21 鉱山での戦い
「おおおおお!!ここがボルカーン王国かや?」
「そうだ、ここがボルカーン王国だ。興奮するのも分かるがまずは鍛冶屋をめぐってみるか?物の値段がわかるぞ」
俺たちは無事にボルカーン王国に着いた、鉱山が立ち並ぶ地帯だ。歩いている人種にはドワーフが多い、ドワーフ族は鍛冶や防具などを作ることを得意としている種族だ。
「アダマンタイトの剣、金貨500枚。オリハルコンの斧、金貨300枚。ミスリルの剣、金貨600枚とな!?わ、我らにそんなに金があるのかや?」
「うーん、予算は金貨300枚くらいだな。プリムにミスリルの剣くらいなら買えそうだけど、予備に一本欲しいところだな。俺もオリハルコンの剣で自分に合わせた剣が欲しい。というわけで、お仕事しに行くぞ!!」
俺たちはボルカーン王国の冒険者ギルドに向かった、以前に本で見たことが真実ならあの依頼があるはずだ。
「よし、あったぞ。ボルカワーム退治、カーム鉱山。この依頼を受けていくことにしよう。金も稼げるし、運が良ければ欲しいものが手に入るぞ」
「ボルカワーム?」
「ワーム系の魔物で土と一緒に獲物や鉱物資源を飲み込んでしまう。高温を発していて退治するのが難しい、だがうまく退治して腹の中をかっさばけば望む鉱物が入っているかもしれないんだ」
「我の出番はあるのかの?」
「ワームを倒すのと解体は俺がやるが、プリムにも協力して貰わないといけないんだ」
「うむ、分かった」
俺たちは依頼を受けてカーム鉱山にやってきた、ボルカワームが出るというのでこの鉱山は一時立ち入り禁止になっていた。
「たった二人でボルカワーム退治をするのか!?この前きた冒険者は十人以上いたが、何人か食われてそれで全部逃げちまったんだぞ」
「やってみないとわからないだろ。あっ、ワームの中にある鉱物資源は退治した奴が貰っていいんだよな?」
「うむ、よかろうな?」
「ああ、あいつを退治してくれるんなら、腹の中の鉱物はあんたらのもんだよ。だが、本当に退治に行くのか。こんな子ども連れで!?」
「プリムはこれでも成人だぞ」
「うむ、我は15歳だ」
鉱山前で散々そこのドワーフたちに止められたが、俺たちは無事にカーム鉱山の中に入ることができた。俺は索敵の範囲を円状に広げていく、思った通り土の中をうごめく何かがいる。
「プリム、奴が出てきたら言ったとおりに!!」
「了解じゃ、レイ!!」
ワーム系の魔物で何が厄介かって、地中のどこから出てくるのか分からないのが怖い。だが、その問題は俺の索敵で解決済だ。俺は土魔法をつかって中にいるワームに攻撃を仕掛けた!!
ギュワアアアアアアアアアアァァァァァ!!
ボルカワームは正確に俺の立っていた位置に飛び出てきたが、既におれは場所を移動している。そこにプリムの氷魔法が炸裂する、ボルカワームの体が冷やされ近づけるくらいの温度になった。
「たああああああ!!」
この絶好の機会を逃がしてなるものか!!俺はボルカワームが地面に潜り込む前にその頭を切り裂いた。ついでに体を捕まえて地中に隠れている部分を引っこ抜いてしまう。あとはお楽しみの解体時間だ、ボルカワームの体を縦に切っていくと消化器官の中から何かの金属の塊が幾つか見つかった。
「よっし、よくやったぞ。プリム!!」
「褒めて貰えたのは嬉しいが、なかなかえぐい光景じゃのう」
「慣れる、慣れる、あと数匹はボルカワームがいるみたいだからな」
「なんじゃと!?」
「討伐証明の部位として牙を引き抜いてっと、これでよし」
「うあああああ、なんだかぞわぞわ~~とするのじゃ」
鉱物資源だけ水で洗って乾かして『無限空間収納』に放りこんでいく。
あとはさっきの戦法の繰り返しだ、あいつらもまるっきり馬鹿ではないようだ。俺ではなくプリムを狙ってきた個体もいたが、俺が避けるように伝えて事なきを得た。結局、数日かけて十数匹のボルカワームを退治して、依頼達成とみなされた。
「ほらな、プリムがいて助かったぞ!!」
「レイは強いのう、我はああいう虫のようなものは苦手じゃ」
虫が苦手だなんてプリムも女の子らしいところがある、レベルも上がってギルドカードはこうなっていた。
名前 :レイ
レベル:178
年齢 :22
性別 :男
スキル:剣術、怪力、魔法剣、全魔法、獣の目、毒無効、気絶無効、麻痺無効
石化無効、睡眠無効、即死無効、魅了耐性
魔王の祝福、神々の祝福、龍王の祝福
名前 :プリムローズ
レベル:50
年齢 :15
性別 :女
スキル:剣術、全魔法、毒無効、石化無効、魅了耐性
龍王の祝福
ボルカワームの体から出た金属は鉱山のドワーフの知り合いに頼んでインゴットに加工してもらった。オリハルコンとアダマンタイト、それにミスリルが剣が何本か作れるくらいに取れた。あとは腕のいい鍛冶屋を探すだけである。
「しかし、いざとなると迷うよな。どの鍛冶屋も良いところがあって気になる」
「そういえば防具の方も作らんとな、ほれっ。ドラゴンの皮があったじゃろ」
プリムが何気なくそう言った途端、道を歩いていたドワーフたちが一斉に振り向いた。
討伐証明の部位のことを書き忘れておりましたので追加しています、ご指摘ありがとうございました。




