表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【魔物編】魔性の蛇は邪眼の大蛇になった。
55/126

劣等感




 ゴブエリ(《ゴブリンエリート》)はすでに、俺達にとって雑魚となっていた。


 最初に逃がしたゴブエリが伝えたのか、もう俺たちには寄ってこない。逃げ遅れるヤツやはぐれたようなヤツを、手持ち無沙汰というか口寂しい時に食う。



    《身体操作》《突貫LV4》《破砕牙LV3》×5

    《締め付けるLV3》《丸呑みLV4》



 この基本戦術も、最初に比べてかなりレベルアップしている。《破砕牙LV3》を三つの頭でやるだけでもオーバーキルだし《突貫LV4》が勢い余って、時々木を薙ぎ倒してしまうほどに。


「なんや、第三層まで来たのに、案外歯応えないヤツばっかやのぅ」


 魔物をくちゃくちゃ食いながら、相棒は言う。


「まぁ第三層っていっても、入ったばっかだしなぁ」


 俺は俺で、腹の中の魔物を腹筋と背筋で押し潰しながら蛇行する。


 俺は見かける魔物を、基本戦術で食って戻って来る。


 相棒には、下僕蜘蛛が自分で狩った獲物を献上しにやってくる。


 美味そうなものを持ってくれば下僕は撫でてもらえる。薄味であれば、見向きもしない。


 おそらく狩りで死んでいる蜘蛛もいるのだろうが、どこからかやって来て一定数を保っている。


 進むに連れ、入れ替わりが激しくなっている気がするが、数はどんどん増えている。最初からいる蜘蛛には、レベルアップしても残るような傷跡を残す者もいる。


 ……かっけぇ、と思う。


 下僕蜘蛛が俺を見る視線も、様々だ。


 主の友として敬意を込めた視線を送る者もいれば、敵対心を込めて見る者もいる。


 相棒は奔放に振る舞わせている。蜘蛛が俺を攻撃しても謝らないだろうし、俺が蜘蛛を食っても怒らないだろう。



 正直、この幼女の姿をした相棒に、引け目を感じ始めていた。


 生前の俺が器の小さい人物だったのか、小狡い蛇であるからなのかはわからないが、俺は信頼し尊敬する相棒に劣等感を感じている。


 そしてそれを、無視できない自分の心に嫌気が刺している。


 そんな中で舐めた視線を送る下僕蜘蛛を、食ってやろうかと思ったこともある。しかしそれを、何も言わなくとも相棒はどう思うだろうか。


 狭量な男だと見損なうかもしれない。そう思うと《威嚇LV8》さえも使えなかった。


 ん。近くに《魔狼》の群れがいる。


《突貫LV4》で突っ込んで中心の頭で《魔狼の長》を《破砕牙LV3》で噛む。


 残る四つの頭で周りの《魔狼》を《握撃LV1》で体を捥ぎ取り行動不能にしていく。然る後に《丸呑みLV4》。


 食える口も胃も増えたので、9体ほどいてもすべてを食事できる。


 そんな狩り方を繰り返していると《思考加速LV4》《並列思考LV9》まで上がった。もう五つの頭を完全に制御できる。


 すでに数度のレベルアップと脱皮を経て、体感体長は20メートルを超えた。


 太さは一つ一つの頭が、太さ2メートル弱だ。RPGなら、どこぞのダンジョンのボスくらいは任せてもらえそうである。


 それでもなお、蜘蛛の下半身を合わせても身長150センチほどしかない幼女に、勝てるかどうかわからない。


 試してみたが、レベルの上がった《粘着耐性LV8》でも、相棒の《蜘蛛巣》から逃げるのに時間がかかる。


《蛇毒牙LV1》で糸を溶かせば、すぐ動けるようにはなるが。


「確かに美味いんだけど、本当手応えはねぇなー」


 ずりずりと相棒の隣に戻る。


「せやろ?」


 ため息を吐く。右手で頭をかくのは、蜘蛛の姿の時から変わらない癖だ。


 魔物の種族は強くなっている。ただ《魔狼》や《魔猿》、《突貫猪》や《魔狼の長》など、同系統の進化みたいなのが多い。


《突貫猪》はスキル的にオイシイからありがたいが、狩り方が同じなので強くなった実感が持てない。


 蛇が臆病な性格というのも、俺が落ち込んでいる理由なのかもしれない。臆病者の隣に強者がいるのはストレスだ。


「まぁでも、本番は夜だろ。そろそろ休もうぜ」


 まだ陽は沈んでいないが、そう時間も経たずに夜が来るだろう。


 さすがに森の第三層で初めて過ごす夜は、起きて警戒しておきたい。


「せやな」


 ほーい、とこともなげに《蜘蛛巣》を40メートル四方に張る。俺のサイズとしては広くはないが、とぐろを巻いているので問題ない。


 ……《蜘蛛糸》だけじゃないな。《操糸》もかなりレベルは上がっているようだ。


 鉄製フェンスのように格子状に張られた糸は強靭で、外を見れはするが上にも隙は無い。製作期間三分。


 さらには《蜘蛛巣》の内周に沿って点々と蜘蛛達が配備されている。


 いざとなれば戦ってくれるし、起こしてくれるだろう。


「ほんじゃ、一旦寝るか」


「「おやすみー」」




 うっおとしがられそうだから毎回は書いてないですが、評価やブクマ感想、本当に感謝してます! ありがとうございます。

 基本毎日18時投稿ですが、土日はAMとPM両方6時に投稿しています。ですので本日も夕方6時にまた投稿します。個人的には何個目かの山場のツモリに入るので、見ていただければ嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ