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Re:End~終わる世界に花束を~  作者: 耀叙伴在
Flo.1 アイリス
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3.5. 眠りの傍ら、当事者たちは

『――<来訪者(ビジター)>は、もう寝たか?』


『疲れてたみたい。背中越しだけど、ぐっすり眠ってるのはわかる』


『当然だな。

 むしろ、よくここまで生きてられたもんだ。

 おまけに、こいつを拾ったあの場所は、どうやっても<ゲート>から歩いてたどり着ける距離じゃなかった。野垂れ死んでもおかしくないのに、"疲れた"だけだと?』


『それが、アイリスが()()()()()()()()()()()<ギフト>なのかもしれない。

 もしくは、元々()()()()()()の種族なのかも』


『死んでいれば、放っといてもやれたんだがな。

 ……まったく、<軍>の連中も、面倒な情報を寄越しやがる』


『ずいぶん、冷たいんだね』


『もう、()()()からだ。

 <来訪者>の連中も、そいつらをわざわざ帰りがてらに拾ってやるのも。

 ――この世界を知って、それから辿る"末路"を見るのも、な』


『でも、生きてるヒトはいるよ?

 知って、理解して、それでも生きてくれるヒトは、いる』


『少なくともこいつはまだ、"真実"を知らない』


『でも、受け止めることはできる。

 素直そうだし……騙されやすい、とも言えるけど、慣れればどうとでもなると思うし』


『生きてる間に、多少なりとも危機感が育ってくれれば、の話だがな』


『……イヤ、だった?』


『いいや。

 <軍>の連中の頼みを必ず聞かなきゃいけないわけじゃないが、当面の資金には余裕があるし、差し迫ってやらなくちゃいけない用事もない……それに』


『それに?』


『お前は、助けたかったんだろう?』


『……うん』


『なら、そうすればいい。

 好悪を除けば俺に反対する理由は無くて、お前は助けたいと思った。

 だったら、俺はそれに付き合うだけだ』


『……ありがと』


『まあ、俺の気が向く限りは、だがな』


『知ってる。それでも、ありがとうって、思うの』


『とりあえず、帰ろう。

 今日中に<都市>入りして、今夜は屋根の下で寝たい。

 話はそれからだ』


『……うん』



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