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ふぁぁあぁあ。春眠暁を覚えず、処々啼鳥を聞く。いやはや、暖かい季節であると、どうも眠く起き辛くなるものです。
しかし。この漢詩、ニートの朝起きた時の感想と、大して変わらないと思うのだが。孟浩然だと名歌になるが、ニートだと、馬鹿かお前、つまんないこと言ってないで働け!となる。
人によって同じ感想でも評価が代わる、世の中些か不平等すぎるのではないかと思います。この不平等さ、千年の時を経た今でさえ、変わりませんね、
先ほどから、一方的にしゃべっているが、名を名乗れ?
あっ、申し遅れました、私、悪王子と申します。えっ、性格変わってないかって?
いやはや、あの頃は私も若かったのです。色欲旺盛で、女性を見てはちぎっては投げちぎっては投げ、しかし、私も千年の木造への封印による隠遁生活ですっかり丸くなりました。
えぇ。それに、この封印像の中、徳の高い霊験豊かなお坊様が彫って下さっただけありまして、生活用品も自動でアップグレードしていきますし、なんと、3LDK。一人暮らしには広すぎるくらいです(外には出られませんが。)。最近では液晶テレビもネット環境も完備しているので、特に問題はございません。
それにしても、以前は鬱屈した隠遁生活でした。時代によって、封印環境は変わるのですが、最初はもう、何もないところからのスタートで、誰とも話をすることもできず、とてもつらい思いをしておりました。
しかしその間に、欲と言う欲、全て無くなり、無我の境地に達したのが三百年ほど前のことです。
二百五十年位前になって、生活用品にラジオが出てきた時は感動いたしました。孤独からの開放。私は始めて救われたと思いました。そして月日は流れ、現代。テレビ、ラジオ、ネット、ケータイ、なんでもあるこの世の中、隠遁していても特に不自由なく生活が送れてしまう、時代は本当に極楽浄土になったようです。
現在私は、どこぞの家の床の間の神棚に飾られる、しがない木像になっておりますが、いや~もう一生封印されていてもいいかなと思っております。
むしろ、封印最高。
昔は豊作の神、ようするに運気収穫運命操作といった事をやっていた神なのですが。
今の世の中、別に私が運命操作しなくても天気は予言しちゃっていますし(しかも高い確率であたる。)世界征服をしようという妖魔族も、人間の近代兵器の前ではなす術ないですし。(むしろ、妖魔族は近代兵器の排斥を求めて活動しているくらい。)核でしたっけ? あれを眼前にしたら、何が出来たって霞みますよ。今では妖魔族は自然保護や、文化保護に動いているようで。中には人間に混じって生活している者もいるらしく、人間との共存関係を主軸に動いているだとか。時代は変わったものです。
あー、やっぱ駄目だわ、キャラじゃねぇ。蜘蛛の糸の仏様のようなキャラを目指したかったが、やっぱり、無理だわ。そんな高貴じゃないわ、我。
えぇ、我は所詮一介の土地神でしかないんですわ。田舎もんも田舎もん。
他の宗教で崇め立てられるほどの素晴らしい神ではなく、初詣の時にお賽銭を貰う程度の八百万の神の極々少数派。マイノリティな概念生命体でしかないんですわ。いつも存在を忘れられる事を恐れているか弱い子羊でしかない我が釈迦の真似なんて、恐れ多い事できる訳ないって訳ですな。
さて、いつもの針宮スレでもみるか・・・○ャナたん萌え~時代は二次元でしょう!