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私の中の消えない世界  作者: はりねずみ
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通り道①

本当は一戸建てに住むのは私にとっても家族にとっても夢でした。

ずっと団地住まいだったからです。

中学2年の時、私は立て続けに2回引っ越しています。

今回は引っ越し先の一戸建てのお話。


私たちは大阪から三重へと引っ越して来ました。

両親が下見をして手続きを済ませてしまったので、引っ越しの日まで見たことがない新居。

山の上を切り崩して作られた住宅街です。


車で曲がりくねった山道を登り、途中にある大きなダムの手前の道に入って上へ上へと行くと景色が変わりました。

山を斜めに切り拓いたお陰で、すごい急勾配です。


「坂道きつそう…。」

「そう言えばさっきちょっとだけ見えたダム、自殺の名所らしいで。」


……嫌な予感。


たどり着いた新居は、そのダムに一番近い、住宅街の一番端っこにありました。

正面の空き地の奥に小さな丘があり、その向こうが恐らく切り立った崖で、ダムへ向かう道に繋がっています。


車から降りて家を見上げました。

こじんまりした、中古の二階建ての戸建て。


皆が嬉しそうに新居に入って行く中、私はどうもこの家が気に入らなかったのです。


寒い。


玄関から入った感想がそれでした。

夢のマイホームとは程遠い、新生活の始まりです。

後から親に聞いたところ、この家はこの住宅街にしては格安だったそうです。


この先何年も苦しめられる事になるとは思いもしませんでした。

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