高い高いケア 34
魔物殲滅したホメタ率いる30の騎士団は、意気揚々とレイナがいる街へ向かう。
向かう途中エデンが
『あ!そうでした。勇者のヨシが、小型魔法具で大切な人と連絡するみたいですよ。そして、レイナさん達は先に宿屋で休むみたいですよ。』
『今回の旅路は、長かったみたいらしく三日間滞在するみたいです。』
ホメタは内心迷っていた。何に迷っているかと言うと、30の騎士団が異常な程にテンションが舞い上がっていた。今さっきから
『ホメタ様!指揮官、取りましたよ……』
『ディアそれ!指揮官の頭頂だけじゃないの?』
『そうそう。そんな汚いもの早く捨ててしまいなさい。』
ディアが、一撃で粉砕した指揮官の一部を持ってホメタに見せびらかしてくる。
まるで、猫がスズメを捕まえて見せに来るような……飼い主は全くもっていらないし触りたくも無いが、誉めて感が半端ない!!
ホメタは勇者御一行が、街で過ごすと聞いて急遽30の騎士団への御褒美を思い付く。
ホメタが止まれば、30騎士団も止まる。ホメタ達は、街へ入る手前で止まる。
「これから、俺の騎士団の功労賞をあげようと思う。……これは、俺の視点でただ一人のみにあげるからなっ!?それ以降は、そのテンションを落ち着かせろよ。」
『なんでしょう?私はぁ、ホメタと野原で一緒にぃ……』
30騎士団は、一旦沈黙の後に雄叫びをあげていた。本当に全員女性なのかな?と思うくらいに猛々しい雄叫びだった。
ホメタの「一人だけ言うから、静かにしろー。」というと、30の騎士団は物凄く静かになった。馬の鼻息でさえ聞こえない。
「今回の俺が思う功労者は、多くの数を殲滅……ではなく。かといって、指揮官を倒した者でもない。」
「俺に指揮官は何処にいるかを指し示した者!ガーベラに御褒美を渡す。」
『あーん。ガーベラかぁ……残念。』
ガーベラに声が掛かった瞬間いつ馬から降りたのか分からないが、ホメタの目の前に片膝を着いて頭を垂れ待っていた。
「ガーベラ、先に言っておく。俺には、お前らに送る金銀財宝とか土地とか無い。だから、お前が……お前等が期待するような物は無いからな。」
『そんなもの、私はたんまり持ってるもんね。だけど、ホメタがくれるのなら何でも良いから欲ちいですわぁ』
ホメタがキメッキメッに台詞を並べて叫んでいるが、ホメタの真横にはエデンがホメタに抱き付いていた。そして、ホメタの偉そうな台詞の後にはエデンの感想と希望を言うのであった。
そんな、エデンが少し邪魔だったので
「エデン。あのね、いまガーベラに御褒美あげるの。だから、エデンは俺の後ろに立つか騎士団の横か後ろあたりに立ってくれないかな?」
『……ホメタ?こんなにも街の近くでガーベラを犯すなんてしないで下さいね。ただでさえ、街の警備兵が近付いて来てます。次に、キレイナさんとの対面が難しくなりますよ。』
(そうかー。ガーベラの胸をモミモミして終わり!ってのはダメかー。どうするかなぁ。)
「うん。分かった。……エデンも分かったの?」
エデンは『はーい』と返事した後、騎士団の後方へ行っていた。
「よし!ガーベラ!立ちなさい。今から、俺からの御褒美をやろう。」
ホメタがそういうと、ガーベラの両脇にホメタの両手を入れて
「ほーら。高い!高ーい!」
ホメタは、痩せているとはいえ大の大人のガーベラを20回程[高い高い]をする。
ホメタは、ガーベラに終わりを告げる。ガーベラは、キョトンとして目が浮いているような。ガーベラが、何処かへ飛んで行ったかのような目が合ってない。
すると突然!?
『……う!うぅぅぅ。うえーん……うぅっ!ぅぅ』
涙を流し始めるガーベラ。
突然の女性が泣き出した事に、ホメタは大いに焦る。ホメタは、色々考える!自分のしでかした罪等々を。
(連続高い高い!20回は本当にキツかった。キツかったから、脇と胸を同時モミモミしたのが公に出て泣いているのか!?……そうなのかっ!?いや、金かっ!!黄金しか無理なのかっ!?)
そう。色々な事を考えていると
『私は、子供の頃から武術ばかりで親に甘えて貰った記憶が無かったんです。だから、ホメタ様に頂いた[高い高い]は過去で欲しかった物が今貰えた事で、嬉しくて嬉しくて涙がぁ。』
ホメタは、少なくとも俺のせいでは無いので安堵する。
ガーベラの子供の頃の願いが叶えられた涙を見て、チラホラガーベラ以外の騎士団が『私もやって欲しい・手を繋いで家に帰りたかった』等々聞こえて来たので決意を決める!
「じゃあ、高い高いして欲しい奴!今日限定でやるから並べ!!」
ガーベラ以外の騎士団が、子供らしくない大人の整列をする。それは、一子乱れのない一列だった。
……
ホメタは、高い高いラスト三人になった。
ホメタ、汗だく!!もう、汁だく特盛ですわ。
『やっほー。ホメタ!さぁ!!高い高いしてぇぇ!!』
叫んでいるのは、エデンだった。
ホメタは「えーーーー。」という顔を出していると
『今回、私はホメタの妹を無事街へ届けました。私が、お空をひとっ跳びしなければ……ねぇ?だぁかぁらぁ!私も御褒美ですぅ!』
ホメタは、エデンを高い高いする。
ホメタは疲れていた。しかし、いつも笑顔!……特にこうゆう時こそ相手が欲しい笑顔を見せる!それが、クラウンとしてのプロ意識である。ホメタは、そう思っている!
だから、自分の嫁を高い高いしても皆と同じようにするつもりだったのだが!違った。
エデンを、高い高いしながらホメタが手を伸ばしながら、下のホメタがクルクル回るってのをする。上のエデンは、下のホメタに連動されてクルクル回る。
エデンは飛翔魔法は使える。しかし、まるで自分が他の力によって飛ぶような出来事は初めての経験だったのか、おもいのほか満面の笑みで目も化け物の目玉になっていた。
エデンは汗だくのホメタに回復魔法を、そっとかけその場を去る。
ホメタが、特別な高い高いをしたのは結果的にホメタの首を締める行為となってしまった。騎士団の方々から『あれ、いーなー・あれがよかったなー』等々聞こえてきた。
何より、一番のガーベラが一番の損をしている様な感じになってしまった。なので、ガーベラは一番最後で再び高い高い+クルクル回転のおまけ付きである。
因みに、エデンの次はアキが『エヘヘヘ』と出て来たので「すまん。今日は、今回の戦いに参加した人のみなんだ。だから、アキは駄目。」
「さっ!アキ退いて!次は、……ディアね。」
(まじか!?最後の最後にディアか?!重量級鎧を装備したディアか……無理ーーーー!!!!)
(よし!少し揺さぶりをしでるか!)
「ディア!……上げちゃうぞぅ……上げちゃうぞぅ??……ババッって上げちゃうぞぅ!?」
はい!反応なし!この『ババッって』というのは素早くという意味である。
ホメタは、全くの反応の無いディアに諦めて
(仕方ないな!……だからエデン魔法をかけたのかも知れないなっ!?行くぜぇ!漢細マッチョ重量級鎧のディアを高い高いしまぁースッ!!)
ホメタは、ディアの両脇に手を入れて息を吐く・吸う・吐く・吸う……と深呼吸する。これは、瞬発力で持ち上げようという心意気だ。
ホメタは、精神統一をする。心を無に!何らかの四文字熟語を思い出す。そして!
『ホメタ様、あの……鎧脱ぎます』
「え!?いいのぉ?別に着ていても良いんだけどなぁ。」
『そうですか』と発言するディアに対して、ちょっと待て!とは言えないので「いや!今日は、ディアが自分で決めたんだ!だから脱いで貰おうかな。……うん!それ正解!!」とうことで鎧を脱いだ。
ディアは、可愛いかった。水色のショウトヘアーで、目はブルーサファイア。体つきは、雰囲気ガーベラよりもスマート。だけど、あの重量級鎧を装備していたとは思えない程に華奢である。
ホメタは、あまりにも可愛いディアの顔を触れようとするとディアも抵抗無く突っ立っていた。ただ、目はギュって力に強くつむっていたので、そこでホメタは冷静さを取り戻す。
「ディア?目を閉じていると、高い高いの意味が無くなるぞ?目を開けなさい。そして、どっちにする?ガーベラにやったヤツか、エデンにやったヤツか?」
ディアは後者を選ぶ。
ディアもエデンと同様に、満面の笑みでクルクル回っていた。
ガーベラは、クルクルした後に着地後「良くやったな偉い偉い」と頭なでなでする。その後、再び泣いたのは言うまでもない。
30騎士団とエデンとアキが加わって、ホメタ達はワイワイやっていると
『お前達!街の外で何やってる!?まさか……』
「いえ!私達は、心のケアをしていただけです!決してエロい事なんてしてませんから。」
門番の兵士は、夜になると締めるらしいのでワザワザ声を掛けに来てくれた。ホメタ達は、一旦街へ入る。
明日もこのくらいの時間に書きます。二三時間は前後すると思います。ブックマーク付けて頂きありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。




