二丁拳銃を語りたい
二丁拳銃は実用的でないと言われるな。あれは嘘だ。
ミリタリーを語るなら、これくらいは抑えとかないとね。
なんて、そういうのありますよね。
銃について解説するエッセイなどを読むと、だいたい「二丁拳銃は実用的ではなく、フィクションならではの嘘」というものがあります。
現代の軍隊や警察であれば概ね正しいですが、そういう限定をせずに「二丁拳銃は(いついかなる場合も)実用的でない」というと、それは明確に誤りです。
拙作『皇国召喚』の異世界側。つまり皇国以外の国の軍隊では、軽騎兵などを中心に、拳銃を装備する場合は二丁拳銃が基本です。
これは勿論理由があって、一度に一発しか撃てず、再装填が難しい拳銃を一丁だけ持ってどうすんの? という単純な話です。
二丁拳銃といっても二丁だけという意味ではなく最低二丁は装備していくという感じです。四丁拳銃とかでも大丈夫です。
ただし、ここでいう「二丁拳銃」も二種類あって、両手に拳銃を持つ狭義の二丁拳銃と、一丁を右手で持ちつつ予備の拳銃をすぐに取り出せるように準備しておく二丁拳銃があります。
騎兵の場合、片手で手綱を持っている訳ですから通常は一丁ずつ順番に使う二丁拳銃となりますが、一時的であれば両手を離して狭義の二丁拳銃する事で、瞬間的な火力を増せます。
その場の状況と騎手の練度次第ですね。不発率が高かった時代の銃だと、一発目が不発だった場合にすぐに次が撃てるというのも、二丁拳銃の利点です。
二丁拳銃ではありませんが、右手に剣、左手に銃という武器の両手持ちもあります。
ゴーカイサーベルとゴーカイガンの両手持ちを思い浮かべてください。あんな感じです。
この持ち方の利点は、撃った後に左手の拳銃を即座に簡易的な防具や鈍器として使える点です。
そもそも近世までの拳銃は基本的に片手撃ちするものでした。
本来は片手撃ちするものだったのが、現代では様々な理由から両手撃ちするようになったという方が正しく、「片手撃ちは素人やかっこつけ。プロは両手で保持して撃つ」のような解説も、一概に正しいとは言えません。
アメリカの刑事もののドラマなど見る方なら分かると思いますが、右手に拳銃、左手に懐中電灯の逆手持ちした警官というのはあるあるですよね。
あれはフィクションではなく、実際の警官がそうしているからですが、つまり拳銃の片手持ち(片手撃ち)は必ずしも現実に即してない訳ではないんです。
余程不自然な状況でなければ二丁拳銃はアリですよ!
作者向けの話になってしまいました。