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第1章65 中盤→終盤

 残存部隊は残り10。まもなく中盤から終盤へってところだ。


 次の安地に踏み込んでポジションを取るけど、少しでもいいところを確保したい。


 俺はスキルを飛ばして周囲の敵のポジションを探りながら狙うべき場所を選定する。


「こことか強いよな?」

「見たけどもう取られてるね。もう他の強ポジも抑えられてるな。こればっかりは寄ってたチームに分があるからしょうがない」

「一旦どっかに張り付くとか?」

「それかなぁ。それなら割りとある」


 俺が考えてるとき、ひよりは基本黙っててSetoはちょいちょい意見を言う。


 ひよりはIGLの経験が乏しいから口を挟まないってかまだ挟めないんだろうし、Setoも意見は言うけどそれが採用されなかったとして不満に思ったりすることはない。


 あくまで俺の思考の一助になれば儲けって感じらしい。


 さすがにワンマンオーダーだから黙ってろってほどじゃないしね。


 意見を否定するにしても言い方がある。せっかくの意見なんだから、そのあたりの伝え方はしっかり考えないと俺の言葉も届かなくなるから大事なことだ。


「よし、張り付こうか」

「おけーい」

「ラジャー」


 俺の刺したピンは次の収縮範囲内にある大岩。このエリアは平地が広がっていてそこにどこから降ってきたのかってくらいの大岩が点在してる。


 俺たちの一番近くにある大岩にはまだ誰もいない。”霊鳥の目”で確認したけど射線を通してきそうな部隊もいないからひとまずは安全そうだ。


 安地と共に移動してきたから背後に敵チームがいないことは確認済み。今回まではゆっくり移動していいだろう。


 次の収縮でも2部隊減って残り8部隊。第4収縮では俺らが張り付いた岩はやっぱり外れた。次が勝負だな。


 ここまで狭まるとスキルで上空から安地全体を俯瞰できるくらいの面積になる。俺が敵の位置を把握するべく眺めていると、北側に辛そうにしている部隊が見えた。


 別の射線から逃れてるんだろうけど、その結果俺らの射線が通った。


 ノックダウン状態の味方を1人が蘇生し、もう一人が回復しようとしてる。


「2人であそこ狙って。多分キルスティールできる」


 俺が刺したピンの位置にすぐさま2人が反応する。ひよりがスティッキーを見事蘇生中のゴクウに貼り付け、Setoがセイメイに銃撃を加えた。

 

 ゴクウが爆発でノックダウン、セイメイも爆風を受けたうえに銃撃をもらって見事全滅。ノーリスクで2キル拾えた。


「2人ともナイス」

「キルポうめぇ~」

「削られてたから一瞬だったね」


 俺が2人の目になってキルポを稼がせられるのもロビンフッドの強みだな。


 競技シーンでもセイメイが多いならガチで採用するレベルでぶっ刺さってる。


 思わぬ幸運でさらにキルポを追加し、再度思考を次のムーブに戻した。


 俯瞰した俺の見解ではこのままだと次の移動で詰む。今の大岩みたいに身を隠せば全方向からの射線を切れる遮蔽が近くにない。


 どこかに突っ込むにしても射線が通り過ぎてるから近づく前に削られて終わる。


 徒歩での接近は詰み。となるとゴクウで一旦飛ぶしかない。


 移動の前提を切り替えて改めて思考する。ワンチャン狙うならこっちだな。


「飛ぶよ。反対側の平たい大岩の上を取る。無理やりになるけどこのままだと次で詰みだから」

「「了解」」

「ひよりは着地と同時に結界張って。今上にいるのは1人欠けてるから、力づくで降ろす」

「分かった」


 作戦を共有し終えたところで収縮が始まる。安地に呑まれる前に飛ばないとまずい。


 俺たちは大岩に張り付くようにスタンバイ。SetoがODを発動させた。


 俺たちの移動に気づいた部隊が狙ってくる。ゴクウのODは垂直上昇中が弱点だから、大岩で特に初速が遅いところはやり過ごしたけど、それなりにはもらっちゃうな。


 垂直上昇を終え、俺たちはそれぞれジグザグに飛行して弾を避けながら、俺が指示した大岩目掛けて降下する。


 狙われていることに気づいた相手が撃ってくるけど、構わず着地。


 すぐさま俺たちと敵の間にセイメイの結界が発動した。これまでの教えを忠実に再現した完璧な位置取りだ。


「ナイス、降ろすぞ」


 着地した大岩は2段になっていて、一番上は射線通り放題だけど一つ降りれば射線が切れる。


 数的有利を活かしてのゴリ押しで、元々陣取っていた部隊を引きずり下ろすことに無事成功した。



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