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第1章14 セイメイ

「えっと、セイメイかマーリンを使ってほしいと思ってるんですよね。第一希望はセイメイっす」

「......。セイメイかぁ~。めっちゃムズいって聞くんですけど」

「はい、めっちゃムズいですね。使うだけなら誰でもできますけど、使いこなすとなると多分全キャラのなかで一番難しいです」


 楠さんの反応のとおり、俺が指定したセイメイというキャラは難易度が相当高いキャラだ。


 安倍晴明をモチーフにしたこのキャラは、スキルの五封結界ごほうけっかいで銃弾や爆弾などの攻撃を遮ることができ、ODの式神爆符しきがみばくふでは指定地点の周囲に上空から無数の式神による爆撃を加えることができる。


 攻防一体の強キャラであり、レート戦でもよくピックされるキャラだけど、本当に使い手次第で強くもなるし弱くもなる。


 能力の使いどころが命のまさに部隊の要といえるキャラだ。当然深い理解が求められるし、練習が必要になる。


 重要度が高い分戦犯にもなりやすいというなかなかに神経を削るキャラでもあるんだよなこれが。


「もちろんしっかり教えますよ。ただ、構成を考えたときにIGLの俺はあんまりピックしたくないんですよねぇ。ただ、ゴクウとは組ませたいからできれば楠さんに任せたいって感じです。しばらくやってみてどうしても合わなそうだったらマーリンでもいいかなって感じですね。マーリンも強いし」


  俺からの説明を聞いて、楠さんはう~んとしばらく小さな呻き声をあげながら悩んでいる。まぁ無理もない。いきなり使い慣れていないキャラを使えって言われても面食らうよな。

 

 こちらの要求が無茶だったかもしれないと楠さんに第二候補だったマーリンでいきましょうかと提案しようとしたとき。


「わかりました。やります」

「えっ、いいんですか」


 思いがけずOKが出た。ただ、その声音は若干重苦しく、結構悩んだであろうことがありありと感じられる。さすがに使いたくないのに無理やりやらせるつもりはないからなぁ。


「楠さん、別に絶対にセイメイじゃなきゃいけないってわけじゃないですよ? 提案したのは俺ですけどホントに大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。悩んでたのは慣れてないから迷惑かけちゃうだろうなってとこだったんで。でも強いキャラだし、せっかくコーチングの機会をもらったんなら有難く教えてもらいたいです」

「いいねぇ。やる気あんじゃん」


 なるほど、悩んでたのはそういうことか。なら全く問題ない。慣れてないんだからトロール(やらかし)するのは百も承知だし、そうやっていかなきゃ上手くなんてなれるわけない。Setoも楠さんの返答に満足げだ。


「じゃあ改めてセイメイでお願いします。俺の持ってる技術全部教えるんで」

「はい、ビシバシお願いします!」


 こうして楠さんの使うキャラも無事決まった。あとは実践を通してひたすら試行回数を重ねるのみだ。


「そういえば、H4Y4T0さんは誰を使うんですか?」

「楠さんがセイメイしてくれるんで、俺がマーリンですかねぇ。それかアヌビス。両方やってみてしっくりくる方で固定しようかなぁと」

「了解で~す」

「じゃあ構成も決まったことだし、早速試してみますか。Setoも準備いいか?」

「うい~」


 こうして全員が準備完了状態になり、今日の最初の戦いが幕を開けた。


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