共同作業
改めて周囲を警戒する。
ゴブリンは一匹。周囲の森にはゴブリンの仲間も、他の魔物もいない。
オーケー。狩りを始めよう。すでに俺は、ゴブリンの後ろに回り込んでいる。
《身体操作》《瞬発LV2》《突進LV3》
「ゴブッ!?」
背後から噛まずに突き飛ばす。ゴブリンはたたらを踏んだ後、こちらを振り返る。
《威圧LV1》《眼力LV2》《念話》
『殺してやる』
ゴブリンはかすかに動きを止めたが、すぐに動き出そうとする。やはり種族もレベルも低い相手には、そうそうビビらないのだろう。
俺の方が体格は勝ってるのにと少し悲しくなる。
《蜘蛛糸》《操糸》
動き出そうとするゴブの、棍棒を持った右腕に蜘蛛糸が巻きつく。
朝方の大立ち回りで《蜘蛛糸》も《操糸》もレベルがかなり上がっているのを感じる。重い物を運んだからだろう。やはり蜘蛛は、俺に感謝すべきだ。
《身体操作》《瞬発LV2》
《突進LV3》《噛みつきLV4》
その右腕に噛みつく。
《噛みつきLV4》が《噛みつきLV5》に上がった!
スキル《噛み千切る》を獲得した!
勢い余って、右腕を噛み千切ってしまった。プランから外れてしまったことに、少し焦る。
「ギィィイ!」
《蜘蛛糸》《操糸》
幸いにも、ゴブリンは痛みによって動けないようだった。そこに、賢い相棒の蜘蛛糸がかぶさる。
《粘着耐性》を持っているのか、素の力が強いのか。蜘蛛糸に絡められながらもゴブは動いていた。
《身体操作》《瞬発LV2》
《突進LV3》《噛み千切る》
次は右足を貰った。
《噛み千切る》が《噛み千切るLV1》に上がった!
ゴブはさすがに立っていられずに、ついに倒れ込む。
「出てこいよ、相棒」
草むらからカサカサと蜘蛛が出てくる。
「やったなぁ、相棒」
ギィギィと痛みに身を捩るゴブを脇目に、二人でアイコンタクトを交わす。
「じゃ、トドメを」
「刺そか」
俺は左腕、蜘蛛は左足から、
《毒牙LV1》《毒牙》
を食らわせる。一撃では死ななかったので、何度も食らわせる羽目になった。
《毒牙LV1》《毒牙》
《毒牙LV1》《毒牙》
《毒牙LV1》《毒牙》
《毒牙LV1》は《毒牙LV2》に上がった!
《毒牙LV2》《毒牙》
《毒牙LV2》《毒牙》
さすがに死んだ。
評価とブクマ本当にありがとうございます!
感想、評価、ブクマで作者のテンションが天にも届くほどブチ上がってます。




