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蛇に転生しました。勇者か魔王になろうと思います。  作者: 松明ノ音
【野性編】■■■は魔性の蛇になった。
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てれれってってってー!




 ……甘かった!


 どうやら最初のネズミは、よほど運良く狩れたらしい。


 小魔鼠(こまねずみ)は珍しい種類ではないらしく、探し回ってみれば何匹か見かけることができた。見かける度に改めて周囲を警戒し《身体操作》と新たに手にした《瞬発LV1》を駆使した《突進》+《噛みつき》で攻撃したのだが、全て不発。


 動きが速いし動き出しも早いんだわ。あいつら。


 俺も命懸けであるように、あいつらだって命懸けなのだ。きっと察知スキルで警戒しながら進み、俺が《突進》した時には《瞬発》ですぐ逃げ出しているのだろう。


 やってるのは同じことなので、天晴れとまでは言わない。正直、簡単に食べられてほしい。


『草』『草』『木』『小魔鼠』『草』『草』『草』『草』『草』『木』『草』『?』


《解析》で周囲を見渡すと、また小魔鼠がいた。そして不明の何かも。


 第三の目で確認すると、その形状は細長い。まるで俺のように。


 というか、(オレ)だった。


 狩りとは違う緊張が走る。サイズは俺と変わらない。しかし、初めて会う『喰われる可能性』だった。


 勝てるか勝てないか思考する。勝てれば大きな獲物。


 ――負ければ死。


 俺に遅れて、あちらも俺に気づいた。そして気づいたことにより緊張が走る。


 思考が加速する。


 相手の緊張はネズミにも伝わる。

 ネズミは逃げる。あの蛇とは違う方向に。

 蛇は俺と同じく逡巡する。

 ネズミが動き出



    《身体操作》《瞬発LV1》

    《突進》《噛みつき》



 ばくん、と喰った。


 噛みついてまだ息のあるネズミを口に入れたまま、すぐさま視線を蛇に向ける。


 敵意は込めない。そもそも感情は何も込めない。


 俺はお前に気づいている。何をしようと反応ができる。


 その無機質な情報だけを伝えた。


 蛇はこちらを向いたまま後ずさり、距離を開けた後去っていった。


 当然だ。さっきは俺も混乱して勝てるか勝てないかを考えてしまったが、そもそも勝てない可能性のある相手に追い詰められてもいないのに、戦うこと自体が間違いなのだ。


 負けたら食われるし、食われたら死ぬ。なら悔しいとしても、逃げた方がマシだ。



    スキル《残心》を獲得した!

    スキル《眼力LV1》を獲得した!



 ほぅ、と安堵のため息を吐きそうになる。 吐くわけにもいかないので牙を食いしばると、パキパキと骨が砕けて咥えているネズミが絶命した。



   てれれってってってー!

   レベルが上がった!

    各基礎能力が向上した!

    スキル《眼力LV1》を獲得した!

    《眼力LV1》は《眼力LV1》に統合される!

     《眼力LV2》に上がった!

     《暗視LV1》を獲得した!



 うお! びっくりした。


 天の声さんのテンション高ぇ。口で効果音言いやがったよこいつ。


 しかし、レベルアップは素直に嬉しい。レベルがあるなら上げたい。そこにレベルがあるから。


 自分に《解析》を使い、ステータスを見てみる。



  《??? ♂》

   ステータス

    LV 2

     激弱


   状態

    脱皮したい。



 もう腹も立たないが、比較できないのはなぁ。


 ところで、脱皮したいと書かれた状態のように、身体が窮屈だ。ピッチリした前進タイツ着せられてるみたい。


 またパキパキと腹の中でネズミの骨を砕きながら、木の窪みを探して蛇行する。


 しかし、さっきは助けられた。群れで狩りができれば、かなり楽になるだろう。


 蛇が群れで狩りをするものなのかも、俺が意思疎通ができるのかも不明だが。





 感想とか評価とかブクマとかでテンションがブチ上がります。ブち上がります! ぶチ上がります!!

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