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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【転生編】■■■は死んだ。
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転生―邪神の加護




    ■■■の魂の適性は《魔族》です。


    《魔族》として転生しますか?

      YES   NO



「おあつらえ向きだな。YESで」


 ――おやめなさい! 選択を撤回!



    選択の撤回は認められませんでした。


    ■■■は《魔族》として転生します。



    今の記憶を保持したまま転生しますか?

      YES   NO



 ――NOよ!


「YESだ」



    記憶の保持は認められませんでした。


    魂は引き継がれます。


    転生の処理に移ります。



 ――なぜよ! あなたは母親を喜ばせるために、自分の顔を焼いた悲壮の子でしょう!?





        ねぇおかあさん、勉強頑張ったよ! 僕が学校で一番成績いいんだよ!


        ねぇおかあさん、空手の大会で優勝したんだ!


        ねぇおかあさん、どうしたら喜んでくれるの? 笑ってくれる?


        ……ねぇおかあさん、僕のこと嫌いなの?


           「あなたの顔は、お父さんに似てるから」


        ねぇおかあさん! 見て見て! 顔をライターで焼いてきたんだ!


           「あら? ふふふふふ」


 笑った! よかった! すごく痛かったけど。今日ライター持って来たんだ! もっと焼いてみるね!


        熱い、痛い、痛い、熱い。でも、おかあさんが笑ってくれるなら!


           「…………」


        おかあさん? ねぇおかあさん、何で泣くの?


        おかあさん? そっちは窓だよ? 危ないよ!


        おかあさん!!





「だから、歪んだんじゃないか?」


 ――くっ! 転生中止! 処理割込み! 中止!



    受理されませんでした。


    残る処理は転生後のランクのみです。



 だんだんと意識が朧げになってくる。自分の手を見てみると、徐々に分解されているようだった。転生とやらが進んでいるらしい。


 僕自身が覆う者で欺く者だからか、わかることがある。


「なぁあんた、何か隠してるだろ。僕より不幸なヤツだけじゃなく、僕より切ないヤツも絶対にいるはずだ。それに人の切なさの象徴なんて良い感情じゃないし、良い神様とは思えないな」


 ――っ! ランクを最下位のHランクに設定! Hランクで固定!


 薄れゆく意識の中で言葉にしたが、女神は僕の弱体化に必死なようだった。もう、意識が消える。



    Hランクに設定しました。

    Hランクで固定しました。



 ――よし! いくら能力や称号に恵まれても、これで世界に影響を及ぼす存在にはならないわ!



    ■■■を邪神が見ています。


    ■■■は《邪神の加護》を獲得しました。


    これより■■■の管理は邪神へと移動します。


    邪神が■■■の《ランク固定》を解除しました。


    ■■■は《善悪に愛されし者》の称号を獲得した!


    ■■■のステータスに《善悪の天秤》が追加されます。


    邪神が■■■の管理を放棄しました。


    条件《二柱の神の管理を離れる》達成により《翻弄されぬ者》の称号を獲得。


    下位称号《翻弄されし者》が解除されます。


    以降、いずれの神も■■■の管理を実行できません。



 ――嘘よ……! 何で邪神が!


 【こちらの方が、面白かろう? 善悪どちらに転ぶにせよ、こやつ次第よ】


 ――勝手にこの空間にっ! 消え失せなさい!!


 【ふはははははは! さらばよ、切なさの!】



    転生が完了しました。


    ■■■は《魔性の蛇》として転生しました。





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