【邪神】
「また、か」
森の中、姿の無い声に向かって呟くと、声は応えた。
【相変わらず無礼よのぅ】
「お前も『神と呼ばれる者』の一人か?」
【くっくっく。いきなり核心を突くな。答えるならば……、広義でいえばそうであり、狭義でいえばそうではない】
「……わからんな。我をどうしたい? いや違うな、我は何をした? 何をしたかったのだ?」
【ふん、小賢しい。いや、正しく賢しいな。三つまでは答えると決めておったが、こうまで無駄口をきかんとは】
自称広義でのみ『神と呼ばれる者』姿なき声は、つまらなそうにしたかと思えば、感心したように笑う。
【答えは『知らぬ』。汝が何を為そうとしていたかなど、その時の汝以外に知りようがあるまい】
落胆しそうになる。しかし、ただしと前置いて話しつづけた。
【我が想像するに、その為そうとしていたことから、今の汝の行動は外れておらん】
「……そうか」
【さぁ、最後じゃ。言うておくが、三つと教えたのは賢しさへの褒美じゃ】
あと一つ。考えて答えろということだろう。しかしこの意地悪さから、長考すれば、突然もう終わりだと言いかねない。
「……お前は何の神で、次に我らが会う時はいつか?」
【我は……【邪神】次に会う時は貴様の望みが潰えるか、勇者か魔王にでもなった時であろう】
「当分、会えぬか。ありがとう。感謝する」
姿が見えない【邪神】に礼を言う。きっと、この神に色々助けられてきた。
機械音声のような天の声を、この素敵重低音ボイスが裏声で言っているとか考えてた我なのに。ぷっ。
【……その素直さやよし。二つ褒美を与えてやろう】
「ありがたく、いただく」
恭しく応えた。こんなにしてくれているのに、馬鹿にするなんて有り得ぬことだ。
てれれってってってー(笑)
ぱんぱかぱーん(爆笑)
《異世界言語(全人)》を獲得した!
めっちゃイイもんくれるやん! 邪神さんマジ神(笑)。あざーっす! もう一個って何すか?(爆笑)。
我は何かに首を掴まれたのを感じると――、僕に強制的に換えられ、放り投げられた。
ガチャリ
と首から、前世の記憶から金属音と判断できる音が聞こえた。




