しく読んでいただけたら嬉しいです!今回登場したキャラクターの紹介をしていきますね。


❮人物紹介❯

桐乃 ユキ

翠の中学からの親友


吉田先生

クラスの担任で穏やかな先生


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