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第1章69 究極の2択

 第4ゲームが始まった。前の試合と同じくウズメ淵に降り立った俺たちは、練習通りに物資を漁って準備を整える。


 第1収縮の表示を見ると今度は北東側に寄った円が表示された。


「準備は?」

「出れる」

「あたしも」


 短いやり取りで確認を終え、俺たちは行動を開始した。ここまでの3試合で上位と下位の間にはそう簡単に埋められない程度の差がついた。


 20Pを埋めようとすれば順位では最低でも3位に加えて大量のキルポイントが必要になってくる。


 最終戦で少しでも優勝の可能性を残しておきたいなら、この試合から積極的にキルを取りにいかないと手遅れになる。


 多少不利でも強引に仕掛けてくる可能性が高まるから、漁夫に対しての警戒を最大限に高めておかないといけない。


 特に俺たちは現在2位。優勝に近い場所にいる分、無理してでも引きずり下ろしにかかるとこが出てもおかしくない。


 移動を開始して一分ほど。ゴクウのODが溜まってすぐに発動した。遮蔽に身を隠して一気に上空へ。


 目当てのポイントを目指して降下中、早速ファイトが起きているのを見つけた。キルログを見ればちょうどお互いに2人ずつノックダウンを取り合ってタイマンになっている。


 しかもこのあたりがランドマークのチームって…。


「Neroさんのとこだ! 絶対潰す!」


 現在1ポイント差で首位を走るチームが下位チームに早い段階で仕掛けられたんだ。漁夫らないなんて選択肢はあり得なかった。


 降下しきる直前でNeroさんが相手を倒した。けど、味方を蘇生する時間は与えてやらない。


 着地と同時に集中砲火を浴びせ、瞬く間にNeroさんの体力を削り取った。


「ナイス!」

「ナァイス!! 首位交代!」

「まだだけどね。Neroさんとこキルポ3は拾ってるから」

「それでも1位を序盤で落とせたのは最高だよ!」


 思わぬ僥倖だった。キルポも1ポイント拾えたし、現状首位を走るチームを落とせた。


 ただし、俺たちがここからすぐに落ちたら意味がない。改めて気を引き締め、頭をすぐに次の行動に切り替える。


 目指したポジションを確保して第1収縮ももうじき終わる。もう残り13部隊か。やっぱり各地でファイトが激化してる。


 下剋上を狙うチームがゴリゴリのキルムーブをしかけてるみたいだ。上手くいけばいいけど不利な状況で突っ込めば当然返される可能性もある。


 いくつかのチームはすでに現実的な優勝の可能性が潰えただろうな。


 第1収縮が終わり、次の円が表示される。見た瞬間、俺は頭を抱えたい衝動に駆られた。


「うぅ~わマジ!?」

「えっ、どうしたの?」

「多分これゴミ安地になる」


 安地は北東の際ギリギリが含まれたエリアが表示されてる。その円を方向で2時から8時の方向でぶった切るように崖があるんだよなぁ。


 まだ第2収縮だから分断は時計の中心くらいの位置で繋がってるけど、もし安地が俺の予想どおりこのまま際側に寄り続けたときは”運ゲー”になる。


 終盤、安地が寄った方が勝ち確の状況になるんだよね。


 ただ分断されてるってだけじゃなくて高低差もそれなりにあるから、渡ろうとすると飛び降りるかゴクウのODで飛ぶしかない。


 その致命的な隙を待ち構えるほうが黙って眺めてるわけがないんだよなぁ。


「寄らないこともあるけど多分際側に寄る。そうなったとしてどっちを取るかなんだよなぁ」

「西側の方が傾斜あって高かったよな?」


「そう。だから東側を打ち下ろせるんだけど、混むのは西側なんだよ」

「だろうな。東側は混みにくい代わりに上からの射線が怖いと。ははっ、究極の2択きたなぁ」

「H4Y4T0の判断に従うよ」


 俺たちの順位、残り2試合、キルが必要なチームの存在。それらの要素をかき集めてどっちを取るか。


「東側にいく。下からでも射線は通るし、キルムーブの連中は多分西側に寄るから。早めに移動していい場所を取ろう」

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