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第1章67 恨み

「きつかったかぁ~」

「ナイトラナイトラ! 挟む相手合ってたと思うし、気にすんなよ」


「うん、むしろナイスオーダーだったと思う。あそこで飛んで反対側取ったからここまで伸びたんだと思うし」


「上位だしキルポもフルで取れたんだ。何も問題ねぇよ」

「うん、あんがと」


 2人がフォローしてくれるとおり、結果としてはまずまずか。


 G1Nさんの方に詰めるべきだったか、それ以前にもし飛ばずに進んでいたら、それとも第2収縮の段階で別のルートを取るべきだったか。今の試合はあとで見返して検証しよう。飛ばずに進むは多分ないとは思うけど。


 もっといい結果を出したかったけど仕方がない。少なくとも最低限の仕事を果たしたと思おう。


 頭の中ですぐに思考を切り替える。ずるずる引きずったところでポイントは増えないからな。


「俺らは5位…あれ、4位?」

「多分直前に反対側のチームがどっちか倒されたんだろ」

「へぇ~、多分ほんと数秒の差だろうな。ラッキー」


「それも含めてH4Y4T0のオーダーが良かったってことだよ」

「はは、ありがとひより。最後の結界、完璧だった」

「ね、あたしも上手くできたと思ったのにぃ~、ロビンフッドめぇ」


「俺らも使ってるし文句言えねぇよな」

「それな」


 結局勝ったのは…G1Nさんのとこか。あそこは第2試合まで下位にいたはずだから、突き抜けるってことにはならなそうだ。あとは他がどうなってるか…。


 公式配信ではインタビューの真っ最中か。


「最終局面の前に関してお聞きしますが、あのとき”おひるね日和”を強引に挟みましたよね。自分たちのポジションを一時放してまで詰めたのはやはりそれだけ警戒していたということでしょうか」


「あ~そうですねぇ。こっち来られると嫌だなぁと思ってたら南側に行ってくれたんでホッとしてたんですけど。僕たちと反対の東側でもぶつかり合ってたんで、エリアを放しても戻れるだろうと思ったのが1つですね」


「なるほど。東側でファイトが起きたからという判断ですか。1つということは他にも理由があったんですか?」


「理由っていうか恨みですね。1戦目であいつらにおもちゃにされたんで。お仕置きです」

「あっははは。なるほど。そういえばあの一件の被害者は”世界の〇〇”でしたね」


「そうですよ! 全員身ぐるみ剝がされたときは意味が分かんなくて完全にフリーズしましたから。おい、聞いてるかぁ~、お前ら初戦はよくもやってくれたなぁ! ざまぁみろぉ!」

「ざまぁみろぉ!」

「天罰じゃ~!」


「皆さん怒り心頭だったわけですねぇ。きっちりやり返したこの勢いのまま、残り2戦も頑張ってください。それでは”世界の〇〇”の皆さん、ありがとうございました」

「「「ありがとうございました~」」」


「レインさん、やっぱり恨まれてましたね」

「恨んでましたねぇ~、詰めた理由の大半は恨みの方だったと思いますよ」


「私もそう思います。大人げないですねぇ~」

「僕は好きですけどね。プロゲーマーなんて負けず嫌いばっかりですから」

「勝負の世界を先輩が後輩にきっちり指導したというわけですね」



 めっちゃ恨まれてたわ。まさかエリアを放してまで詰めてきた理由それかよ。

 

「くっそぉ~、許せねぇよなぁ! 俺らが何したっつ~んだ」

「泥棒でしょ」

「やられたらやり返さねぇとなぁ」

「先にやったのあたしたちね」

「やられっぱなしで悔しくねぇのか!」

「いやだから先にやったのこっちだから!」

「絶対許さねぇ。この恨み晴らさでおくべきか!」

「あれ、あたしミュートになってる?」




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