表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【魔物編】魔性の蛇は邪眼の大蛇になった。
49/126

『復讐の魔人王』




「「ごちそうさま!」」


 大量のコマギレムカデ肉を、二人で完食した。


 強い魔物は美味い。その原則はムカデといえど外れなかった。最後まで目を開いては食えなかったけど。


 相棒は人の姿になることで、食える量が増えたようだ。


 幼女の体のどこに収まっているのか聞きたくなるが、あの大ムカデの半分を腹に収めた。


 さすがに妊婦みたいなボテ腹になっているが。


 俺にしてもこれだけの大物を食うのは初めてで《大食》のスキルを獲得した。


 これまでの《森狼(しんろう)》《森猿(しんえん)》《森梟(モリフクロウ)》や、《森狼の長》《森の賢者》とは違う。


 ムカデは明確に、動物ではないモンスターだった。


 俺も相棒も、もはや動物ではないモンスターの姿になった。


 十メートルを越す蛇はいるだろう。巨大な蜘蛛もいるだろう。


 しかし五つの頭を持つ蛇や、幼女の上半身を持った蜘蛛は動物にはいないのだ。


 一つ大きなハードルを越えたことを実感し、ムカデを含めた今まで喰ってきたモノたちに感謝した。


 もっと強くなろう。俺は大仰な成長スキルを与えられ《勇者適正》や《精力絶倫》《輝く英雄性》なんぞまで持っている。


 俺は強くなれる。俺が殺してきたモノたちは別に望んでないだろうが、殺してきた分、強くなろうと誓った。


 俺は魔物だけど、勇者適正も持っている。


 勇者がいるなら魔王もいるでしょ。


《武器技能適正》があるなら剣技もあるでしょ。


《魔術技能適正》があるなら魔法もあるでしょ。


 勇者と魔王。剣と魔法。


 そんなファンタジー世界。


 きっとこの世界には、竜やオーガ、魔人や魔神、龍や吸血鬼たちの最高位の魔物がいて、聖獣や神獣なんかもいるのだろう。


 そいつらが前世でのライオンだとすれば、今の俺はミジンコみたいなものなのだ。


 この世界では、基本カエルの子はカエルの姿で生まれてくる。オタマジャクシからオタマジャクシが生まれる。


 しかし《存在進化》という、オタマジャクシがカエルになってリヴァイアサンになる手段もある。


 ミジンコの生からライオンの生まですべて味わえるのなら、きっと楽しい。


 俺がどういう理由で《勇者適正》なんかを与えられ、何があって魔物として産み落とされたのかはわからないし、使命があるのかさえ知らない。


 でもせっかく、この面白そうな世界にミジンコとして生まれてきたのだ。すべてを喰らって味わいたい。


 とりあえず、上を向いていこう。目標は高い方が良い。


 勇者か魔王を目指すことにしよう。いっそ、両方なっちゃったり!


 なーんて、と心の中で冗談を言って笑ってみる。





   『復讐の魔人王』は運命を選択しました。

    《冒涜LV1》を獲得しました。

    【蛇行せし王の神への復讐】の物語が解除されました。





 えっと……。


 冗談だよ?


 冗談で言ったんだけど。



   …………ふ。



 おい天の声テメェ今まで無意味な一文字とか発したことなかっただろ。


 何なんだ。



   …………。




 いや何だよ。


 意味ありげに沈黙してんじゃねぇ。何か言えやコラ。



   【蛇行せし王の神への復讐】は開始されます笑

    よかったですねw



 笑ってんじゃねーよ! どんな落差で温度差だ。




   【管理は手離したが、うぬのことは見ておるぞ】




 …………!


 …………。


 どうやら天の声はもう話す気はないようで、変な話だが、気配さえ感じない。


 生まれた時から、言われたような『見られている』という感じはなかったのだが、何かからの護りを持って生まれた確信はあった。


 それを与えてくれた一人、いや一つなのだろう。


 とりあえず、理解できないことは放置するしかない。


 相棒と二人とも膨れすぎた腹をこなれさせるために、相棒が昨晩捕まえ尽くした蜘蛛巣のある西へ、飛ばずに這って歩いて向かうことにした。


 着いたらまた食うのだけれど。


 しかし、あの渋めの重低音が本来の声で「てれれってってってー!」とか「ぱんぱかぱーん」とか裏声で言ってるのだとしたら、笑える。


 そんなことを考えていたら、頭上の猿が枝から落ちて中心の頭を強打した。そして梟が間違ったように四羽俺の頭にぶつかってきて、猿が折ったのであろう太い枝が全ての頭に落下してきた。


 ゴンゴンゴンゴンゴン、とリズミカルに鈍い音がする。


 何だこの有り得ない不運。


 どうやらアレは本当に見ているようで、敵に回してはいけないものらしい。




 ブクマ、評価、感想ありがとうございます!

 ちょっと40日後くらいのところで詰まってますが、励みに毎日投稿続けていきます!


 https://twitter.com/taimatsuoto

 固定ツイートに、絵を描けない癖に描いた《義ある多頭の邪蛇》と後から出て来る設定画を置いてます。


 よければオナシャス! もう多分2度と描きません!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ