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 強制思考改竄。妖魔で禁止されている事項の一つである。何らかの術で対象者に脈絡なしに、指定した行動を望ませ、その行動に移させてしまうという禁断の術である。

さらに、これにはもう一つ、恐ろしいところがあり、強制思考改竄が行われたという証拠も何も残らないという、術としては完全にインチキじみている。

禁止されているだけあって、願いを叶える方法のレベルとしては、最高峰レベルの叶え方となる為、普通だと、対象妖魔の死亡、若しくは対象者周辺に猛烈な困難の発生してしまうというものであるが、この術を巧みに扱うランクの妖魔だと、その限りではない。

また妖魔が対象を唆して行うものも思考改竄とされているが、こちらは禁止されていない。

「まぁ、まだ何も調べておらんから、確証があるわけではないのだ。しかし、恋愛成就の願いがすぐに叶ったというのに、少し怖さがあってだな。」

「恋愛がすぐに叶うと。思春期・・・まぁ、すぐというのも個人差があるであろうし、何とも言いづらい、が。」

 目を伏せ、顔を顰める朝顔。

「まぁ我も、一例しか聞いてないからな。まだ、想像でしか言えんが。次の例が出てきた時、本格的に対策を考えねばならんからな。万が一を考えておいて欲しい。」

「解った。まぁ、まだ様子見状態じゃな。また、何かあったら詳しく教えて欲しい、がしかし、神であるお主にしてはカナリやる気じゃなぁ。普段、そんなにやる気がある訳ではないのにの。」

「そう言われるとそうだが、強制思考改変は下手したら死人が出る。T県周辺にそのようなスキルホルダーの妖魔が居るとは聞いた事がないのでな。それに、この噂が発生している以上、これの起因の妖魔は確実に生きている(・・・・・・・・)。禁止事項をした妖魔だと討伐指定じゃからな。この地域一帯が荒れる。それはここの土地神としては、勘弁してもらいたいのだ。」

と、表情を絞める

討伐指定。危険な妖魔と認められた場合、その妖魔に賞金首が賭けられ、討伐の暁に、龍聖、妖魔は自身の能力のランクアップが保障される。

だから、そうなると、大量の妖魔、龍聖がやってくる事になる・・・そして、ことが大きくなってくると、人間からも狙われるようになってくる。

人間から狙われる。これだけは避けねばならない。人間の場合、様々な研究機関から賞金が出るだけでなく、その能力を自身の能力として使おうという輩が多く、能力悪用の助長に繋がってくることが多い。なので、概念生命全般の共通認識として、「人の手に狩指定を渡してはならない」という考えが一般化している。

「我は、平和にほのぼの神様(ニート)生活を送りたいのだ。人と妖魔、龍聖が入り乱れる戦い何ぞ見たくない。」

神妙な顔で語る赤穂寺。それもそうでろう。彼はここの神なのだ。自分の土地で争いが起こる。それを望む者など居ない。

「でも、朝顔様の搾乳ならちょっと見たいかも・・・」

 デュクシ。

 朝顔の鉄拳が赤穂寺の顔面に飛ぶ。殴られてのた打ち回る馬鹿。

「あぁん?まだセクハラを言うだけの元気があったか。赤穂寺。」

「フッ、我を誰だと思っていやがる?」

 力強く言う。その言葉には自身、土地神としての使命を全うしたいと言う強い意志を感じた。

「使命感に燃えるのは良いが、そんな気負って大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない。・・・それと、一番良い玉露を頼む。」

赤穂寺は笑って答えた。


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