どこもかしこもレイナ祭りだぜ! 32
負けを認める眼前の馬は、それはそれは綺麗な正座をして頭を下げている。それは、いわゆる土下座である。
『なんなりと!なんなりと、ご命令してください。国を一個や二個、いや全ての国を手に入れてみせましょう。』
「あっそう。……お前は、俺の馬だ!だから俺が乗れるサイズになって。」
『本当に、それだけでよろしいのか?私が下の処理を請け負っても構いませんよ。』
そういうと馬は、人形になっていった。ホメタの前には、スマートな姿の女性が立っていた。その女性は、ホメタへ近付く
『こらー!私のホメタに近付くなー!お前の仕事は馬だろうがぁ。』
エデンが近寄ってくる女を蹴り飛ばす。ゴロゴロと転がる女性の姿は綺麗さが全く感じえないぶっ飛びかただ。
『なっ!……?!ンゴズ様なぜここに?』
『下の名前で呼ぶな!で?買って来たの?』
『……[ババパン]ですか。あんな物!どこの国どこの界に行ってもありませんから!!』
なんの話か分からない。分からないホメタはエデンに聞いてみた。
なんでも、この馬リザリィと言うのだが、エデンはパシリをしたみたいだ。……で今に至る。
「それ、最近の話なの?」
『違います!ホメタ様、この化け物!私をいつもいじめるんですよ。』
「悪いけどエデンは俺の嫁なの」と発言する。それを聞いて、目を丸くして『そんな!?ありえない』と繰り返し発していた。
……
「エデン?あのデスファイヤいつになったら消えるの?」
『おそらくですが、このデスファイヤはホメタのクラウンの階級に深く関わっていますね。なので、マナで発動はしましたが継続は階級という特殊スキルで発動していると思われます。』
『ホメタ!あの仮面被ってみてはいかが?』
エデンの狙いはだいたい理解した。俺の笑いと涙と怒りの天魔竜神仮面の怒りを利用しようというのだ。
この怒りの仮面は、全てのスキルと魔法を強化する優れもの!早速被ってみた。
『ブヴオォォォァァァァ!!』
と言い出し四股を踏む姿で吠える。吠え終えると、鉄と鉄がぶつけ合う音が聞こえてきたかと思ったら、次々と武装していった。なんか、格好いい!
あらかた武装が終ると、大きな体なのにどうやったらそんなに静かに座れるの?って思えるくらい片膝を着いて、手を地面をついて頭を垂れる。
この武装した、元デスファイヤ巨人はホメタの前に頭を垂れ続けている。何も話さないし動かない姿をホメタは見続ける。
ホメタは、誰でも良いから左手でチョイチョイと手招きした……来たのはディアだった。
「おお。ディア!これ何なのかな??」
『…………これは、声を頂けるまで動かない騎士道の一つですよ。それだけ、忠実という事です。』
ディアが初めて話した事で、ホメタは少し感動する。ぶっちゃけ、大きすぎる武装した鎧騎士はもうどうでも良かった。ホメタは、理解した!
(これは、多分デビルハート発動したな!)
ホメタは、ディアにボソボソ声で伝える。
ホメタの診断の結果、やはりデビルハートの毒牙にかかっているみたいだ。
「ディアの素顔見たいなぁ?」
ホメタは、心から貰ったな!?って思った。けど、その瞬間母と同じことをしていると勘付いてしまい「俺は、あのグズ野郎とは違う!」と思い、兜を脱ぎ捨てようとしているディアを止める。
「やっぱいいや。ディアが見せたい時に見せてくれよ。」
(ホメタ様!ありがとう。……うっ!又ホメタ様のスキルが発動したっ!?これは、堕ちるのは時間の問題ね。だめ!立っているのがシンドイ)
「おい!話せよ!?」
『ご命令ありがとうございます。私は、アナタ様から生まれた物!アナタの為に生きます。名を下さい。』
「名前か……ケンイチでどうだ?その[剣]の道で[一]番!って意味だ。」
名をあげた瞬間、鎧騎士は黒の炎が燃え上がり
『まっこと!うれしゅうございます。このケンイチ!ホメタ様の剣になって見せましょう。』
ホメタはケンイチが大きすぎるので小さくなるよう指示すると、小さく成ることが出来た。
今は、手乗りサイズになり尚且つホメタの手袋に変化する。このケンイチは、ホメタが仮面を外しても居続けていたので未来永劫たぶん存在するとホメタは理解した。
……
『あなた?!多分勇者達が来ますよ。』
突然の知らせにより、ホメタはワタワタと焦り出す。ホメタは先に、30人の騎士団を消す!エデンも影に入って頂こうとしたが
『向こうに聖なる者がいる以上、私が隠れてもバレますよ。いっそ、出した方がバレにくいと思いますが。リザリィも、予備で出していた方がバレにくいと思いますよ。』
エデンの出した提案を全て鵜呑みにするホメタ。ホメタは、焦っていた。妹との対面にビビっていた。
ホメタは、心を立たせようと必死に声を発する!「俺はやれば出来る!素直な心!優しい気持ち!優しい笑顔!」と繰り返し叫ぶ!……馬に。
[馬に]とあるが、馬の横腹辺りに顔を押し付けて叫んでいる最中だ。
エデンが、もう見えて来ますよ!の声で馬へブラッシングを始める。
……
「やあ。旅の方々ですかな?私は今馬の手入れをしていましてね。何かご用ですかな?」
勇者一団は、ホメタと馬とエデンに注目している。勇者一団から、小声が聞こえて来る。
『アイツらが大悪魔って?ただの、召し使いと女御主人様の間違いだろ!?』
『違うわ!あれは、紛れもなく悪魔よ。しかも、馬も悪魔ね。ガイタンが言う、召し使いの男は悪魔の気配は無いけど。』
『ねぇ?レイナも感じるでしょ。悪魔の気配を!』
『悪魔ってのは分かります。が、私達に敵対心は無いように思えますよ。それくらい、アナタも分かっているでしょう!?』
ホメタは、一目見て理解する。
(ああ。レイナだ!レイナだ!レイナだーーー!)
ホメタの心は、今レイナ祭りになっていた。レイナ!レイナ!レイナ!レイナ!レイナ!レイナ!……が続いている。
ホメタは、レイナ祭りに感極まって大粒の涙を流す。
涙を流している召し使いに気付いた勇者が訪ねて来たので、レイナではない!適当な返事をするホメタ。
「私は、魔王に殺された御主人様の無念をはらそうと旅をしています。途中、この悪魔と仲良くなり結婚しました。この馬は、ここで拾いました。」
「私が泣いた理由は、ご存知の通り!アナタ方を見た為です。私の望みを叶えてくれる。今巷で有名な魔王討伐の旅に出ている勇者御一行様と見受けします。もし、よろしければ一緒に旅を着いて行きたいのです。」
この馬、そこで拾った!ってのはヤバかったか?と思ったが
『了解しました!早く御主人様の無念を晴らさせるよう一緒に魔王を討ちましょう。』
勇者御一行さん達は、勇者の発言で驚いていた。当のホメタ自身も驚きを隠せない。
ホメタ達の自己紹介を終え、勇者側の自己紹介に入った。
勇者のヨシ・ア・アナン。魔法使いと戦士とモンクをマスターしたガイタン。聖騎士のセリナ同じ出の天聖女のエリナ。魔獣使いのキレイナ。紹介される。
今日は、久し振りの休みなので早く書きました。どうぞです。




