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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
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初心者狩人(蛇)


 


 さて、脱皮と消化を終えてまた蛇行してみると、本当に身体が大きくなったのだと実感する。


「なんか、視界高い」


 今までとわずかに景色が違う。視力に頼るべきではないが、視界は少し開けた。


 しかし頼るべきものは『第三の目』と舌だ。忘れないように意識して出し入れしよう。


 チロチロ。


 チロ。


 チロチロ。


 よし。


 視覚としての視界は60度くらいで、かなり狭い。ただ舌では360度の情報が得られる。範囲は限られるけど、これが生命線だ。


 レベルアップしていけば、そのうち範囲も広がるだろうと、期待しておこう。


「でも色彩は欲しいなぁ」


 人間だった頃の色覚が知識としてあるからか、今の景色を味気ないと感じている。暗くはあるが昼なので、人間の目で見ればもっと緑も輝いているのだろう。


「それに、自分の色もわかんないんだよねぇ」


 第三の目の温度で見ようが、舌の湿度で感じようが、光の受容器ではないので色彩は感じられない。


 まぁこれは、何かのスキルを得れば見ることができるかもしれない。


 閑話休題。そんなレベルアップして力を増した俺の狩りである。


 ぶっちゃけた話、相も変わらず難航している。いや惜しいところまではいくんだよ。


《身体操作》と《瞬発LV1》での《突進》+《噛みつき》は、惜しい時にはネズミの尾に掠ることさえあった。ただもう少し、もう少し何かが足りない。


「てか狩りの難易度高いんだよなぁ。線を点で追ってる状況だし」


 あと一歩で届きそうな時、必ずネズミは気づいてしまう。殺気なのか空気の振動なのか、一定以内の間合いに入って気付くのかは定かではないが。


 真後ろから真っすぐに突っ込めば、同じ直線上で追える。さすがに強化した俺の《突進》の方がネズミより速い。が、あちら側の知恵なのか、絶対真正面には逃げてくれない。しかも、横から這い寄るよりもなぜか気付かれやすい。


 バカ正直に真正面から突っ込もうとしてみたが、さすがに視界に入って気付かれた。


「本当、あと一歩なんだけどね」


《瞬発LV2》になっても俺自身のレベルが上がっても、確実に捕まえられる。


 ただし、それがいつになるかは分からないし、俺のレベルは倒さなきゃ上がらない。


 警戒しつつ思考しながら、ネズミを探す。トロいヤツを狙うしか、現状食う手段が無いのが残念である。


 そんなこんなで進んでいると、



   スキル《解析LV1》が《解析LV2》になった!

   スキル《隠密》が《隠密LV1》になった!



良いこともあった。突進に直結するものではないのが、今は残念だが。


「何か変わってるか?」


 そう思って《解析LV2》を使ってみた。結果。


『草』『草』『木』『小魔鼠LV5』『草』『草』『草』『草』『草』『木』『草』『草』


「お? 小魔鼠いる」


 さらに、見落としそうな小さな変化だったが、レベルが表記されるようになっていた。とはいっても、今まで出会った小魔鼠のレベルを知らないので比較できないが。


 と思ったが第三の目と舌を出して確認したところ、比較できた。


「こいつ、デカい」


 今までの小魔鼠は、レベルが2か3低かったのだろう。二倍くらいは太い。これは是非とも食いたい。


 注意深くプランを考える。太いからといって、動きが鈍いとは考えられなかった。俺はレベルが上がったことで、確実に太くも素早くもなっている。 


 なら? 今までのように賭けのように突っ込むか?


 ナンセンス。うーむ。


 こんな時、さっきみたいに他の蛇がいれば、逃げる方向を限定できるのに。




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