第七話 ラッキースケベはお約束!?
朝、ディアナがこの家にやってきた次の日。
俺はいつもどうりの時間に起きて、いつもどうり朝食を準備する。
俺は料理が下手なため昼と夜の食事の準備はフローラさんに任せているが、朝食べるような軽いものなら作れるので自ら朝食の準備を買って出た。
フローラさんは自分がやるからと言っていたが、俺は無理矢理、朝食当番へとなっていた。
今日はトーストとスクランブルエッグ、これが俺の限界だが朝はこれでいいだろう。
なんていったて、昼にはフローラさんの作ったご飯が食べられるのだ。
フローラさんの料理は味はもちろん、そのレパートリーも多いため決して飽きさせないのだ。
お、とか言ってる間にトーストが焼きあがる、それと同じくしてスクランブルエッグも出来上がる。
俺はそれらを皿に盛り付けると二人を呼びにいくためそれぞれの部屋へと向かう。
フローラさんは部屋をノックすると「はーい、すぐに行きますね」と返事が返ってきた。
毎朝のことなので、何のよう出来たのかわかっているため無駄な会話が省ける。
次はディアナのところだ、部屋の前まで来てノックをする。
「…………」
返事が無い、聞こえなかったのかと思いもう一度ノックをしてみる。
「…………」
もしかして寝ているのだろうかと思い「入るからな」と一声だけかけて部屋へと入る。
そこでは予想どうり寝息を立てているディアナの姿が。
仕方ないから起こしに行くかと歩き始めて気づく。
今日は暑かったからだろうか、ディアナは布団をかけていない状態で寝ていた。
いや、それどころか服すら着ていない、上半身裸の状態だ。
「……体も子供体型かと思ったが意外とそうでもないんだなぁ、って俺は何を見てるんだ、とりあえず眼を覚ます前に部屋を出ないと」
急いで部屋から出ようとしたのだが。
「うーん、あれ、朝? 」
朝が弱いのだろう、寝ぼけたまま体ごとこっちを向きボーっとこちらを凝視。
一方、俺は顔を真っ赤にしたままうろたえていた。
後になってなんでディアナの眼が完全に覚める前に部屋を出なかったのかと後悔することになる。
とにかく、部屋を出るのが間に合わないうちに、ディアナは部屋の中に俺が居るという事実と自分が服を着ていないという状況をしっかりと認識してしまい。
「キャァァァァ、変態、死ね、くそ虫、害虫、虫けら、くず、ゴミ、死ね、死ね、死んじゃえぇぇ」
家中にディアナの叫び声が響き何事かとやってきたフローラさんに呆れられてしまった。
「……もう、お嫁にいけない……」
「悪かったって、このとうりだ、許してくれよ」
ディアナはあの後も数分間、泣き続けていた。
ご飯はとっくに冷めている。
俺もわざとではないとはいえ、さすがに悪かったかなぁ、と思いさっきからもう何分も土下座を続けている。
「ディアナちゃんもそろそろ許してあげたら、本当にわざとじゃないみたいだし」
フローラさんも俺のフォローに回ってくれている。
「いや、本当に悪かったって、何でも言うことを聞くから許してくれ」
「……何でもって本当に何でも? 」
「……いやあ、まあ、俺にできることなら何でもかなぁ」
俺の何でもと言う言葉に反応したのかもう泣き止んでいた。
何でもは言い過ぎたかなぁ、と思うがでも泣き止んでくれたんだしよしとするか。
ディアナは鼻をすすりながら、真っ赤に腫れた眼でこっちを見ていた。
「……わかった……今回は許してあげるわ、次は無いと思いなさい」
ディアナはいつもの強気な態度に戻っていた。
こうして俺はディアナに何でも言うことを聞くと言う条件で、この『朝からドッキリ!! ラッキースケベ事件』の示談に成功した。
……何でも、か、出来れば大変なことじゃなければいいんだけど。