表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ざまぁモノのざまぁ対象がバカである必要性を考える

作者: lolo

 私はざまぁモノのweb小説が大好物なのですが、ときおり「なんでこのざまぁ対象はこんなにバカなんだ?」と感じることがあります。


 これについてどこかのエッセイや感想欄なので似たような思いを書いている人を見かけたこともあり、やはりあまりにもバカ過ぎると不自然感・違和感を感じるのでしょう。


 今日もそんな小説を読んで同じような感想を抱いたのですが、ここで私は「でも待てよ、これってざまぁを描くためには必要なのでは…?」と思ったのです。


 もしこのざまぁ対象のバカ貴族がスーパーイケメンで頭が良くて自己分析が完璧で周囲からの信頼も厚くなおかつ変な自己愛から来るプライドを持ってないイケメン(二度目)の悪役だったら?

 そりゃあ公衆の面前で婚約破棄はせず、回りくどい手段で婚約破棄が成立するように悪事を働き、主人公が反撃出来ず詰むように動くでしょう。

 主人公は様々な努力によって力を蓄え、修行をし、そしてイケメン(悪役)を倒してハッピーエンド。


 うーん、これはざまぁモノじゃなくてバトル漫画やな…と。

 もしくは追放成り上がりの亜種。



 また、「ざまぁ」を成立させる為には「ざまぁ対象」には尊厳やプライドを破壊されたり、死ぬほど後悔するなどの精神的ダメージが必要になります。

 肉体的に破壊するだけだったり、そういった精神ダメージの描写をしないと「ざまぁ!」と気分良く溜飲を下げることが難しくなります。


 相手が理屈や道理が通じる精神的に成熟した立派な大人で、主人公の行為に対して「フッ…これも当然な宿命か…」などとカッコよく退場した場合、ざまぁ対象が「ざまぁ!ざまぁ!」と喜んでるみっともない主人公やそんなものを喜んでる読者の側になってしまいます。


 バトルや恋愛や異世界の冒険などを描く"ついでにざまぁする"ならともかく、主題そのものが「ざまぁ」であるなら、ざまぁ対象は知性のないバカをモデルにしておくと「そもそもざまぁモノになってない」「主人公・読者ざまぁになってしまう」という問題を容易に回避できるので、非常に有用であると思います。



 では、どんなざまぁ対象なら効率良く精神的ダメージを食らわせられるか?バカにしておく以外の手段は何があるのか?ということを考えてみます。


 人間が精神的にダメージを食らうケースはだいたいこんな感じらしいです(chatgpt調べ)


~~~~~~~~~~


1.プライドが傷つく: 自尊心や自己評価が損なわれるとき、人は強い苦痛を感じます。たとえば、他者からの屈辱や侮辱、失敗によってプライドが破壊される場面です。


2.自身の劣っている点を指摘される: 他者から欠点や弱点を直接指摘されたり、比較されることで、自分の価値が否定されたと感じると精神的な苦痛が生じます。


3.拒絶される: 友情、愛情、職場などの人間関係において、他者からの拒絶は非常に痛みを伴う経験です。特に、期待していたり、信頼していた相手からの拒絶は苦痛を増幅させます。


4.孤立感: 社会的な孤立や人間関係からの疎外感は、精神的に大きなストレスや痛みを引き起こします。孤独や孤立は人間にとって本能的に不安を引き起こす要因です。


5.重要なものを失う: 愛する人、家族、友人、ペットなどの死別や、仕事や地位などの喪失は、深い精神的苦痛を引き起こします。失う対象が自分にとって重要であればあるほど、苦痛は増します。


6.裏切られる: 信頼していた人や親しい人に裏切られることは、人間関係における大きな痛みです。信頼が損なわれることは、強い失望と精神的ショックを伴います。


7.理想と現実のギャップ: 自分が理想とする人生や目標に対して現実が大きくかけ離れている場合、そのギャップから挫折感や無力感を感じることがあります。特に努力しても結果が出ない場合、強い苦痛を伴います。


8.過度の責任感やプレッシャー: 自分が抱える責任が重すぎたり、期待が大きすぎる場合、精神的に圧迫されることがあります。特に、失敗した際の恐怖や不安が強まると、苦痛は増大します。


9.トラウマ的な経験: 過去の重大な出来事(事故、暴力、虐待など)が心に深い傷を残し、その経験が心の中で再生されることで苦痛を感じます。これがPTSD(心的外傷後ストレス障害)につながることもあります。


10.無価値感や無力感: 自分が社会や周囲の人々にとって価値がない、役に立たないと感じるとき、または自分が状況をコントロールできないと感じるとき、強い精神的な苦痛を伴います。


~~~~~~~~~~


 さて、これらの精神的ダメージは善良で良い人間は食らわないかというとそうではありません。

 ただ精神的に脆弱な人でもこういったダメージは受けやすいでしょう。


 これらを「ざまぁモノ」に適用させたい場合、だいたいこんな感じで行えると思います。


~~~~~~~~~~


1.プライドが傷つく: 無駄に肥大化したプライドを粉々にする


2.自身の劣っている点を指摘される: 自分が優秀だと思い込んでる部分を、更に優秀な人間と比較することで自尊心を傷付ける


3.拒絶される: 交友関係が広い人間を、自らの行いによって他者から拒絶させる


4.孤立感: 交友関係が広い人間を、自らの行いによって社会的に孤立させる


5.重要なものを失う: 醜い欲望や欲求を源泉として自分の財産だと信じ込んでいるもの(財産、地位、婚約者・恋人)を失わせる


6.裏切られる: 自らの行いによってストーリーの重要人物から裏切らせる


7.理想と現実のギャップ: 自己評価が過度に高い人間をわからせする


8.過度の責任感やプレッシャー: 自らの行いにより発生した問題を解決できない重圧を感じさせる


9.トラウマ的な経験: ざまぁ関連で起きた自らの苦痛をトラウマにさせて無限に苦しませる


10.無価値感や無力感: ざまぁの結果として起きた苦痛や社会的な孤立により、もう何も出来ることがない事をわからせて無力感を味わわせる


~~~~~~~~~~


 「ざまぁ対象」に適用されるべき精神的ダメージはこんなところでしょう。

 今まで読んできたざまぁ小説でも似たような要素は多く含んでいたと思います。


 シンプルに言ってしまえば、ざまぁモノは「因果応報」という要素が必要不可欠ということです。

 因果応報の要素がなく精神ダメージを食らわせてしまうと、「そこまでやる必要があるのか」「悪役が可哀そう」などのズレが生じて、ざまぁをしたいという欲求を叶える事ができなくなります。



 ここで話は「バカ」に戻るのですが、本当に頭の良い人間は「君子危うきに近寄らず」という言葉の通り因果応報を受けるような行動はしないはずです。

 勉強的な意味で「頭が良い」(デスノート的)ではなく、本当の意味で頭の良い人間は某ライブドア元社長のように刑務所にぶち込まれたりしません。


 一般人によって良いものとされる倫理観や道徳を重要視しない人間の場合、そういった行動を行う事を「むしろ頭が良い」「稼いだ奴が正義」などといった思考である事も多いです。

 そういう人間は冒険譚やドロドロした恋愛モノなどの場合は主役になりえますが、こと「ざまぁモノweb小説」においてはそういった人間はざまぁ対象のモデルになります。


 ざまぁ対象には「一般人にとってバカと思われる行い(因果応報に繋がるような行い)をすること」が求められるわけです。

 魅了や洗脳により「本来はそんな事をするはずのなかった人間」にそういった行いをさせるストーリーにすることは可能ですが、基本的には「バカだからバカな行いをする」といった話にしないと不自然になります。結局バカにしておいた方が自然ということですね。



 「あまりにバカ過ぎるざまぁ対象」に不自然感や違和感を感じてここまで考え込んでしまったわけですが、私は結局「ざまぁ小説を描くならざまぁ対象はバカにしておいた方が問題が起きづらくむしろ自然」という結論に至りました。


 今後も極端なバカのざまぁ対象の場合は「いくらなんでもアホすぎやろ」という感想は抱くでしょうが、あまり違和感や不自然感を感じず楽しめると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公を簡単に上げるためには他を馬鹿にすればいい いわゆる知能デバフを主人公以外に全部かければいいっていうのが今のスタンスだから
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ