表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
28/126

合体




「ここどこ?」


「知らんわ」


 とりあえず恐ろしい夜をやり過ごし、夜明けを迎えたのだが。相棒の機嫌が悪いです。


 俺は蜘蛛を見ているのだが、蜘蛛は俺に背を向けている。


 まぁ巻きついたまま、さんざんこき使ったからだろう。先に裏切った方が悪いのだ。


「とりあえず南――朝日の右に行こうぜ。どんな魔物いるかわかんねぇし」


「勝手に行けや」


「こっちが朝日の左だった場合、強い魔物いっぱいいんだろ? 一緒に行った方がいいって」


 蜘蛛はため息をついて、ようやくこちらを振り向く。


「……しゃあないなぁ」


 カリカリと右前の脚で頭をかく。器用だな、なんて思う。



    ―魔性の蛇は、タラント《幼生》とパーティを結成した―



 正直ホッとする。強い魔物も多いだろう。見知らぬ攻撃方法を一人でかいくぐるのは難しい。


「戦う時以外は、俺の背に乗って寝てていい。正直昨夜は、お前の貢献度がかなりデカかった」


「ま、そこまで譲歩するならえぇわ。快く乗ったろ」


 言うが早いか、ぴょいと俺の背に乗る。


「あぁ、一応起きてる間でいいから警戒のために後ろ向いててくれ」


「お? あぁ。でも俺すぐ寝るつもりやで?」


「起きてる時だけでいい。あと振り落とされないように、爪全部俺に突き立て続けてくれ」


「ドM?」


「違うわ。修行だ」


 時間を無駄にはしたくない。《粘着耐性》なんてものがあるなら、痛みの耐性や爪への耐性を磨けるはずだ。


「まぁええわ。知らんけど」


 言って蜘蛛は、八本の脚をちょこちょこと動かし、後ろを向いた。


 それから爪を立て、カチカチと音を鳴らす。


「アカンわ。お前の鱗には、俺の爪立たへん」


「腹でいいよ。お前、昨日の夜ずっと俺の腹に爪立ててたんだぜ?」


「……まさか、その時にM性に目覚めたん?」


「違うっつってんだろ食うぞ」


 労力としては蜘蛛にかなり頼ったが、苦痛は俺の方が大きかったのだ。


「いやそもそも、お前が大人しく置いてかれてればよかったやん」


 はぁ、とため息を吐いて俺の腹に爪を突き立てる。


 合体完了。


 くっ。やはり多少のダメージはある。しかし、動きが鈍るほどではない。


「じゃ、起きてる間は後ろの警戒よろしく」


「へーへー、起きてる間だけやで?」


 舌をチョロチョロ出し《第三の目》でも改めて周囲を警戒する。


 チロチロ。


 チョロチョロ。


 よし。


「じゃ、南に向かって行くぞ」


 言って、蛇行を始める。


「ちょ、ちょ、ちょー!」


 蜘蛛が騒ぎ出す。


「何だよ?」


 俺は蛇行しながら応える。


「こんな左右に揺れてちゃ眠られへんわ!」


 それは知らん。というか、最初から寝させる気などさらさらない。


「じゃ起きてろ」


「この蛇ヤロー……」


 蜘蛛は気づいているか知らないが、木の根の下穴が向いていた方向は、夕日に向かって右側だった。


 つまり俺たちは、昨日の晩からかなり北に移動しているのだ。


 魔物が強くなるという方位へと。




 基本平日は19時更新、土日は7時と19時の2回更新です。

 評価&ブックマーク、本当にありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ