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第1章50 開戦

「そして最後がレインさん、ここですよ」

「来ましたねぇ。なんかチーム名がすごいかわいらしいですよね。”おひるね日和”ですか」


 そう、今回俺たちのチーム名は”おひるね日和”に決定した。


 俺とSetoの元々のチーム名であるSleeping Leoは強大な力を持って眠るライオンをモチーフに、これから競技シーンで大暴れしてやるって意味を込めてつけた名前だった。


 チーム名を決めるときに、そこにひよりの名前をそのままくっつけた案が出てきて採用となった。


 俺的には厨二感があるカッコいいのが良かったんだけど、対案で提示されたのが”生活力ブロンズ”とかふざけんなよ?


 まぁちゃんと3人の要素が含まれてるし、慣れてみると結構気に入ってきたんだけどさ。


「こんなほっこりした名前ですけど優勝候補の一角ですからねぇ」

「とにかく安定してますよね。初動死してるとこをほとんど見てない気がします」

「それを為してるのはやっぱりIGLのH4Y4T0ですか」

「間違いないですね。競技シーンでも問題なく通用する、というか屈指の能力を持ってることをカスタムから見せてくれてますよね」


「はい、そしてそれを支える2人ですね」

「そうですね。Seto君が化け物なのは今更なんですけど、僕が一番驚いたのは楠さんですね」

「それ、私も思いました。仕上がりまくってますよね」

「はい。師匠である2人、特にSeto君の指導の賜物なんでしょうけど、フィジカルがヤバいです。あれで1ヶ月前にダイヤの底舐めてたって悪い冗談ですよ」


「競技勢2人ということでこのチームにのみ課されている制限があるわけですが、そのハンデを補って余りある戦力になっているというわけですね」

「そうですね。あと、これは波石さんから聞いてから学んだ口ですけど、このチームって推せるんですよねぇ」


「あっ、レインさんもこっち側に来ましたか」

「切り抜き見たんですけど、いいですねぇ。ここまでのストーリー見たらなんか。実況なんで公平にお届けしますけど、皆さんもぜひ見てみてください」

「布教ありがとうございます。今大会最注目のチーム”おひるね日和”でした」


 あとで2人とはじっくり話をすることにしよう。途中まで大満足の説明だったのに最後に余計なことを…。


「あはは、レインさんまで見ちゃったかぁ」

「勘弁してくれ」

「なんか腕組みおじさんがどんどん増えてんな。知らんけど」

「他人事だなお前」


「俺はてぇてぇ営業してねぇしな」

「別に狙ってやってるわけじゃねぇよ! ったく…おっ、5分後に開始だってさ」

「いよいよかぁ」


 待機画面のチャット欄に弥勒さんから試合開始時刻がアナウンスされる。残されたのは5分。俺たちのルーティンの仕上げには十分だ。


「うし、各自クリップを視聴。最強の自分を《《降ろして》》戻ってこい」

「おう」

「はい」


 モニターに映し出されるのは過去の俺。最高のオーダー、最高のエイム、最高のキル。

 練習を欠かしたことはない。手を抜いたこともない。人事は尽くした。今の俺に過去の俺が出来たことが出来ないわけがない。いや、今の俺のほうが強い。

 さぁ、これから5試合でこのクリップを更新しようじゃないか。


 時間は2分も経ってない。ただ、自分のなかでカチッとスイッチが切り替わったことを明確に感じる。やがて2人も戻ってきた。


「何か特別なことをいうつもりはないよ。いつも通りやる。そうすれば結果はついてくる」

「うん!」

「しゃあ!」


 待機所でカウントダウンが始まり、英霊選択画面へと切り替わる。カスタム通りの構成をそれぞれが迷いなく選び、いよいよ飛行船が”王家の谷”の上空を飛び始めた。


「じゃあ行くぞ。Seto、ひより、火力は任せた」

「「おう(うん)、指示は任せた」」


「さぁ、皆さん大変長らくお待たせいたしました。準備が出来たようです。それでは宴を始めましょう。第3回 Ragnarok Cup ver Triumph Bullet 開幕戦…」


「「「ゲームスタート!!」」」



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