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第1章71 神託その2

安地の東側を支配できたことで、俺たちは上の潰し合いに参加することなく安全に順位を上げることができる。

ただ、それは別に何もしないってわけじゃない。


ズガアァンッ!


「ノック」


ズガアァンッ!


「割った」


ズガアァンッ!


「もう1人割った」


ズガアァンッ!


「ノック」


 下からでも崖際まで来てくれれば射線は通る。上での潰し合いで崖際に追い立てられた敵に俺のホワイトデスが火を噴いていた。

 頭の中では脳内麻薬がドバドバ出てるのが分かる。最っ高の気分だ。


 俺だけじゃなく、Setoとひよりも俺がバリアを剥がした敵や飛び降りた敵を刈り取っている。キルポも11まで伸びていた。


 やがて上からの銃声が止まる。見れば残る部隊数は2。まだ第4安地の収縮前にも関わらず、18チームが戦場を去っていた。


 崖上に西側の戦いの勝者が姿を現す。


「やっぱAceか」


 キルログで大暴れしてるのは見てたけど、ちゃんと最後まで生き残るもんなんだなぁ。さぞ化け物っぷりを発揮したことだろう。


 お互い撃ち合うことなく睨み合う。あっ、しゃがんでる。


 挨拶を無視するわけにもいかないので俺たちもしゃがみキーを押してお返し。


 戦場で生き残ったラスト2チームが屈伸を繰り返すシーンが神視点で抜かれているだろうと思うと笑いが込み上げてくる。


「あはは、やっぱAceさんてお茶目だねぇ」

「な、人気出るのも分かるわぁ」

「うん、人格者だし強いって嫌われる要素ないもんなぁ」


 気の抜けたやり取りをしているうちに、安地の収縮が間もなく終わる。


「さぁ、またまた運命のお時間です」

「おぉ神よ、今度こそ我らに慈悲をお与えください。さもなくばあなた様の眉間に銃弾ぶち込むぞこの野郎」

「お願いしますお願いしますお願いします」


 選ばれたのは…


「やっぱり西側あぁぁぁぁ」

「ふぁっ〇ゅー!!」

「もぉ~、なんでよぉ~!」


 Setoが上空目掛けて銃弾をぶっ放し、ひよりもやけくそでグレを投げてる。こればっかりはどうしようもないな。


 相手は高所かつこっちが出てくるのを待ち構えてればいい。


 俺たちがここから向こうに移動するにはゴクウのODを使うしかないけど、上昇中にハチの巣にされて終わり。


 完全に詰みだ。


「H4Y4T0どうする? 逆転できるかなぁ」

「いやぁ~これはさすがにお手上げっす。まぁ2位でキルポも十分拾えたしよしとしよう」

「まぁ面白かったからいいや。1人くらい道ずれにしていくかぁ」


 2人ともどうにか一矢報いることを考えてるみたいだ。ただそれすら厳しいんだよねぇ。


「いや~まさかホントにこんなオーダーすることになる日がくるとは」

「え、何か思いついたの?」

「うん、ひより、とりあえずあっちの崖の際にOD撃って」

「? うん、わかった。いつ撃つの?」

「いまいま」

「? はい」


 俺の意図が掴めないって反応だけど、ひよりはすぐにODを指定のポイントに撃った。Ace達も俺たちの出方を伺ってるのか撃ってくる気配はない。


「んで、後ろに結界張って」

「う、うん。はい」


 俺たちが身を隠す遮蔽の後方にピンを立てて結界を張らせる。


「いくぞ」


 俺はAce達に背を向けて結界目掛けて駆け出す。2人もその後ろをついてきた。結界を抜け、目の前にはエリアの際の崖。


 走る速度はそのままに、空中へとその身を投げ出した。


「お前ら、《《死ねぇ》》」


 ここでようやく2人は俺の意図を理解したようだ。


「あっはははははは! お前やっぱ最高だわ。イカレてるよ」

「すごっ、こういうやり方もあるんだぁ」


 俺に続いて身を投げ出す2人。


「1位はくれてやるよ。キルポになるくらいなら投身自殺だ」

「あーーはっは、サラダバー!」

「さよおなら~!」


 続けざまに俺たちの体は爆散し、残されたのは呆気にとられて立ち尽くす勝者3人だった。


”Game Over"

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