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プロローグ

「まず、はっきりさせておくべきことは、ブルジョアジーとの戦いに勝利した国は、全ての国に革命を惹起させ、その社会的発展を支援しなくてはならない、ということである」(レーニン)


「戦争にあっては、法的手続きに拘泥するようなことがあってはならない。歴史をしっかりと認識しておくことである。条約は、力を獲得するための手段である。歴史がはっきりと疑いの余地無く示しているのは、敗者が条約を結ぶのは、力を回復するための手段としてそうするのである」(レーニン)


「ブルジョアジーとの戦いに勝利した国において、プロレタリアートが他国に戦争をしかける場合がある。その狙いは、社会主義思想の拡散である。そのような戦いは正当化され得る。それは聖戦でもある」(レーニン)


「プロレタリアート国家に敵対するブルジョア国家間における矛盾、いがみあい、あるいは戦争というものは革命にいたる準備段階的要素である」(スターリン)


「あなたたちの好き嫌いにかかわらず、歴史は、われわれの側に傾斜しているのは明白だ。あなた方はわれわれに潰される運命にある」(フルシチョフ)

 第三十二代アメリカ合衆国大統領フランクリン・ルーズベルトは、実に多くの言葉を残しました。街頭や集会で演説して聴衆に訴え、会見を開いて記者の質問に応え、連邦議会で理想を語り、政策を述べました。炉端談話というラジオ放送でも盛んにアメリカ国民に語りかけました。十年を越える長い任期のあいだルーズベルト大統領は本当によく話しました。政治家ですから当然といえば当然です。

 それらの記録を読むと、ルーズベルト大統領はアメリカ経済を不況から復興させ、全体主義と戦って自由と民主主義を守った英雄であるかのように思えてきます。実際、アメリカ国民だけでなく、世界中の多くの人々はそのように信じています。

 しかしながら、ルーズベルト大統領の言葉には、事実を調べればすぐに気づくような明らかな嘘が数多く含まれています。たとえば、三選を目指していた選挙期間中、ルーズベルト大統領は盛んに有権者に訴えかけました。

「みなさまの息子さんたちを戦場に送るようなことは絶対に、絶対に、絶対にいたしません」

 つまり、参戦を否定していたのです。しかし、この言葉とは裏腹に、そのころのルーズベルト大統領は欧州大戦や支那事変への介入を強めていました。イギリスや中華民国に対して大々的な軍事援助をしていました。イギリスには軍艦を貸与しました。蒋介石の元には、民間航空会社に偽装した空軍部隊を送り込み、日本軍と戦わせていました。

 不思議なことにルーズベルト大統領は日本を全体主義国家と決めつけていました。憲法と議会と裁判制度を有し、普通選挙を実施し、世界で最初に人種平等を訴えた民主国家日本をルーズベルト大統領は「全体主義」と決めつけていたのです。余談ながら、この頃のアメリカでは黒人には選挙権が与えられていませんでした。

 それでいてルーズベルト大統領は、共産主義独裁国家たるソビエト連邦を民主主義陣営に組み入れました。ソ連軍がポーランドやバルト三国やフィンランドに侵攻しても目をつぶり、共産党一党独裁国家のソ連を民主国家だと強弁していました。

「共産主義は民主主義がさらに発展した政治形態だ」

 驚くべきことですが、レーニンの革命理論と同じことをルーズベルト大統領は堂々と述べ、それをアメリカ国民に信じ込ませていたのです。

 こうした見え透いた虚偽を堂々と国民に訴えていたのがルーズベルト大統領です。そして、不可思議なことに、こうした大嘘がアメリカ国民に支持され、アメリカ政府の政策となっていきました。人々を錯覚させるような希有な演技力と演説力をルーズベルト大統領は有していたのです。

「政治とは、誠心誠意の嘘をつくことだ」

 と言った政治家が日本にいたそうですが、その意味においてルーズベルト大統領は確かに政治家でした。

 そうである以上、ルーズベルト大統領の言葉には信を置くことができません。ルーズベルト大統領が残した演説や発言の記録を調べても、そこに真実はありません。それらを読めば読むほど、理解を妨げられ、あるいは洗脳されてしまいます。したがって、ルーズベルト大統領の真相に迫るためには、その言葉ではなく、ルーズベルト大統領が実際に推進した政策と、それがもたらした政治的結果を追いかけていくしかないようです。


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