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第一話 目が覚めるとそこは異世界だった!?

 物語ってのはいつも唐突に始まる物なのだろう。



「……どこだ、ここ」



 そして、気づけば見知らぬ場所ってのもありがちだ。

 べつにここから二転三転するわけでもない。

 ただのありがちな話だ。



「あ、ようやく目が覚めたんですね」



 体を起こして少しあたりを見渡してると声をかけられる。

 どうやらここは誰かの家らしい。

 ということは、十中八九、今、声をかけてくれた人のだろう。

 と、そんな冷静に考えるよりまずは返事をしないと。



「はい、ところで二つほど聞きたいことがあるんですが、まず状況からみてあなたが俺を助けてくれたのでしょうか」


「ええ、あなたが家の前で倒れていたので介抱させていただきました」



 やはり、どうやらこの人は恩人らしかった。

 ところで、今から少し話はずれるけど、ようやく寝ぼけも覚めよくよくこの人を見てみるとこれがまたすごい美人だ。

 髪は綺麗なブロンドのロングストレート。

 顔も全体的に整っていてすごく綺麗だ。

 なかでもあの紅色の眼はまるで宝石のルビーを想像させるようなとても美しい色をしている。

 身長も女子の中では大きいほうだろうか、体のラインもしっかりしてるし、これがおそらくモデル体型ってやつだろう。


 おっと、思い切り話が脱線してしまった。

 他にもまだ聞きたいこともあるんだった。

 でも、まず最初に言うべきことは。



「あの、わざわざ介抱していただいてありがとうございます」


「そんなに気になさらなくても大丈夫ですよ、それよりどうしてこんな場所で倒れていらしたんですか」


「それが俺にもよくわからないんですよ、気が付いたらこのベットの上であまり前後の記憶がはっきりしなくて」



 これは、本当だ。

 気づけば誰かの家のベットの上、前後の記憶はハッキリしない。

 正直なところ今も不安に押しつぶされそうだ。


「ところでここはどこなんですか」


「その前に、名前を教えていただけないかしら。ナナシさんでは話しにくいでしょ」



 そういえばまだお互いに名前も知らないままだった。



「俺は風間信玄(かざましんげん)、そっちは? 」


「シンゲン様ですね、私はフローラと言います」



 フローラか、おそらく外国の人だろうけど喋っている言葉は日本語。

 なら、ここは日本なのだろう。

 海外に誘拐されてそのままポイとかシャレにならんからな。



「それでここは」


「ここですか、ここはローリア大陸のダキアです、ああ、わざわざ大陸まで言う必要はありませんでしたね、今の時代まず他の大陸から来るなんて無いでしょうから」


「……ローリア? 大陸? 」



 まず、最悪なことにここは日本ではないようだ。

 そしてこの場所も聞いたことも無い。

 それ以前にここ、ローリア大陸と言った。

 世界中の地名を全部覚えているほど頭に自信はないけどさすがに世界の大陸の名前くらい覚えてる。

 そしてローリアなんて大陸は聞いたことも無い。



「フローラさん、いくら俺が馬鹿そうに見えるからってさすがにそれはだまされませんよ」


「? 別にだまそうなんてした覚えはありませんけど」



 てっきりフローラさんのジョークか何かかとも思ったがどうやら本気らしい。

 けど、大陸なんてせいぜい7個、さすがに俺でも覚え違いは無いはず。

 それとも日本とこの国では大陸の呼び方が違うのだろうか。

 まずは確認する必要があるみたいだ。



「あの、ここに世界地図ってありますか」


「世界地図ならそこの壁に張ってありますよ」



 そういってフローラさんは俺の左側を指差す。

 見れば地図らしきものがかかっている。

 ただしそれは俺の知っている世界地図とは大きく違っていた。

 世界地図ってのは自国が真ん中に来るように書かれている。

 だから見覚えがないのは当たり前と思うかもしれないがそういう次元ではなかった。

 地図には右上、左上、真ん中下にそれぞれ一つづつ大きな大陸があるだけだ。

 どれだけ探しても日本は見当たらなかった。



「……ちなみに日本はどこにあるんですか」



 実に変な質問に思えた。

 けれどそれだけ今、この事態が異常だと気づき始めた。

 ひとつより最悪な仮説を立てる。



「ニホンですか、聞いた事無いですけれど」



 おそらくビンゴだろう俺の最悪な仮説どうり。

 ここは、異世界とかそういった類のような。

 つまり、俺の世界とはまったく別の世界ってことだ。

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