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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
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《巻きつき》




 もう牙は食い込んでこなかった。


 ……運が良かったとしか言えない。俺の浅い《噛みつき》で絶命するほど、相手の体力は少なくなっていた。




   てれれってってってー!

   レベルが上がった!

    各基礎能力が向上した!

    《噛みつきLV1》が《噛みつきLV2》に上がった!

    スキル《巻きつき》を獲得した!




 遅いよ、と、誰にともなく文句を言う。


《巻きつき》を認識していれば、命の危険を感じることもなかったのだ。


「怖かったー!」


 ずいぶん独り言が多くなっている気がするが、気にしない。本当に怖かった。


 能力は拮抗していただろう。《巻きつき》を持っていたから、あちらの方がレベルとしては高かったのかもしれない。


 そういえば、蛇が噛みついて即巻きついている動画が、知識としてある気がする。ちゃんと気づいていればよかった。それこそ遅いよ。


 結果としては《三角蹴り》を持っていた俺の、スキルとプラン勝ちと言えるだろう。普通に噛み合って巻きつかれていたら、俺の負けだった。


《巻きつき》から、俺の牙を外してくるとは予想もできなかったし《巻きつき》にもテクニックが要るのだろう。俺もあれを習得すべきだ。


 命を失った蛇の牙を、身を捩って外しながら反省を終える。さてさて。


「……いただきます」


 頭からいただく。


 自分と同サイズのものをいただくのは初めてで、飲み込めるか不安だった。結局、時間はかかったが呑みこめた。


 自分より大きくても呑み込むらしいしね。


 しかし、身体は今までにないほど重かった。


 雨も降っていないのに点在する水たまりを探して、重い体でずるずると蛇行する。


 腹の力を入れて、ネズミのアバラよろしく折ろうとしているが、なかなか手ごたえがない。骨の形状もあるのだろう。なんか肉を胃で揉んでる気になってくる。


 警戒のために第三の目で周囲を感じ、舌も出す。


 チロ。


 チロチロ。


 チロリチロ。


 よし。


 水たまりを見つけた。


 ちゃぷちゃぷと、恒例の水浴びをする。体は大きくなったが、まだ浸かれる程度には水たまりは深かった。


 勝利の美酒とまで言えないが、水は今日も美味い。


 チョロチョロ。


 チョロチョロ。


「ぷはぁ」


 さすがに満腹だが、水は別腹。


 チョロチョロ。


 チョロチョロ。


 腹の蛇のせいで体が膨らんでいるからだろう。脱皮は水でふやかすと、勝手に裂けた。毎回ちょっと窮屈なのが厭である。




 脱皮を終えて爽☆快☆感☆を味わった後。腹の蛇を消化するのと、夜はまた眠れないかもしれないので、木の根で少し眠ることにした。


 満腹になると眠くなるのは、人間と同じらしい。


 涼やかで静謐な森の緑の中で、眠りに落ちる。




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