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冒険者で異世界を! season2  作者: Catch262
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第8話 そして一人の創造者

遅れて申し訳ございません!

 文字通り全てを消し去ったトレースは太陽を眺めながらただただ茫然と立ち尽くしていた。微動だにせず、ナイフをその場に捨て恰も死んだ人の様にそこに居た。


 「トレース......?」


 ティグリスが声をかけても返事は無く、振り向くこともしなかった。悲しみに暮れているのか、このような世界を造った記憶の無い自分に怒っているのか。心境は全く掴めなかった。


 「もう周りには人の気配はない。一回戻るぞ」


 ティグリスはトレースの右腕を掴んだ。すると氷のような冷たさが手に伝わってきた。技の使い過ぎによる体力の消費。その他理不尽なこの世界の仕様。NPCのティグリスでさえトレースの今の状況を理解できなかった。


 「あーダメだダメ。その状態で動かそうとすんな」

 「ふざけんなよ。何人連続で来れば気が済むんだよ」


 死ぬまで逃がさないと言わんばかりに次の人が来た。武器などは無く、殺気が感じられないのが妙だったが、それもごく普通の事だった。ティグリスはトレースを庇う様に前に出て剣を手にした。


 「まぁそう構えるな鬼狩りの虎ティグリス。俺は今てめえが庇ってる奴の古くからの知り合いだ」

 「うるせえ。もう誰も信じない。それ以上近づくなら容赦なく殺すぞ」

 「流石異名持ちNPCだけあって迫力あるな。実際に会ってみると分かるもんなんだな」


 ティグリスが警告したのにも関わらずその男はトレースに近づこうとしてきた。勿論ティグリスはあと一回剣を振れるだけの体力しか残っていない。その一振りで確実に決めないと勝ち目など無かった。


 「名だけ聞いといてやる」

 「ミオルだ。まぁこれからお世話になるだろうし覚えておけ」

 「ああ、来世で会えたらな」


 ティグリスは慎重にタイミングを見計らって剣を振った。確実に当たる絶好の位置で剣を下した。


 「はぁ~俺も戦う気は無いんだけどな。『ティグリス止まれ』」


 勢いよく振り下ろした剣はミオルに当たる寸前で止まった。それは剣だけでなく、ティグリスさえも一緒になって止まった。ミオルは止まったティグリスを無視してそのままトレースに近づいた。そしてトレースに触れて一言呟いた。


 「やっぱりね」


 クルっとティグリスの方を向き指を鳴らすと時間が動き出したかのように止まっていたティグリスは剣を振り下ろした。


 「トレースになに......」

 「シャットダウン状態。って聞いたことある?」


 ティグリスが聞こうとした瞬間聞かれることが分かっていたかのように先にミオルの口が動いた。その口からはトレースもティグリスも悩んでいた一つの課題だった。気付けばシャットダウンまでの時間を把握していなかった。


 「それがどうしたって言うんだよ」

 「この状態の事ね。この世界の一定のプレイヤーが消えると世界(自分)がシャットダウン状態になる。そう設定したのは王。彼女だよ」


 ティグリスは唖然とした。ミオルの言っている事に嘘は一切無い。現にトレースは微動だにせずその場に立っている。それはシャットダウン状態と言っても過言では無いほどに。

 けれどただティグリスには一つの疑問が残った。


 「なんでお前がそれを知ってるんだよ」

 「それについては彼女が起きてからにしようか『再起動』」


 ミオルはトレースに一瞬だけ触れてティグリスの傍に移動した。そして何もせずただただトレースを見ていた。ティグリスが動けないのを知っていてミオルは近づいてきたのか。使った技が危険なので下がったのか、その時のティグリスには検討も付かなかった。そして考えるのをやめた。


 「なぁ。トレースは戻ってくるのか?」

 「勿論。じゃなきゃ困る」

  

 それから数分後。急にトレースが倒れ込んだ。ティグリスはそれを目にした瞬間すぐさまトレースへと駆け寄った。


 「トレース!」


 その声を聴いたトレースはティグリスを確認した後安心したようにその場に座り込んだ。


 「それで?この人だれなの?」

 「さぁ。俺もまだ正体は聞いてないよ。でも少なからず敵ではない」

 「まぁまぁ落ち着いて。王も起きたことだし改めて自己紹介としましょうか」


 ミオルはその場に立ち一礼してから自己紹介を始めた。


 「俺はミオル。そこの王とこの世界を造ったもう一人の創造者だぜ」

 

 ミオルがそう言い放った後数秒間沈黙が続いた。トレースもティグリスも驚いてはいた。けれど当たり前だが納得も何もできなかった。


 「......まぁこの反応は仕方ねえか。この世界に来るとき記憶は消すように言われてやったけど、本当に忘れてるもんだな」

 「いや、もし私と一緒にこの世界を造ったのだとして、なぜ今頃現れるの?」

 「あんたが言ったんだよ。シャットダウン状態になったら私を助けてってね。まさか本当になるとはな」

 「シャットダウン状態?」


 トレースは何かあったのか?と言いたげな表情だった。トレース曰く全く記憶に無く、一瞬の出来事のように進んでいたとの事だった。それすらもミオルは知っていたかのように振舞っていた。


 「んで、シャットダウン状態を戻すだけ戻してミオルはどうするんだ?」

 「さぁ。その後は何も聞いてないからね。今の王がどうしたいのかも知らないし」


 トレースは考えた後にミオルに軽い提案をした。


 「じゃあさ。一緒にまた新しい世界を造るのを手伝ってよ」

 「また世界造る気か。まぁ世界を造るのは嫌いじゃねえし悪くねえ。一度乗った船だ。沈むまで相手になってやるよ」

 「そりゃどうも。ティグリスもそれでいいでしょ?」

 「ああ、俺はトレースに付いて行くぞ」



 おまけコーナー!

 作者→作 トレース→ト ティグリス→テ


 作「お疲れ~」

 ト「いやまて、早すぎない?」

 作「え?投稿ペースが?」 

 テ「それは冗談でも言っちゃダメだろ。もう1か月も期間空いてるぞ」

 作「それは......その......すいませんでした」

 ト「なんか内容もペース落ちすぎじゃない?」

 作「書かな過ぎて書き方忘れました......」

 テ「やっぱ毎日書いてなきゃダメだな」

 作「2月に毎日投稿期間を設けようと考えてます。けれど前半は用事があるので後半に仕様と思います。詳しい日時はTwitterにて......」

 ト「どうしようもない人だな......」

 テ「それは今に始まった事じゃない」

 ト「それもそうだね」

 見ていただきありがとうございます!


 インフルになり何とも言えない状況で書いた内容ですが、なんか本当に小説の書き方忘れたんじゃないかってぐらい酷い内容になってるかもしれないです。その点に関しては本当に申し訳ございません。このシリーズは絶対に完結させるのでゆっくりとお待ちください。


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