第1話 その3
次の日の話だった。
[フアーッ………ニャムニャム…………おあよーございます。ボス。………アレ?ボス?如月君。ボス知らないか?][エエ。知ってますよ。何でしたっけ?アア!ソウソウ!足取りが掴めたとかなんとか。納品業者の][で、何処だ?][エーット。アア。ソウソウ。確か手に書いたはずですよ。……………ウ〜ン………消えちゃいました。テヘヘヘ][イマシタじゃネーダロ!まあ何処かに居場所が書いてあるはずだ。ボス。デスク借りますわ][アノ〜…………私は何をすれば?][コピーも終わり、コーヒーも要らないと。どうするよ。あんた一応、公務員なんだろ?メかである事を除いては][エエ。何かないですかね。私が役に立つ時が][ウ〜ン…………そこにいりゃ良いんじゃないか。それにしても如月。考えたな。連中も。盗品をネットオークションで売り裁こうなんて。確かにお店で売っている商品。それをネットオークションで安く買えたら儲けもんだろ。まさかそれが盗品なんて考えないで買うだろ?それがネットの怖さなんだけどな。結局、買う人間がいるから売っている。そんな理屈なんだろ?][エエ。経済的に見ても良くないですね。むしろマイナスになる位で。コーヒー入りましたよ][サンキュー。…………ズズズズッ。旨いじゃないか。やるな。腕上げたろ][ようやく人間の味覚がわかりましたから][どう思うよ。奴等のやり方][確かにそれはありますね。お店だとどんな商品か気になる。目の前に人がいるから。でも機械相手だと気にならない。そうですよね][そうか!わかったぞ!如月。留守を頼む][お出かけですか?][アア。ネットオークションの会社にな。逆に喰ってやるさ。これが商品だ][不良品ですよ。ソレ!][そうだ!まさか不良品を売り付けるなんて思わないだろ?それでクレームになる。注意が行ってる時がチャンスだ。とりあえず手が出しやすい数で百個。そのぐらい納品すればヒットするだろう][必要経費で落ちますよ。それなら。今、ボスに連絡しますね][なんだよ!知ってるんじゃないかよ!俺に換われ!]
[アア。ボス。今からネットオークションの会社に罠を仕掛けますわ][そうか。こっちも配送車の後をつけている。後で合流出来そうだな][そうですね。ジャーまた後で]
[ハイ。これ経費です。帰りにコーヒー買ってきて下さいね][わかった。コーヒーな]
ジョー山中は製造業者に行った。
[アア。すいません。コレ、百個出来ますかね。取りに伺いますから][コレって………不良品だが?][中にはそれが欲しいってお客さんがいるんですよ。変わってますよね。ハハハッ][………不思議な客だな。構わんが。百個だな。夕方には出来るさ。取りにおいで]
[ヨシ。仕掛けはこんなもんだろう。さて、どんなボロが出ますかね]
続く