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第1章78 最終局面

 第2収縮を終え、次は第3収縮。キルログを確認してるけど、Aceのチームのキルログは流れてこない。


 向こうも俺らより絶対に先に落ちるわけにはいかないから多少慎重にならざるを得ないよなぁ。


 暴れだしたら俺らも動かざるを得ないけど、そうじゃないなら今の作戦を続行だ。来い、来い、来い…。


 第2収縮ごろから待つこと3分。俺らが放置してたボックスが開けられる音がする。


「キタキタキタキタ」

「お前ら、絶対俺がコールするまで撃つなよw」

「やばい、口から心臓出そう…」


 ドタドタと家の前を走る足音が響き、勢いよくドアが開け放たれた。終盤のキルムーブになればロビンフッドみたいな索敵キャラを入れとく余裕はない。


 内部の様子は目視で確認するしかないわけだ。戦闘を走るゴクウが紫ベストを前に立ち止まった瞬間。


「《《開けまして》》おめでとおぉぉおぉおぉぉぉ!!!!」

「ハッピーニューイヤアアァァアァアァァ!!!!」

「言えって言われたんですぅ。あけおめことよろおぉぉおぉぉお!!」


 ベストの着脱に気を取られたゴクウはぼっ立ちのまま一瞬でノックダウン。


 そのまま丁度踏み込んできたセイメイへフォーカスチェンジ。結界が張られる直前にノックダウンまで持っていった。


 残るマーリンが丁度扉の前で踵を返すけど逃がさないよ。


 流れるように狙いを再度変え、スキルの”キャスリング”のためにグレを投げたマーリンが体を入れ替える前にボックスへ変えた。一丁あがりぃ。


「いや~、ホワイトデスヘッショの次にハイドで壊滅させるのが気持ちいいわ」

「ほんと炎上とか怖くないの?」

「ひより、意識低くないか?」

「どの口が言うか!」


 プレゼントの紫ベストはもちろん回収。残りのボックスも漁って物資は完全に潤った。部隊は残り9。


 早いな。やっぱ接敵したら即戦闘になってるんだろうな。これでキルログを見る限りは一歩リード、と思ったらちょうどAceが3タテしたみたいだ。


 残り8部隊。状況は早くも中盤から終盤へと移り変わろうとしてる。


「よし、緊張も和らいだろうし、真面目にいくよ」

「急にガチになるのやめて? ついてけないから」

「慣れろ。本来こいつはこーいうやつだ」

「ここにきて知らない一面とか」


 こーいうやり取りもあと数分で終わりか。急にセンチな気分になりそうになる頭を振り、俺は再度思考を練る。


 俺らのいるウズメ淵と、隣接する祭具殿。恐らく最終安地はこのどちらかだ。祭具殿の周りは高い塀に囲まれていて、侵入するルートは2か所のみ。


 そこ以外から入ろうとするならゴクウのODがいる。


 幸いSetoが使ってるからどちらになっても問題はない。第3収縮がちょうど終わる。表示された安地は、俺らのいるウズメ淵ではなく祭具殿に寄った。


「最後は塀の中でデスマッチか」

「いいじゃん。締めくくりとしちゃ悪くねぇ」

「いよいよだね」


 俺は”霊鳥の目”を使って周囲の様子を探る。すでに祭具殿に入ってるのが5チームで、まだ入ってないのが3チームか。減りが速かった分、ここにきて状況が膠着してる。

 恐らく次の収縮円が表示されてから動き出すな。


 しばしの静寂ののち、再び安地が狭まり始める。ウズメ淵はほぼ飲み込まれ、ゴクウを採用してなかった2チームは入り口から入ろうとして為す術なく姿を消した。残り6部隊。


 俺たちは、祭具殿の外側で、高い塀に張り付くようにポジションを取った。 


 次の収縮が始まれば俺たちの安地は15秒と持たず飲み込まれる。


 ただ、中の連中はまだ塀の外にチームが残ってるなんて思ってもみないはずだ。塀の頂上にシルフィは配置済みで、どの位置にどの部隊がいるかも分かってる。


 俺たちとAceのチームのキルポが6なのはキルログを管理してたから間違いない。ここからのファイトでよっぽど暴れない限りはTriumphを取った方が勝つ。


 最後の安地は祭具殿のちょうどど真ん中。なんの遮蔽もないこの場所で、最後に立ってたやつが優勝だ。

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