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僕はとある国の第3王子として生まれたんだ。だが僕は生まれた瞬間、人々を驚愕させたんだ。
何故なら、僕の髪と瞳が銀色だったから。
銀髪銀目は神の象徴とされていた。だから、人々は僕を恐れ、崇めた。
そんなあるとき、僕が3歳の誕生日に僕は何者かに拐われた。拐った犯人は僕を生贄にして、更に神から恵みを得ようとしたらしい。
父上と母上は僕を部屋から出させないことにした。
それから四年が経ち、僕は7歳になった。そして僕の顔にはピエロの仮面を付けて、父上は言った。
「ルーカス、ここから逃げなさい。ここにいてもお前の人生は楽しくはない。何処か遠くへ行きなさい。そして、この仮面は絶対外すんじゃないぞ……」
「はい、父上……」
父上はそれだけ言うと僕を抱き締めてくれた。父上との包容はこれで最後だった。
こうして僕は父上が秘密裏に用意してくれた今の家に住んでいるんだ。
仮面は寝るとき意外外していない。僕の瞳がバレたら大変なことになるから。
それから六年後、僕は13歳になっていた。この日、僕は街に出掛けて買い物をしていたんだ。
その帰りだった。帰り道の森を通り掛かったら、泣いている小さな女の子がいたんだ。街に出掛けける前はいなかったのに。
そう、その小さな女の子がリンちゃんだよ。僕は君に話し掛けたんだ。だって、こんな森に一人になんて出来ないから。
すると、君は思ったより可愛くて、悲しそうな顔をしていた。
どうやら両親に置いていかれたらしくて、僕は少し悲しくなった。だって、こんな可愛い子置いていくなんて僕には到底出来ないよ。だから僕は君を連れて帰った。
多分、僕はこの時リンちゃんに一目惚れしたんだと思う。僕には恋と言うものなんて知らなかったけど、リンちゃんといるだけで楽しくて、生きていて良かったと思えるんだ。
「ここからはリンちゃん、君の知っている通りだよ」
「……ルゥー、私も好きぃ!」
リンちゃんはルーカスを抱き締めている力を更に込めて言いました。ルーカスもリンちゃんを抱き締め返します。
「リンちゃん、僕も好きだよ……」
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これは今から何百年も前のお話。一人の小さな女の子とピエロの少年が恋をするお話。
……え、このあとどうなったのかって? 分かりました、少しだけ説明しましょう。
このあと、リンちゃんとルーカスは小さな教会で結婚式を挙げました。
そして、二人の子供を授かり、幸せそうに暮らしたのでした。
Fin