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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
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《?ゴブリン?》




「なぁ蛇」


「なんだ蜘蛛」


「これ楽しいわ!」


 背に乗せている蜘蛛を寝させないという目的もあって、そこそこのスピードで蛇行していたのだが、蜘蛛は楽しみ始めたらしい。


 急げるし結果オーライだからいいけど。


 さて、北へ来たのは偶然だが、来たとあっては目的が出来た。


 北の強めの魔物の捕食だ。


 普段なら安全に行くところだが、今回は特別だ。


 背中に乗せた秘密兵器がある。またの名を蜘蛛。


 この北の地は、生き汚いこいつを働かせるのにもちょうどいい。


「お?」


 そうこうするうちに、目的が早くも一匹見えた。停止する。


「おい、あいつ見たことあるか? 前にいるヤツ」


「んー?」


 お楽しみが止まったことに不満だとでも言うように、八つの爪を抜いてちょこちょこと方向転換する。


「げっ。見たことないわ。ていうか絶対強いやん」


《解析》で前方に《?》と表記された魔物は、棍棒を持った緑色のゴブリンだ。弱い魔物とされているが、間違いなく今まで食ってきた魔物より格段に強いだろう。


 体感で俺の体長が180センチだとすれば、140センチくらいだ。小学生中学年程度。しかし筋肉はしっかりしているし、両腕両足を自由に使えるのは大きいだろう。俺も使いたいもん。


「アイツを食うぞ。半分ずつだ」


「はぁ!? 無理無理無理無理! 生きるために慎重に、が俺らの共通点やろ!」


「慎重に考えて、勝てるんだよ」


「一人でやれや! 俺は付き合わへんからな!?」


 蜘蛛は飛び降りて、俺に背を向ける。


「なぁなぁ。見たこともない強い魔物がいるってことは、こっちって南なのか? 北なのか?」


 ピクリと、蜘蛛が動きを止める。


「俺ら、かなりお前の蜘蛛糸で移動したよな? 強い魔物がいる来たことのない地域を、一人で南へ向かうなんて俺だったら嫌だけど?」


 蜘蛛は留まったまま動かない。リスクの計算をしているのだろう。


 風が吹き、木々の枝が葉を揺らす。それにしばし耳を傾ける。


 結果はすぐに出たようで、ため息を吐いてこちらを振り返った。右前脚で頭をかくのは、どうやら癖らしい。


「勝算あるんやろうな?」


「当然」


 生き汚いのは、俺も一緒だ。長生きするために、強くなりたいのだ。




 書き溜め増えたので、土日は朝と夜の2回投稿にしますー。

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