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4:ブス専のイケメンということにしておく

 『主人』が死んで奴隷じゃなくなったので、私は家を乗っ取ることにした。

 ちなみに、あの女は私の他に八人の奴隷を雇っていたのだが、彼等は彼女が死んだことを知ると逃げようとしたので、悪魔を見せて逃げたら殺すと脅した。まあ、実際は悪魔は生け贄がないと基本的に願いを叶えるなどの高等魔術は使えず、ちょっと魔術でお湯を沸かせるくらいらしいけどね。知ったときはあまりの無能さに愕然とした。しかし、そんなこと奴隷が知るはずもないので、彼等はビクビクしながらも私に従ってくれた。無知は良いように利用されるのだ。

 あの女は独身一人暮らしだったので、死んでもすぐにはバレない。私はイケメンに擬態した悪魔と八人の奴隷を引き連れ、今後の計画について考えた。

 まず、私はこの家を『主人』のふりをして売り、得た資金を使って王都に行く。

 悪魔は動物を一匹ゲットできれば、一時間私をあの女に擬態させることが可能だそう。それを利用して、私はさっさと商人に家を売る。その際、家の状態を確認しに商人が来るだろうが、それさえクリアすればなにもかも解決だ。

 奴隷もこの際全員売ってしまおう。さらば厄介者。口封じのために声が出せないようにしておこうか……そこだけが悩みどころだ。

 超能力を持っていないことは、悪魔にこっそり魔術を使わせることで隠せるだろう。ただ、そのためには、どこに行くにも悪魔を同伴させなければならない。それが問題だ。

 兄妹とは流石に言えない。顔面レベルが違いすぎる。恋人なら……まだ、なんとか、B専ということで納得してもらえるだろう。実際にはどちらも不細工なのだが。いや、あのガーゴイルそのものの容姿は、普通に私よりひどいな。


 今後の計画が定まったので、早速私は生け贄の動物狩りの為に動くことにした。スラムの川を挟んですぐ右にある、マゾーンなる怪物うっじゃうじゃの樹海に直行する。

 怪物とは、超能力を持った動物の総称である。普通の人間なら秒で殺せるくらいには強い。種族にもよるが、だいたい平均して超能力者一人と互角くらいの力は持っている。

 そして原理はよく分からないが、彼らは動物たちと共存しているらしい。怪物がいる場所には動物が沢山いる。逆に言えば、怪物がいない場所に動物がいることはほぼない。つまり動物狩り=怪物狩りなのだ。

 さて、ここで読者諸兄にある疑問が生まれたことだろう。非能力者の私が、一体どうやって、そんな怪物と戦うのか? ふけけけけ、安心したまえ。策はちゃんとある。


 毒、というのは、私の得意分野である。元暗殺者のあの老人は、毒薬づくりの名手でもあった。老人の悪あがきと称された毒薬制作講座は、意外にも分かりやすく、私に毒への知識を身につけさせるに至った。悪あがき様々である。

 今の私は簡単な毒を作れる。一応、知識だけでいえば、そこそこ致死率の高い毒も作れるのだが……。材料がないので無理だ。良い毒には良い素材が必要なのである。

 超能力持ちといえど、所詮は心臓を止めれば死ぬ普通の生き物。恐れるものはなにもない。毒で軽くしびれさせるだけで良いのだ。

 奴隷の一人にそこそこ強い奴隷がいたので、彼に毒矢と弓を持たせた。ちなみに弓矢は元『主人』の部屋からかっぱらった。主人は趣味で狩りをしていたのだ。


「これで一匹射ってこい」

「は、はい! だからどうか命だけは……!」


 彼は悪魔に怯えている。これは力があっても馬鹿では利用されるだけだという良い例だ。哀れなり青年。

 彼は筋が良かったらしく、一匹のウサギに 矢を当てて戻ってきた。お疲れ。ところで何で君はそんなに血まみれなのかな? もっとうまくやれたはずだよね? 次からは服の無駄遣いしないでね。ね?

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