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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
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脱出




 プッシュゥゥウ。


 蜘蛛が糸をムカデに向けて吐き出す。



    《身体操作》《瞬発LV2》《突進LV3》



 蜘蛛糸で怯んだのを横目に、空に向かって飛んだ。


 飛び込んだ少し先には、何もいないことは確認している。だが、その後は出たとこ勝負だ。目立ってしまうだろうが、逃げ切れるところまで逃げるしかない。


 幸い、ムカデの向こうに見えた空は、白み出していた。夜明けはそう遠くない。


 ガリュ。


 激痛が尾に走った。


《第三の目》で後ろを見ずに見やると、どうやらギリギリで噛みつかれたらしい。


 ――ッ! 殺、してやる。そう思った時、カチリと音がする。



    ――復讐対象が決定されました――



 鱗を何枚も剥がされ、跳ぶ速度を落とされた。


 我に返る。


 今は逃げることを優先しなければならない。


 進行方向には木がないが、着地先には狼の群れがいた。ここには着地したくない。


『おい蜘蛛! 振り落とされてないか!?』


『大丈夫や!』


 がっちりと、八本の脚で俺の胴を掴んでいた。


『着地したくない! 蜘蛛糸を木の枝に付けてくれ!』


『! 任しとき!』



    《蜘蛛糸》《躁糸》



 蜘蛛糸が木に付着する、ブランコのようにわずかに下がり、わずかに上がる。


『糸を切って、前の方にある木の枝にまた糸をつけてくれ!』


『了解や!』


 糸が前の方に飛ぶ。



    《蜘蛛糸》《躁糸》



 夜明けは近い。これを繰り返していけば、ここから離れていけるだろう。


 ふと、胴を掴んでいる蜘蛛の脚が緩むのを感じる。ぼそりと、蜘蛛の声がする。


 蜘蛛は俺の胴から脚を離した。


『堪忍な! こんな目立つより、俺だけの方が、確実に逃げ切れるわ!』



    《巻きつきLV3》



 逃がさない。蜘蛛に巻きついた。


『なっ!』


『ツレねぇこと言うなよ、相棒。さ、次の枝だぜ?』



    《蜘蛛糸》《躁糸》



『くっそ! お前、俺のこと信用してへんかったな?』


『お互い様だろ? 俺らが仲良くなれたのは、お互いが生き汚かったからだろ』



    《蜘蛛糸》《躁糸》



『あーもう。めんどいヤツと関わってもうたわ。嫌いやわー』


『俺もお前のエセ関西弁が嫌いだよ』


『ははは』


『くくく』



    《蜘蛛糸》《躁糸》



 ブランコの乗り継ぎが続いてゆく。


 光は強くなり、地上では確実に魔物が減っている。朝が近い。




    ―復讐期間まで、あと48時間です―




 感想、評価、ブクマで作者のテンションがブチ上がります。ぶチ上がります! ブち上がります!!

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