第八話 海兵隊と揺れた心!?
朝食を終えたあとはいつものように畑仕事。
今日は朝から少しトラブルがあったため開始が遅れたが、三人でやればペースが全然違う。
結果、終わりはいつもより早く、昼食も少し早めに済ませ、俺の自由時間はずいぶん確保された。
かといって、よく考えればすでに八方塞、とりあえず今日も町を周ってみてから図書館に行くつもりだがおそらく新たな発見は無いだろう。
「この小さな町だけじゃここら辺が限界かな」
ふとそんな呟きがもれてしまう。
そう、出来れば他の町も見て周りたい、だけど恩人にフローラさんをほっといてこの町から出れるほど俺は恩知らずじゃない。
「どうしたもんかな」
問題はそれだけじゃない、お金もない俺はフローラさんの庇護なくしては3日と生きながらえないだろう。
ふと、壁のポスターが目に止まる、そういえばこのポスター町中で見かけるっけ。
そのポスターは真っ白な紙に『海兵募集』の文字だけが簡潔に書かれたものだった。
どうやら本格的に兵が不足しているらしい。
「海兵か……」
とにかく人が欲しかったのだろうか海軍に入隊するのに試験や面接もなくまた経歴不明でも即採用と書かれていた。
いろいろと大丈夫なのか心配になるが、そう、これなら俺でも雇ってもらえそうだ。
給料もなかなか多い、これならこの町から出ても生活に困ることはまず無いだろう。
「けど、せめてフローラさんに恩を返すまではここを離れるわけにはいかないよなぁ」
結論、しばらくは現状維持ということで決定。
どうせ焦ったところで確実に帰れる保障は無いんだし、もう少しここの生活を楽しんでもいいはず。
そう、俺はかなりこっちの世界になじんできていた、毎日が充実してる。