表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

ニャミンとパスクール

【人物紹介】

●パスクール 

人間 ♂ 170セチン

ゴッタニン共和国の巡回護民官

本編の探偵役


●ニャミン

ネコ獣人 ♀ 165セチン

パスクールの助手 護民官補

本編の助手役


●ブンナゲッタ

人間 ♂ 160セチン

ぺリフートンの地区担当護民官

パスクール、ニャミンと一緒に事件に挑む

本編の刑事役


●ミスリン

ゴーレム ー 230セチン

ミスリル銀製のゴーレム、元冒険者

殺害される

本編の被害者


●ピッガー

オーク ♂ 163セチン

肉屋の店員 

ミスリンの右隣、ウルバーンの左隣の住人

本編の容疑者①


●ウルバーン

狼男 ♂ 175セチン(人間形態)

大工、左官屋、庭師 

ピッガーの右隣、ドワールの左隣の住人

本編の容疑者②


●ドワール

ドワーフ ♂ 150セチン

金細工職人、武器鍛冶屋

ウルバーンの右隣、ノムノンの左隣の住人

本編の容疑者③


●ノムノン

ノーム ♂ 120セチン

魔法薬師、魔法使い、元冒険者

ドワールの右隣、ラブクラウドの左隣の住人

本編の容疑者④


●ラブクラウド

人間 ♂ 190セチン

小説家

ノムノンの右隣、ミスリンの左隣の住人

本編の容疑者⑤


【用語説明】

○異世界

本編の舞台

魔法があって、オークとか狼男とかデミヒューマンみたいなのが沢山存在する

科学は迷信で魔法が発達した世界

私たちの世界とは真逆ではあるが、魔法と科学が相互補完している

私たちの世界で出きることは類似の事を魔法で実現できる(という設定)


○ゴッタニン共和国

本編の舞台の異世界にある国の一つ

移民を大々的に受け入れる方針の国のため種々雑多な民族が暮らしている

政治形態は民主制

多民族国家らしく4種の公用語を持つ


○護民官

私たちの世界の行政を担う官僚、役人の総称。

警察みたいなこともする、町の便利屋さんみたいなもの


○ぺリフートン

ゴッタニン共和国の辺境に位置する町

大きくはないが、そんなに小さくもない


○へイヴハウス

本編の主舞台

六角形の建物で、六等分されて六つの独立した部屋がある。建物の真ん中には共用スペースとしての中庭が存在する。六角形の中に更に小さな六角形があるというイメージ


○セチン

長さの単位 私たちの世界の1センチと同じ


○メルト

長さの単位 私たちの世界の1メートルと同じ


○ミスリル銀

異世界に存在する金属

薄い紫色をしている

鋼よりも硬く、魔法を吸収する性質を持つ

オリハルコン、アダマントと共に神秘金属と呼ばれている


○ゴッタニン公用語

ゴッタニンで使われる四つの言語

中央大陸語、北方圏語、中南海周辺語、極東半島語の四つ


中央大陸語は英語、北方圏語はロシア語、中南海周辺語はギリシャ語、極東半島語は日本語に酷似している(という設定)


ちなみに本編は極東半島語(日本語)で書かれているが、本編内の人物たちは中央大陸語で話したり、読み書きしている(と言う設定)


○古代魔法語

魔法具やゴーレムの額に刻むことで魔力を付与できる神秘な言葉。私たちの国のヘブライ語に酷似している(と言う設定)


「大変ニャン、大変ニャン、パスクール様、大変ニャんだニャン!」


 と、ネコ獣人のニャミンが部屋に飛び込んで来た時、巡回護民官じゅんかいごみんかんのパスクールは日課の朝のコーヒーを淹れているところだった。


「相変わらず騒がしいな。

朝のアンニュイな空気が台無しじゃないか」


 パスクールはややだらしなく着こなしたパジャマのまま、ソファに体を横たえた。そして、コーヒーの香りを一息吸い込むと言った。


「まあ、落ちつけよ。

なんならコーヒーでも飲むかい」


 パスクールの誘いにニャミンは露骨に嫌な顔をした。


「ニャんで、毎朝、毎朝、パスクール様はその毒汁を飲ませようとするんですかニャン」

「毒とは酷い言い様だ。コーヒーはね、君、この世界が生んだ最高の飲み物だよ。それを毒汁と比喩するとはなんたる暴言だろう」

「比喩じゃないニャン。文字通りネコ獣人にとってコーヒーは毒ニャんですニャン。

ワタシを殺したいんニャ?」

「いやはや、この至福の飲み物を嗜めないとは、ネコ獣人は可哀想だなぁ」

「むっ! その発言は、ゴッタニン共和国の差別禁止条項第1項『ゴッタニン共和国国民は種族、性別、貧富の差によるいかなる差別的待遇、発言も受けることを禁じる』に抵触するニャ。

国民に法を護らせる使命を持つ護民官がそのような発言するのは問題と思うニャ!」


 ぷんすか怒るニャミンにパスクールは肩をすくめてみせた。


「やれやれ、護民官補様は朝から手厳しいなぁ。

そんなに堅いと良い護民官には成れないよ。もっと肩の力を抜かないと。

時折僕は君が本当にネコなのかって思うよ」

「むっきー! また、そう言うことを言うニャ」

「ネコと言うより猿かな……」

「シャー!」

 

 ニャミンは頭の左右についた猫耳をイカ耳にして威嚇してきた。本当に頭に来たようだ。が、パスクールは落ちつき払ったまま、コーヒーを一口飲むと、「でっ?」と言葉を続けた。


「それで、さっきからなにがそんなに大変なんだい?」


 その言葉にニャミンはキョトンとした表情に戻る。コロコロ表情が変わるところはやはりネコ獣人と言うべきだろうか。


「ああ、そうニャ。大変ニャんだニャン。

殺人事件なのニャ!」

2023/04/09 初稿

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ